第15話 僕は可愛い子と“まったり”した。

 20歳の秋。「信秀書店」のバイト中、ビデオや雑誌を見ながら考える。「こんな美人が」、「こんなスタイルが良い子が」と驚くような女優が少なからず出ているが、出演作品が増えて笑顔で3P4P等しているような“公衆便所”だと興ざめしてしまう。単体女優作品でやたらと出てくる長身馬面の男優や、やたらと女優に唾を飲ませる小太りのおじさん男優とのプレイだと嫌悪感さえ覚える。Chiharuちゃんのように顔やスタイルが普通レベルでも、あまり慣れていない素人っぽい女子と遊んだ時の方が僕は楽しかったし、癒された。それにホテヘルだとプレイ前に待合室で爪を切らされるのも少し不満だ。僕は鼻ほじり、耳ほじり用に小指の爪だけ長く伸ばしているが、お店に行く度に爪を切らされていたら全然伸びずに鼻クソがほじれない。どこか他に素人で、できるだけ綺麗・可愛い子と遊べる場所が無いかと思っていたら、雑誌の特集記事で「オナクラ」なるもの見つけた。記事によると「基本は、女の子に手でイカせてもらうだけのソフトサービス」で、「ソフトサービス故に心理的抵抗が少なく、可愛い子が集まりやすい」らしい。「自分のオナニーを女の子に見てもらうだけの最小限から、逆にソフトタッチ等のオプションを追加してプレイの幅を広げられるのも魅力だ」とあった。

 さっそく風俗雑誌「シティエデン」でオナクラ店を探すと大阪にも何店かあるようだ。それぞれのお店の基本プレイや金額等のシステムと在籍している女の子の顔写真を見比べる。女の子は、ほとんどが手やお店のロゴで顔の一部を隠している写真ばかりだが、どのお店にも目元だけでも可愛いと思われる子が何人もいた。システムの方はどこも似たり寄ったりだが、ミナミにある「Gmen1919」というお店が面白そうだ。女の子に手でしてもらうのは他のお店と同じだが、女の子が服を脱いで下着姿になってくれるのを、オプションを着けなくても基本料金の中でできるらしい。


 大学帰りにミナミの「Gmen1919」に行ってみた。バイト先の「信秀書店」からもそう遠くない場所だ。「いらっしゃいませ」と落ち着いた感じの中年男性がカウンターにおり、僕は雑誌を見て初めて来た事を伝えた。店員は「うちは女の子にハンドサービスしてもらうお店ですが、お間違いないですか?」と確認した後、簡単にシステムを説明してくれた。ほとんどは雑誌「シティエデン」で予習してきたとおりだったが、「女の子によって出来るオプションと出来ないオプションがあるので気を付けてください。」というのは初耳だった。よく考えれば当たり前なのだが。

 説明の後は女の子選びである。今日は5人出勤しているようで、写真付きプロフィールを見せてもらうと「オーセンティック」よりも明らかにワンランク上の女の子ばかりだった。可愛い系、綺麗系、清楚系と色々いて、どの子も学校のクラスで1、2を争うレベルの女の子ばかりだ。僕の驚きが顔に出ていたのだろう、店員が「みんなプロフィールのとおりで、いい子ばかりですよ」と得意げに微笑んでいた。僕が目をキラキラさせながら悩んでいると、店員さんが「Ichikaちゃんはいかがですか?可愛くて、話しやすくて感じの良い子ですよ」と勧めてくれた。プロフィールにはIchikaちゃん20歳、153cm B83W50H83とある。「Ichikaちゃんでお願いします」と僕も同意した。

 「ではオプションはどうされますか?」

 「最後は下着姿になって手でしてくれるんですよね。」

 「はい。ですが「ソフトタッチ」とか、NGの子もいますが「トップレス」を選ばれるお客様が多いですよ。」

 「はあ…。」オプションの名称と内容が書かれた一覧を見せてもらっているが、数が多いし内容にも制約が多い。例えば、店員オススメの「ソフトタッチ」も服の上やブラの上から触るのは可能だが、女の子の顔や太もも等の肌を直に触ったりパンティ越しでもお尻や股間を触ってはいけないらしい。さらにオプションは、それぞれ金額は違うが有料だ。ホテヘルと同じような事をしてもらおうとするとかなり高額になる。

