第13話 僕は偶然いい子に当たった。

 20歳の夏。青龍くんに教えてもらったキタのホテルヘルス「オーセンティック」に来ている。大学の午後の講義が休講の時に予約無しの飛び込みで行ってみた。「シティエデン」を見ておおよそ場所を覚えていたのでお店が入っている雑居ビルはすぐに見つけられたが、中々階段を上がる勇気が出ない。「怖い人にお金を取られたらどうしよう?」、「病気になったらどうしよう?」、「ブスばかりだったらどうしよう?」と考えながらビルの周りの道路をウロウロ当てもなく歩いていたら、明らかにカップルではない男女と何組もすれ違った。20代同士と思われる男女もいたが、ほとんどは中年男性や白髪交じりの男性と若い女の子だ。同じようなお店がこの近くに固まっているのだろう。10分程考え、青龍くんが実際に遊んだお店だし、これだけ色々な男が遊んでいるなら大丈夫だろうと意を決して階段を上がり、お店の受付を訪ねた。

 「いらっしゃいませ。」同じ歳くらいの男性店員が元気よく迎えてくれる。こちらのリアクションも待たずに、

 「今の時間だったらホテル代込みで60分1万5千円ポッキリ。アルバム見学だけでもして行ってください。」と女の子の写真を4枚カウンターに並べられた。雑誌ではモザイクがかかっていたり、手で目や口を隠している写真ばかりだが、ここでは顔のアップや私服の全身写真に年齢とスリーサーズが書かれているプロフィールを見ることが出来た。どの子もパッとしないと思いながら僕が無言で見ていると

 「この子だったらすぐに遊べますよ。」と店員が一人の子を指さした。僕と同じように大学か専門学校の学生と思われる19歳の子で、154cm、B75W60H83と書いてあった。ブスでも可愛くもない、キャンパス内や駅のホームで見かけるような普通の女子だ。

 「Chiharuちゃんはレア出勤の夕方までの子で、慣れてないというかプロっぽく無いのが人気の子なんです。空いてるタイミングが合うなんてお客さんラッキーですよ」と店員に後押しされて、「せっかくならば」と勧められたChiharuちゃんに決めた。「オプションはどうしますか?」、「こちらが会員証です。次回以降……」、「禁止事項は……です」と緊張であまり頭に入らなかったが質問や説明を2~3やり過ごし、1万5千円を支払った後、待合室で待つように言われた。手続きをしてから思ったのだが、何も本名で会員登録することは無かったのに後の祭りだった。


 雑誌や漫画が置いてあるタバコ臭い待合室に一人で待っていると、5分待たない内に声がかかり、お店カウンターに行くと写真どおりのChiharuちゃんが目の前に立っていて、これからこの子の裸が見られると思うと否応なく勃起した。「それでは、いってらっしゃいませ~。」と陽気な店員に見送られて、ニコっと笑ってくれたChiharuちゃんとホテルへ向かう。

 「イクヤさん、このお店初めてなんですか?めっちゃ緊張してはる。」

 「はい。このお店と言うか、こういうお店が初めてです。」と正直に伝えた。

 「え、そうなん。なんか初めてに選んでもらえて嬉しい。」

 「何が出来るかとかもよく分かっていなくて、すいません。」

 「そんなん気にせんでええよ。でも、できる事とNGとがあるんで何でも聞いてくださいね。」

 「イクヤさんは学生?」口下手な僕にChiharuちゃんが気を遣って話を続けてくれる。

 「はい。大学生です。」

 「ウチと一緒や。午後に講義やサークルが無い時とかだけバイトでやってるから、あんまりお店に出てないんよ。まあ、うちはアホ大学やからサボってもあんま変わらへんねんけどね。」

 「僕も今日講義が休講で。」

 「そうなん。じゃあ二人で学校サボってるみたいな感じやね。」

道々こんな会話をしながらChiharuちゃんはお店が提携していると思われるラブホテルへ僕を連れて歩き、手際よくチェックインをしてくれた。


 僕にとってはラブホテルに来ること自体が初めてだ。4畳半くらいの狭い部屋にセミダブルのベッドがあり、脱衣カゴ2つと備え付けの棚にバスタオルやティッシュの箱、内線電話が置いてあるだけで簡素だ。部屋に入るとChiharuちゃんは携帯電話で「ホテルxxのxx号室に入りました」とお店に電話し、持参したタイマーをセットした後、「それじゃあシャワーを浴びましょうか」と僕に微笑みかけて服を脱ぎだした。目の前で女子が当たり前のように服を脱ぎ、髪留めで髪を纏め、下着を取り裸になった。今まで二次元でしか見たことが無かった女子の裸だが、ほんの数分前に初めて会った女子がもう全裸で目の前にいる事に驚く。横目でChiharuちゃんを見ながら僕も急いで全部脱いで、脱衣カゴに放り込んだ。

 お風呂場はシャワーと小さな湯船があり、Chiharuちゃんはシャワーの温度を確かめながら勢いよくお湯を出して、ボディソープを手で泡立て始めた。

 「少しは緊張が解けましたか?」向かい合って僕の胸やお腹辺り泡で洗ってくれる。僕よりも少し背が低く小柄だ。

 「はい。」リアルな女子の裸を間近に見て本当は緊張しているがこう答えると、笑顔で何度かボディソープを手に取りながら僕の手や脇、背中に手を回して後ろを洗ってくれたり、座って両足も洗ってくれた。

