第23話 僕達はアイテムの性能を試した。
「クレイジータートル」の活動を進めていく内に少しずつ変わった点がある。1つ目は報酬についてだ。僕の復讐や騒音バイク退治等の初期の案件は無報酬でやっていたが、「よろず屋八田」を窓口にしてしっかりと報酬を受け取ることにした。これまでは依頼内容に共感できるか、面白そうか、何より自分たちが安全に依頼を完遂できるか等を判断基準にして依頼を受けるか否か決めてきたが、今後はしっかりとリスクに応じた報酬も依頼主から頂いて、それを自分達の設備投資等に使ってより安全に依頼をこなせるようにした方が良いと八田叔父さんが勧めてくれたからだ。僕の「figure」である程度お金の自由は効くのだが、使える回数に制限が有るので依頼主から報酬を取る事に誰も反対しなかった。これで「クレイジータートル」の活動が単なる遊びではなく仕事、ミッションになる。
2つ目は信也と多見子さんが得られた報酬や僕からの軍資金で安全かつ効率的に依頼対応できるようにいくつかのアイテムを開発したことだ。まず「bug」と呼んでいるアイテムだ。最初は小型発信機でビーコンで位置を特定するだけだったが、後に音声を録音する機能、カメラを付けて画像や動画を撮影する機能を付加していき、画像や音声の保存容量を増やし、さらに映像等を保存しなくても通信する機能を持たせ、最終的には「bug」自体をドローンのように飛行させるなど、技術の発展と共に信也と多見子さんが順次機能を進化させていった。
もう一つは「finder」と名付けた人物照合アイテムだ。ある人物の顔写真や全身写真。性別、身長、体重、スリーサイズ、身体的特徴等のデータをインプットしておき、あとは不特定多数が通り過ぎる駅前等でカメラを据えて見ているとインプットした人物との整合率が分かる装置で、一致率が85%以上など高い場合はすぐ分かるようにマークが付くようになっている。また、読み込ませたデータ蓄積が増えてくると、全身写真が1枚あればその人物の推定される身長、体重、スリーサイズを割り出す機能が追加されたり、SNSが普及してからはSNSアカウントや場合によっては住所、メールアドレス、電話番号、本名、クレジットカード番号等も分かるようになった。これらも最初は特定の1名のみを順番に調べる事しかできなかったが、次第に複数人を同時並行的に処理できるようになり、主に人探し系や素行調査系の依頼対応時に威力を発揮するようになった。
「bug」と「finder」の試用テストには僕も参加した。信也が「よく見る人なんだけど、どこの誰だか分からないって人いる?」と聞いてきたので「Gmen1919」で遊んだことがある綺麗系のSaikaちゃんを調べてもらった。「シティエデン」で公表されていた口元を隠した顔写真と22歳169cm、B87W57H86のプロフィールを“お題”として信也に提示すると、信也は「風俗嬢やん。こんなんで良いの?」と言いながらも「まぁ、スリーサイズが分かる事例ってあまり無いから、確かに良い題材かもしれないけど…」と最後は納得してくれた。
八田叔父さんにも手伝ってもらいテストを実施。「Gmen1919」がある雑居ビルから一番近い難波駅出入口で「finder」を持って待ち構えていると一致率92%の女性が検知された。八田叔父さんがこっそり追いかけて同じ地下鉄に乗り、電車内で「bug」を女性のトートバックの中に忍ばせた。「bug」さえあれば視界に入らないくらい離れていても位置が分かるので、距離を取って尾行すると、この女性は御堂筋線で梅田に出てJRに乗り換え、西宮で降りて駅から徒歩10分位の地点で動きが止まった。おそらく家に着いたのだろう。そのポイント近くまで行くと世帯用と思われるマンションがあり、部屋番号までは分からなかったが恐らく3階か4階で道路に面した方の部屋という事までは分かった。テストなので信也と八田叔父さんにすぐには言わなかったが、僕達が尾行した女性は間違いなくSaikaちゃんだった。
その後、Saikaちゃんがあの時に持っていたバックで出かける度に行動を把握することができて、徐々に素性も明らかになった。本名は乾 彩華(イヌイ アヤカ)さんで甲東学院大学に在籍し、某学習塾で講師のアルバイトもしている。住んでいる部屋の特定ができたし、時間をかければ1週間の生活パターンや携帯電話の電話番号等のより詳しい情報も把握することができるだろうが、テストなのでこの程度で調査を打ち切った。ちなみにこの時の「bug」は約4mm立方の金属片で仮に見つかっても何か分からないし、ゴミくらいにしか思わないだろう。