 「初回はシンプルに「ソフトタッチ」だけ付けて遊んでみますか?で、気に入ってもらえたら次回以降また色々と追加してみてください。時々「手だけではやっぱり消化不良だった」ってお客さんもいるので。」優柔不断な僕に痺れを切らしたのか、店員がまた提案してくれた。

 「そうですね。中々選べないので「ソフトタッチ」だけで1回遊んでみます。」

 「では、基本料金8,000円とオプション料金500円で8,500円となります。ホテル代はチェックアウト時にホテルへお支払いください。」

 店員の案内に従い料金を支払うと、ホテルの位置を示した地図を渡されチェックインしたらお店に電話するように言われた。


 お店が入っていた雑居ビルから徒歩10分圏内の指定されたラブホテルへ入る。一人でチェックインできるか不安だったが、入口のモニターで空いている部屋のボタンを押すと自動販売機のように鍵が受取口に落ちてきただけで済んだ。入室してお店に電話して部屋番号を伝えると「10分位で女の子が着くので、それまでに下半身だけでもシャワーを浴びておいてください」と言われた。

 まだプロフィール写真しか見ていなくて「パネルマジックだったらどうしよう」と思って待っていたが、杞憂だった。部屋のチャイムが鳴って扉を開けると写真どおり童顔のIchikaちゃんが立っていて、一目見て可愛いと思った。Ichikaちゃんは「失礼しまーす」と部屋に入ってきて、遊ぶコース時間とオプションの確認をした後、タイマーをセットした。

 「じゃあ、ベッドに腰かけてください」と僕を座らせ、Ichikaちゃんも左隣に座った。普通に学校やバイトに行くようなトップスとスカートの私服姿で、微かに石鹸かシャンプーかのいい香りもした。

 「シャワー浴びてくれたんやね。ありがと。」声も可愛い。

 「はい。」可愛い子が隣に座ってくれるだけも嬉しく、ニヤニヤしてしまう。

 「45分やし、さっそく触っちゃいます。」と恥ずかしそうに僕が腰に巻いているバスタオルをはだけて、半ダチのチンポが見えるようになった。

 「おお~。」とIchikaちゃんが芝居がかった感じで言うので

 「どうしたの?」と聞くと

 「可愛いおチンチンで良かった。大きいのってなんか見てるだけでも怖いやん。ほんで「どや、スゴイやろ」って偉そうやし。」

 「小さくてすいません。」

 「いやいや、そういうつもりやなくて、私は可愛い方がええねん。私、背だけじゃなくて手も小さいからチンチンが大きいと両手でも長さ足りひんし、そういう男の人って自意識過剰で無茶言ったりするから、イクヤさんみたいに優しくて可愛い人の方が安心できんねん。」とフォローしてくれた。

 Ichikaちゃんは静かに視線を下に落として「触りま~す」と小声で言った後、白くて小さい手で僕のチンチンの皮をゆっくり剥いてくれる。

 「もう大分硬くなってる。…痛くないですか?大丈夫ですか?」を僕の顔を窺いながら確かめてくれる。

 「はい大丈夫です。」Ichikaちゃんは安心したように「フフフ」と笑い、隣から手を伸ばして右手の人差し指で僕の竿の裏筋をスゥーとなぞったり、亀頭の周りを指先でなぞったりしてソフトに弄ぶ。Ichikaちゃんは、ぼーっとその感触を楽しんでいる僕の左肩辺りに頭を軽くもたれさせて「ソフトタッチ、忘れてない?」と恥ずかしそうに言ってくれた。僕はオプションを付けていた事を思い出し、無言で右手をIchikaちゃんの方へ伸ばして右胸の膨らみを優しく揉んだ。服とブラで感触がぼやけるが柔らかい部分があるのが分かる。

 「やっぱり優しいお兄さんで良かった。ふふふ。」とIchikaちゃんは甘い声で言ってくれて、しばらく“まったり”した時間を過ごせた。


 「イクヤさん、透明のが大分垂れてきたね。2回するには時間が足りないし、今、出しちゃったら中途半端に時間が余るけど、もうスッキリしちゃう?」そうか、時間が有れば何回でも連続でお願いできると受付で説明を受けたような気がした。Ichikaちゃんは少し前から僕の透明の液体を指先ですくって、亀頭や竿に伸ばして遊んでいる。亀頭の先端からその周りに液体を指先で広げられる時、気持ち良くて僕がピクピク動いてしまうのを面白がっていたのだ。消化不良なイキ方をしないように「はい、お願いします。」と答えるとIchikaちゃんは「OK」と言いながら立ち上がり、トップスを脱ぎ、スカートを脱ぎ、それらを順にベッドの空いているスペースに置いて下着姿になってくれた。上下薄いピンクの可愛い下着だった。

