第24話 僕は正体を知っている子と遊んだ。

 Saikaちゃんが時間中僕をもう一回イカせようとしてくれる。シャワーあがりで僕は全裸、Saikaちゃんは上下ピンク色の下着のみの姿で二人ともベッドに腰かけて座っている。

 「Saikaちゃん、次は言葉攻めもお願いします。」

 「ああ、そうだったね。どんなのが良いですか?」

 「Saikaちゃんが家庭教師で僕がその生徒の設定で、エッチな想像をして話を聞いていない生徒をSaika先生が馬鹿にしながら攻めるってのはどうですか?」

 「随分具体的な設定ですね。」

 「前にエロ動画で見たことがあるネタで、興奮したんですよ。とにかく「変な想像をするな気持ち悪い」とか、「頭悪いくせに勃起するな」とか、僕をボロクソに言ってください。」

 「へえ~、出来るかなあ。」とSaikaちゃんは言っていたが、塾講師の方のアルバイトでも何かと思うところがあるのだろう。いざ始まってみると結構ノリノリだった。


 「ちょっと、また同じ問題を間違えてる。私の話を聞いてた?」

 「すいません。」

 「ねえ、それと何で怒られているのにチンチン起ってるの?勉強中だよね。」

 「すいません。先生が綺麗でいい匂いがするから。」

 「え~、変な事を言わないでよ気持ち悪い。勉強に集中して。」Saikaちゃんのうんざりするような表情が様になっている。

 「僕、先生が好きで、先生の事ばかり考えていたんです。英語じゃなくて僕にエッチを教えてください。」僕はベッドから立ち上がりSaikaちゃんの方へ向いて頭を下げた。

 「ヤだよ、キモいなあ。」Saikaちゃんはベッドに座ったまま僕を見上げて失笑している。

 「先生がエッチを教えてくれたら、僕も勉強を頑張って成績を上げますから、お願いします。」

 「あのねえ、そう言う事は好きな人とするの。なんでオマエなんかとしなきゃなんないのよ。金もらっても無理だわ。」

 「僕、童貞なんです。先生に勉強を見てもらうようになってからずっと先生が好きで、僕の初めてを貰ってもらおうと決めたんです。」

 「知らんし。」Saikaちゃんは顔を横に背けた

 「男の“初めて”を貰えるのは嬉しくないんですか?」

 「キモいだけで嬉しないわ。ついでに言うとオマエのチンチンは小さいし、さっきから何か生臭い匂いがすんねん。その汚いのをはよ仕舞いいさ。」今度は僕の顔を睨み付ける。

 「じゃあせめて1回だけで良いのでイカせてください。このままだと勉強に集中できません。」

 「無理やって、頭悪いくせに勃起するなよ。オマエは子孫を残したらアカン奴やねん。」

 「何とか1回だけ、…1回だけお願いします。」今度は頭を下げる代わりにチンチンを差し出すように、Saikaちゃんの方へ腰を突き出した。

 「もー。じゃあ手だけやで。さっさと終わらせろや。」Saikaちゃんは面倒くさそうに自分の左手の平の上に僕の竿を乗せて、2回ほどペッと唾を吐き右手の平で上から包むようにして両手を手前奥へと動かし始めた。

 「うわ~、白く泡立って変な匂いがしてきた。くっさ~。」亀頭から竿まで滑る感覚と唾の匂いとで興奮が高まる。しかもSaikaちゃんの正体は、僕でも名前を知っている関西の名門私立大学、甲東学院大学の学生で平日の夕方は何食わぬ顔をして塾講師をしているのだ。たぶん中学高校とよく勉強が出来た上、綺麗なルックスでモテただろう。普通なら僕の様な底辺大学卒の男は話しかけるのを遠慮すべき女性が僕のチンチンを弄んでいる。正体を知っていると想像の具体性が高まり興奮も増す。