僕は後日Saikaちゃんをネット予約して「Gmen1919」を訪れた。45分コースで予約していて、いつもの落ち着いた店員さんに「オプションはどうされますか?」と問われて「言葉攻め」、「顔面踏み」、「唾ローション」を選んだ。Saikaちゃんは美人な上に高学歴でプライドが高いのか、自分が客に近づかれる、触られる系のオプションはNGばかりなので、自ずと客は受け身の形になる。基本料金とオプション代を支払い、指定されたホテルへ一人で移動した。
例によってホテルの部屋番号をお店に電話した後、シャワーを浴びて部屋で待っているとSaikaちゃんが到着した。
「こんにちは。ご指名ありがとうございます。」笑顔で部屋に入ってくるSaikaちゃんを見ると、スラッと細身で背が高いお姉さん系で、やっぱり綺麗だ。たぶん自分でも綺麗系だという自覚があるのだろう、やや薄い臙脂色のスカートに紺色のフレアスリーブのトップス、メイクもキャラクターに合ったお姉さん系で落ち着いた感じがする。Saikaちゃんはコース時間とオプションを確認して、早速プレイが始まる。
「「顔面踏み」のオプションですけど、私もシャワーで足を洗ってきましょうか?」
「うーん、僕はそのままで良いですよ。」一応考える素振りを見せたが、匂いがあるかもしれないそのままの方が良いに決まっている。
「はあ、イクヤさんがそう仰るなら…。」僕が腰に巻いていたバスタオルを外して全裸でベッド上に寝そべると、ローヒールのパンプスを脱いでベッドに上がって来てゆっくり右足を僕の顔の上に乗せた。
「大丈夫ですか?」
「はい。メガネだけ外すので普通に踏んでください。」僕がメガネを外してサイドテーブルに置いて再度仰向けに寝転ぶと、
「失礼します。あの、嫌になったら遠慮なくストップをかけてくださいね。」と言いながらSaikaちゃんが体重をかけて右足で踏んでくれた。黒のフットカバーのつま先から薄っすらと籠った足の匂いがし、柔らかい足裏の感触がした。しばらくするとSaikaちゃんがフフフっと笑いながら足でグーパーグーパーするように足の指を握ったり伸ばしたりして遊びだした。
「イクヤさん、こういうので興奮するんですね。チンチンが起ってますよ。」
「はい。もっと、もっとお願いします。」
「じゃあ、顔だけ横に向いてみてもらっていいですか。」とSaikaちゃんが言うので言われた通りにしてみると、Saikaちゃんが僕の左頬に右足を乗せて先程より体重と力を強く込めただけではなく、グリグリと捻りを加えて踏んできた。Saikaちゃんの右足は頬からこめかみ、頭、顎へもグリグリしながらズレていき、激しく動かしたせいか途中でフットカバーが外れて素足で踏まれた。
「もっと踏んであげようか?それとも1回スッキリする?」Saikaちゃんが声を弾ませながら聞いてくれた。
「イカせてください。」
「フフフ、了解。」Saikaちゃんは踏むのを止めて下着姿になり、ティッシュ数枚を丸めて準備し、僕が寝転んでいる隣にペタンコ座りをして何も付けずにチンチンを抜いてくれた。僕がM寄りと分かったからか力加減強めで激しくしごいてくれたので短時間で果てた。
二人で浴室に入り順番にシャワーを使っている時、こんな話をした。
「時々、自分で「顔面踏み」のオプション付けておいて、私が足を近づけると顔を背けたり嫌がるお客さんがいるんですけど、イクヤさんは本物ですね。ちゃんとチンチンが起って、手でしごくと出たもん。」
「Saikaちゃんみたいに綺麗な子にしてもらって興奮した。」
「実は私もこのオプションが結構好きなんですよ。年上とか同年代の男の人を踏んでストレス解消になるし、男の人によっては踏みつけても怒るどころか喜んでくれる人もいて楽しいんですよ。」
「足でグーパーは初めての経験やったわ。」
「本当ですか?良かったら今度は裸足でやってあげますよ。2回目できますよね。」
「お願いします。」
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