 「私も胸が小さくてゴメンな。」と隣で照れ笑いしながら、

 「ローション塗らないと痛いですか?」と聞いてくれる。

 「今までのは痛くなかったです。」と答えると

 「じゃあ、何も付けずにやってみよっか。これだけ濡れてたら大丈夫だと思うけど痛かったら途中で言ってくださいね。」と言いながらIchikaちゃんはおもむろに部屋に備え付けのティッシュ箱へ手を伸ばし、ティッシュペーパーを5~6枚手早く取って両手でクシャクシャっと丸めながら僕の左隣に座り、自分の膝上にティッシュを置いた。

 「では、失礼しま~す。…握るのはいつまで経っても慣れへんわ~。」とIchikaちゃんが遠慮がちに右手で僕のチンポを握って、ゆっくり上下に動かしはじめる。

 「透明のヌルヌルで滑るから大丈夫かな?イキそうになったら言ってくださいね。」Ichikaちゃんは時々先端からチビチビ出てくる透明の液体を手の平に伸ばして、その手で竿を握って上下に動かしてくれる。5分程で僕が「イキそう」と言うと、一旦右手を止めて、膝上に丸めていたティッシュを左手に軽く握ったまま亀頭の先端に被せるように持った後、右手の上下運動を再開した。右手の握力がさっきより少し強くなり、イカせようとしているのが分かる。

 僕はイったが、液体のほとんどは左手に丸めたティッシュの中に絡め取られ、あとはIchikaちゃんの右手に少し着いたくらいだ。「気持ち良かったみたいで良かった」とIchikaちゃんは微笑みながらティッシュを追加で取り、自分の右手や僕のチンチンを拭き取ってくれた。Ichikaちゃんは「気になるところはもう一度自分で拭いてください」と言い残して「先に一瞬手を洗ってきます」とバスタオルを持って浴室に入ったが、ボディソープで手や腕を洗っただけなのだろう、下着姿のままバスタオルで手を拭きながら本当に短時間で出てきて「お待たせしました。シャワーどうぞ」と僕にシャワーを浴びるように促した。


 僕が急いで首から下をボディソープで洗い、バスタオルを腰に巻いて部屋に戻ると、Ichikaちゃんはバスタオルを体に巻き、ベッドに腰かけて待ってくれていた。

 「あと7、8分だから2回目は無理だね。どうしよう。」

 「えっと…。」僕もどうして良いか分からない。

 「じゃあ、二人とも服を着て、ハグしよっか?」他にどんな選択肢があるのか分からないので「はい」と頷き、二人とも服を着た。Ichikaちゃんのピンクの下着姿は服に覆われた。

 Ichikaちゃんが正面からふわりと抱き着いてくれる。僕よりも背が低いこの子を僕も両手で優しく包んだ。仄かにするいい香を嗅ぎながら思う。こんなに可愛い子とハグをしている自分が少し誇らしいと。可愛くて元気で、こんな僕にも優しくて気遣いしてくれるIchikaちゃん。よく考えたら20歳と同じ歳で、もしも神様のイタズラでIchikaちゃんが僕と同じ学校の同じクラスメイトだったら、僕はこの子を絶対に好きになっていたと思う。この子は国栖高の貞操観念が低いバカ達やビデオに出ている経験豊富な女優とは違って、純粋でいい子なのだと信じたい。

 「イクヤさん、黙っちゃって何を考えてるの?」

 「Ichikaちゃんのこと。…可愛いなあと思って。Ichikaちゃんは彼氏おるの?」

 「そんな事を聞くのはルール違反ですよ。今はイクヤさんが私の恋人。ふふふ。」ここで「ピーッ、ピーッ」とタイマーが鳴り、Ichikaちゃんが僕の背中をポンポンとタップしながら「ありがとう。良かったらまた遊んでね。」と言って体を離し、タイマーを止めた。

 二人でホテルからチェックアウトする。チェックアウト時に2,000円ホテルに休憩料金を支払った。

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