第8話 僕は無理やり買わされた。

 月曜日の放課後から教室に呼び出された。サッカー部のバカ達は、放課後は部活だし土日は試合が入ることがあるのでアルバイトをしていない。親からいくらかお小遣いを貰っているのだろうが、学校帰りに買い食い等をしていたらあっと言う間に無くなるらしい。

 「単三、只鳥の体操着で遊んでいたけど、夜中に忍び込んだ時に他の物でもやってたんやろ?」苦道さんはいつも突然僕に話を振ってくる。

 「あの時が初めてです。」

 「嘘つけ。あの時1組の教室に入って真っ先にロッカーを漁ってたやろ。これまで只鳥の何を使って遊んでてん?」そこまで見られていたのかと唖然とする。

 「っていうかさ、もしかして只鳥って子だけじゃなくて他の女子のでもやってたんちゃう?」と酷本さん

 「そうなん単三?」

 「勘弁してください。言いたくありません。」

 「言いたくないってことは、やっぱり見つかった時がたまたま只鳥で、他の子の持ち物でもやってたんや。」誰の何を使ったか全ては覚えていないが実際そうなので否定できない。

 「うわ、こいつ否定せえへん。気持ち悪ぅ。」

 「自分のを知らん間に変な事に使われるとかあり得へんわ。」

 「まあええわ。」と苦道さんは、まだ制服を着たまま椅子に座っている僕の前に立って軽く僕の顔を見下ろし、フンと一笑した後「おまえ今いくら持ってる?」唐突に聞かれた。

 「2千円くらいですが…」

 「ウチのパンツ売ったるわ。」

 「え、何ですって?」何を言っているのか聞き間違いなのか、真意が分からず苦道さんを見上げると

 「遠慮すんなよ。」と言いながら苦道さんはスカートの中に手を入れて素早く自分でパンツを脱ぎ、「ほれ」と僕の頭に被せた。パンツの股間部分で口や鼻が隠れるが、両足が通る穴から両目が出ているので周りを見ることができる。体温で生温かいポリエステル生地の女性用パンツ。触るのは初めてでスベスベして触り心地が良いが、部活終わりで汗臭くて少し湿っている。僕が茫然と座っているのを見てバカ達は大笑いし、酷本さんは例によって鞄からデジカメを取り出し、写真を撮り始めた。

 「ほら、苦道さんの匂いを嗅がせてもらえよ。」

 「なんか間抜けなパンダみたいだな。」

 「今まで女子のパンティで遊んだことあるかぁ?」

 「せっかくだからそのままオナニーしろよ。」

 「いいやん。見ててあげる。」とバカ達が盛り、

 「嫌です。要りません。返します。」と僕は断ったが

 「おまえが被ったパンツなんか返されても気持ち悪くて使えないんだよ。」と苦道さんに冷たい目で見降ろされ、「さっさとやれ」と命令された。僕はズボンとブリーフを下ろし、自分で触り始めた。さすがに忘れ物でパンティが残っていた事は今まで無く、女子のパンティを触ったり匂いを嗅いだりするのは初めてだ。ただ残念なのはこれが苦道さんの物であることだ。可愛い女子のなら興奮するが、長身で切りあがったキツネ目の地黒女のでは逆に萎えそうになる。

 なんとか発射した後、僕が頭からパンティを外すと本当に苦道さんに2千円を巻き上げられた。苦道さんが言うには「お姉ちゃんがミナミのブルセラに売ってるのを聞いてると、本当はもっと値が付くらしいで。現役女子高生に直に売ってもらったんやから2千円やったら安いもんや」と無理やり納得させられた。バカ達の言い分では、これはカツアゲではなく取引とのことだ。この後、月に1~2回不定期に買取をさせられることになるが、僕は卒業するまで財布の中には2千円以上入れないようした。イジメられっ子なりの生活の知恵だ。ちなみに、無理やり買わされたパンティは高校卒業後、行動範囲が広がってから遠くの駅のゴミ箱に捨てた。


 バカ達は僕が普通にオナニーをするのを見るだけでは飽きて、面白くなくなってしまったのかもしれない。僕がこれまで夜中に上履きや体育シューズもオカズにしていた事も口を割らされ、「おまえ女子の足でも興奮するんや」とより過激というか、より惨い遊ばれ方をするようになった。

 例えば、椅子に座る枯林さんが教室の床に正座で座っている僕にオナニーを命じ、僕が手を動かし始めると上履きを脱いで靴下を履いたままの足を顔に押し付けてきた。足独特の匂いがして僕が顔を背けると「失礼やぞ」と汚黒くんに頭を後ろから押さえられ逃げられなくなり、「せめてメガネだけは外させてください」とお願いして汚黒くんに僕のメガネを取ってもらい、枯林さんは僕が発射するまで左・右と足を変えながら顔にグリグリしていた。連中の中ではまだマシな枯林さんだったからかろうじでイケたが、バカ達には「頭がおかしい男って、女に顔を足蹴にされても射精するんやね」と呆れられた。


 また別の日。僕が裸で犬真似をさせられている時、泡知さんは四つん這いの僕の後ろからチンチンを摘み、泡知さんが履いていた紺色の靴下を脱いで僕のチンチンに被せ、上下にしごき始めた。「やめてください。病気になる。」と四つん這いのまま後ろに向かってお願いをしたが、「何が病気や、アホ。」と笑われただけだった。僕は尿道からバイ菌が入って病気になるのではないかと真剣に心配したが、泡知さんはお構いなしに手を動かし続け、僕は泡知さんの靴下の中で射精していまい、靴下のつま先部分から僕の液体が染みて床に垂れた。バカ達が笑う中、「面白かってんけど靴下どうしよう。もう使えへんわ」と泡知さんが言うと、「両方とも単三にあげたら」と苦道さんが答え。「ほら、こっちも家でオカズに使っていいぞ」ともう片方の靴下も脱いで僕に押し付けてきた。


 僕はこのバカ達に「誰の何でもオカズになる訳ではない」と声を大にして言いたい(実際には面と向かって言えないが。)。清楚で可愛い女子の持ち物ならともかく、ブスの下着や臭い足では苦痛なだけだ。だからこそ1組に忍び込むことが多かったし、1組に何もない時に仕方なしに普通科のクラスも渡り歩いた程度だ。バカ達のいじめによる精神的ダメージが冗談では済まないレベルになりつつある。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る