 「じゃあ、失礼します。」とChiharuちゃんは言って、僕の勃起したチンチンを手に取って仮性の皮を剥き、カリ首まで丁寧に洗ってくれた。

 「ふふふ、起ってるね。緊張で起たない人とかイケない人とかもたまにいるらしいけど、イクヤさんは大丈夫そうで良かった。」

 「も、もう気持ち良いです。」亀頭を洗ってくれている時につぶやくと。

 「だ~め、楽しいのはまだこれからですよ。じゃあ、お湯で流した後、そこのマウスウォッシュでうがいをお願いします。」僕の体を一通り洗った後Chiharuちゃんはこう言って、今度は自分の体を洗い始めた。


 バスタオルを体に巻いたままベッドに上がったが、すぐにタオルを取り裸で二人並んで寝転ぶ。何をしたらよいのか分からない僕が“気を付け”の姿勢で寝たままでいるとChiharuちゃんが隣から頬に軽くキスをしてくれた後、体半分僕の上に乗って唇にも軽くキスをしてくれた。

 「イクヤさん、怒らへん?…怒らんといてや。」Chiharu ちゃんがクスクス笑いながら聞いてくる。

 「え、何が?」と不審に思い問い返すと

 「こういうお店が初めてって言うか、もしかして女の子自体が初めてなんちゃう?」

 「え……はい。すいません。」なぜバレたのか分からないが、嘘をついても仕方がない。

 「そんな、謝らんといて。手、出ししてこおへんし「もしかしたら、そうかなぁ」と思ってん。ウチも慣れてないし上手じゃないけど頑張るし。」と僕を励まし、頬や唇への軽いキスを時折混ぜながら、ゆっくり優しく僕の胸やお腹を撫でてくれた。女子が裸で隣にいて僕の体を触ってくれている。Chiharuちゃんのすべすべ肌の感触と体温の暖かさに感激し、柔らかい唇のキスは僕にとってファーストキスだった。小学生の時は授業のダンスで手をつなぐのを嫌がられ、中学の時は目が合うだけで気持ち悪いと言われ、高校の時は恥ずかしいイジメを受けた僕が普通の女子とキスしながら裸で触れ合っている。二度見するような美人でもサッカー部のメスゴリラでもなく、このどこにでもいそうな平凡な女子とお互い不慣れなエッチな事をしているのが本物の彼女のようで興奮をかき立てる。

 Chiharuちゃんは体を少しベッドの下手の方へ移し、僕のチンチンに手を伸ばしサワサワしてくれた。しばらくすると

 「硬くなってるから気持ち良いのかな?」チンチンを触ったまま微笑みかけてくれたので、

 「気持ち良いです。」と答えると、Chiharuちゃんはと少し大げさに笑ってくれた。

 「イクヤさんは、何かやってみたいことある?」と聞いてくれたので

 「オッパイを触りたい。」と素直に答えた。

 「うん、ええよ。」とChiharuちゃんは体を起こし、膝立ちになって「どうぞ」と小声で言ってくれた。僕も体を起こしてオッパイを手で下から包み恐る恐る揉んでみる。もっとフニャっとするかと思えば、張りがあるというか少し硬かった。

 「何か真剣な目で見られながら触られると恥ずかしいわ。」と冗談ぽく笑われたので、気持ち悪かったのかなと思い「すいません」と謝ると

 「イクヤさん、すぐ謝る。こういうサービスなんやから謝らんでええし、たいしたオッパイじゃないけど、舐めたり吸ったりしてもええんよ。」と言ってくれた。お言葉に甘えて小さな乳首を口に含み吸ってみる。記憶が無いくらい小さい頃に母親のを吸って以来だ。張りがあるオッパイの先端にあるコリコリとした乳首を吸ったり舐めたりしているとChiharuちゃんは僕の頭をヨシヨシと撫でてくれた。ビデオの女子を見ていると胸を揉まれたり乳首を舐められたりすると「あん」とか甘い声を出していたが、実際にはそんなことはなかった。

 「オッパイ楽しかった?」しばらく胸に夢中だった僕にChiharuちゃんが声をかけてくれる。

 「はい。」

 「じゃあ、時間が少なくなってきたからそろそろイってもらおうかな。そこに座って。」僕は言われた通り腰を下ろしベッドの上に座ると、Chiharuちゃんは僕の両足を左右に少し広げて、その間に丸まるように座り僕のチンチンを右手で摘まんで亀頭をペロペロ舐め始めた。ビデオではモザイクがかかっているが、今、目の前で僕のチンチンを女子が舐めてくれている。「これがフェラかぁ」、亀頭の敏感な部分は舐められると気持ち良いが、竿に舌を這わせてもらったり口に含まれたりしても物理的にあまり気持ち良くない。どちらかと言えば女子が一生懸命自分のチンチンを舐めたり咥えたりしてくれているシチュエーションに興奮する方が大きい。

 しばらくフェラをしてくれていたが「ちょっと休憩」と言って、Chiharuちゃんはチンチンから口を外して一旦体を起こし、数度深呼吸した。

 「うちフェラが下手くそやから中々イカせられんくてゴメンな。もしイキそうになったら早めに言ってな。」と言うとまた僕のチンチンを咥えて、今度は手も添えて上下に動かしてくれた。陽気な店員が言っていたように、慣れてなくてプロっぽく無いのが人気というのが分かる。入店してからも授業等であまり出勤しておらず、もしかしたらプライベートの男性経験も少なくて慣れていないのかもしれない。そんな普通の女子が何とか僕を気持ち良くしようと未熟なテクニックで頑張ってくれているのが嬉しい。なんだか菫さんと初めて同士のセックスを妄想したのに近いものを感じた。僕はChiharuちゃんの優しさとチンチンへの刺激で気持ち良くなり「イキそうです」と伝えると、Chiharuちゃんは口を外して体を起こし、右手でチンチンを握り直してスパートをかけてくれる。Chiharuちゃんの唾液でテカり、唾独特の匂いがする僕のチンチンから勢いよく白い液体が飛び出した。

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