第5話 僕は初めて抜いてもらった。
弾地さんは1週間ほど練習を休んでいたが、足の痛みが引いたようで練習に復帰している。まだ本調子ではないらしいが紅白戦に途中出場で参加したりしているようだ。
僕の方はというと、グラウンドでの全裸晒しとデジカメ撮影で苦道さん達への絶対服従を誓わされた後、僕が素直に言う事を聞くようになったからか暴力は無くなったが、オナニーをさせられたり、裸で犬の真似をさせられる精神的なイジメは続いている。犬の真似というのは、バカ達は僕の全裸ハイハイが余程面白かったのか、僕が脱いだ制服のズボンからベルトを抜き取って僕の首に輪を通し、首輪代わりに使って裸で四つん這いの僕を引き回すのだ。時には「ワンワン」と鳴き声も真似させ、犬のように“伏せ”や“チンチン”のポーズを取らされることもある。バカ達は何かしら嫌なことがあると弱い者イジメをしてストレスを発散する。特に決まった周期があるわけではなく、バカ達の気まぐれで携帯電話に呼び出しがかかってくる。
この日も部活終わりに2組の教室へ呼び出された。また「チンチンを出せ」と言われ、バカ達が机の上や椅子に座っている前で立ったままズボンとブリーフを足首まで下ろす。今日は何をさせられるのかと思っていると、泡知さんがバカ達と喋りながら唐突に僕のチンポを摘まんだ。右手の人差し指と中指、それと親指で僕の棒を摘み前後に動かし始めたのだ。
「あん。」と思わず声を出してしまう。
「変な声を出すなよ単三。気持ち悪い。」と泡知さんが手を動かしながら顔をしかめる。
「すいません。触られるの初めてで。」
「はぁ?オマエも彼女とかいたことあるんやろ。」
「いえ…。」
「マジで!じゃあ童貞なん。」泡知さんに確認され、バカ達が大笑いする。
「キモ~。付き合ったこと無いんや~」
「ウチ学校で童貞さんとお話しするの初めてや。高校生でもいるんやね。」
「じゃあリアルでやった事なくて、今まで想像だけでオナニーしてたのかよ。」
「確かに不細工で、チビで、勉強できない、運動もできない。おもろい話ができるわけでもないし、これじゃ彼女できひんなあ。」
「泡っちゃん、単三の童貞をもらってやれよ。」と苦道さんが冗談で言うと
「あ、俺ゴム持ってるぞ。1個あげようか。」と汚黒くん
「さすがにそれはキツイって。手コキだけで許してぇや。」と泡知さんに断られ、バカ達にまた笑われた。泡知さんは「童貞かぁ」としみじみと言いながらまた手を動かす。泡知さんとはいえ、初めて自分以外の人、それも女子にチンポを触られて、気持ち良いやら恥ずかしいやらで勃起してしまう。
「泡知さん、もう止めてください。」
「でも気持ち良いんだろ。我慢汁がすごい出てくるし、キモイ顔が余計に気持ち悪くなってるぞ。」
「本当に止めてください。僕だって好きな女子とエッチしたいんです。」
「なんや、私が相手では不満って言いたいんか?」泡知さんはさっきまでヘラヘラ笑っていたのに僕のを摘まむ力が強くなった。
「そう言うわけではないのですが…」
「おもろいやんけ。ほんならイカんように我慢してみい。」泡知さんが立ち上がり僕のを摘まむ手を持ち換えて動きを速める。僕がギュッと力を入れて我慢していると
「目を開けろ」と泡知さんに言われ目を開けると、ニキビ面のアンパンマンみたいな泡知さんの顔が近づいてくる。キスされるのかと思いプイッと横に顔を逸らした。
「誰がオマエなんかとキスするか、ボケが。それより私の顔をよく見とけよ。私がオマエを初めてイカせる女や。一生モノの思い出だよなあ。」泡知さんが顔を近づけてニヤッと笑っている。泡知さんは昼間にニンニク醤油の唐揚げでも食べたのか、口からそんな匂いがした。
「やめてください。」と再度お願いするのとは裏腹に、僕は少しずつ腰を前に突き出していき、泡知さんは手を動かしながら「私に飛ばすなよ」と言って僕の正面から右横に移動し、中腰になって指でシゴいてくれた。バカ達も僕の正面を避けて左右に分かれ、酷本さんは「新しいネタだ」と嬉しそうにデジカメで僕の写真を撮っている。
僕はイカないように出来るだけ我慢したつもりだったが、気持ち良さに勝てず射精してしまい自分のズボンやパンツに落ちたのはもちろん、教室の床にも飛び、しごいていた泡知さんの右手にも精液が付いた。泡知さんは得意気に白い液体が付いた右手を僕の前でヒラヒラさせて、僕が目を背けると
「礼言えよ。」と左手で軽く頭をはたかれた
「ありがとうございました。」と下を向いたままボソッと礼を言ったが
「オマエ抜いてもらったんだから、ちゃんと私の目を見て、私の名前を言ってお礼しろよ。初めての女やぞ。」と偉そうに注意され
「泡知悦子さん、本当にありがとうございました。」と泡知さんの顔を見て頭を下げた。
「はい、二人ともこっち向いて~。」とカメラを構える酷本さんの声がして、泡知さんが左腕を僕の首へ回し、酷本さんの方を向いて右手でピースサインをした。僕は下半身裸で、亀頭からの先端から垂れる液体もまだ拭き取っていないままだ。
撮影が終わり、液体を拭き取ろうと制服のポケットからポケットティッシュを取り出すと泡知さんに取り上げられ、泡知さんはそれを使って自分で右手を拭きだした。僕が他に拭く物が無いかと周りを探すがあるはずがない。「トイレに行ってトイレットペーパーを使えば?」と枯林さんに言われ、少し躊躇したがズボンとパンツをそのまま履いて、教室を出てトイレに向う。「拭かずにそのまま履きやがった」、「汚ね~、あいつまた臭くなるぞ」、「床のも掃除しろよ」と背後からバカ達の声がした。
僕はトイレの個室で再度ズボンとパンツを下ろし、トイレットペーパーで液体を拭き取る。自分の液体ながらネチャネチャして鬱陶しい。こんな形で僕の貞操が汚されて悲しい半分、初めて女子に気持ち良くしてもらって嬉しい半分の変な気持ちだ。ただ、泡知さんが僕を初めてイカせてくれた人だと考えると悲しい気持ちの方が少し大きい。泡知さんのニヤつく顔は一生モノのトラウマになりそうだ。
自分の衣服と脚に付いたのを拭き取り、トイレに置いてあった予備のロールを持って教室に戻った時にはみんな帰った後だった。僕の席の椅子の上には泡知さんが自分の右手を拭き取ったと思われるティッシュが丸めて置いてあった。僕は床に落ちた自分の液体をトイレットペーパーで拭き取り、椅子のティッシュと合わせて鞄にしまい、僕も家に帰ることにした。鞄の中のゴミは途中のコンビニのゴミ箱に捨てた。
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