 「手、疲れてきたし、臭いの嫌だから早くイけよ。」

 「んふ~。気持ち良いんだけど、もっとギュっと包んでください。」

 「えー、もう面倒くさいなあ。疲れたから自分で動けよ。」Saikaちゃんは手を動かすのを止めて、両手の指を咬み合わせて竿を挟むように圧迫を強めてくれた。僕は自分で小刻みに腰を前後に動かすとSaikaちゃんの両手で挟まれた亀頭がヌルヌル滑って気持ち良い。実際にやった事は無いが本当に体内に入っているみたいな感触だ。僕はSaikaちゃんの掌に包まれて射精し、液体が手の平だけではなくSaikaちゃんの手の平の間から手首まで流れ出て床に落ちた。

 「本当に自分で腰を動かして変態だなオマエ。…うわ~汚ね~手首までドロっとついてる。」Saikaちゃんは手を放してティッシュで液体を拭き取っている。僕も箱から数枚取り出して自分のを拭いた。


 「Saikaちゃんありがとう。なんか本当の家庭教師みたいで興奮したよ。」

 「そうですか?初めてだったけど喜んでもらえて良かったです。…あ、裸足でグーパー忘れてましたね。」あまり深入りしてほしくないのか話題を変えてきた。

 「また次回にSaika“先生”に踏んだりニギニギしてイジメてもらうよ。でもSaikaちゃんが本当に先生だったら、生徒さんはムラムラして勉強に身が入らないね。」これは偽ざる僕の本音だ。僕は底辺高校の中でも成績が悪い方だったので、両親が家庭教師を付けたり学習塾へ通わすような事をしてくれなかった。諦められていたのだ。しかし、もしSaikaちゃんのような家庭教師がいたら勉強どころではなく毎晩オカズにしていただろう。自分よりも容姿や能力が優れた女性に思いっきり射精してやるのは楽しい。これも相手の正体を知ることができたからこその新発見だった。

 「私なんかでそんなことないですよ。」

 「そうかな~、僕はすごく興奮したけどなあ。次は学校や塾の先生の設定でお願いしようかな。」

 「ははは。良かったらまた指名してください。」Saikaちゃんは苦笑いしながら退室準備をしていた。


 「bug」と「finder」は年々機能をアップデートしていき、出来る事や利便性が上がって行った。これらのアイテムは「クレイジータートル」の活動で主に使うのだが、僕やメンバーが私用で利用することも「可」と信也や多見子さんが言ってくれているので遠慮なく利用させてもらった。

 例えば、小型カメラが付いた「bug」を酷本さんの家の部屋に約3年ぶりに忍び込んで設置し、酷本さんの私生活を覗き見して楽しんだ。酷本さんはデザイン系の専門学校を卒業したものの企業就職することなく、家の電気屋を手伝っている。田舎の街の電気屋では若い男性との出会いなどあるはずもなく、酷本さんも独身のままだ。面白いことに酷本さんはかなりの頻度で夜な夜な自慰をし、「bug」のおかげでその一部始終を見ることができた。特に夏は布団をかぶることがないのでクリアに見ることができる。まずベッドの上に仰向けに寝転び、ショートパンツとパンティを一気に膝までずり下ろし、右手の人差し指と中指でクリトリス辺りを引っ掻くように弾く。同時にタンクトップの中に左手を差し込み、乳首を摘まんだり弾いたりするのが“お決まり”で、15分前後でクリイキして腰をプルプル痙攣させて果てる。自慰後はベッドサイドのティッシュに手を伸ばして、自分の右手と股間を気怠そうに拭き取り、そのゴミは自室のゴミ箱に捨てるのではなく部屋から持ち出していた。たぶんトイレに流しているのだろう手ぶらで部屋に戻って来て眠りに就いた。「bug」内臓電池が切れるまで数か月、何度か酷本さんの自慰をオカズにして僕も一緒に自慰をした。まあ復讐と言えば復讐だし、楽しかった。僕はこれをきっかけに女性の自慰行為をオカズにする楽しみを知り、風俗嬢にオプションで見せてもらったり、「bug」で盗み見するようになった。

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