閑話休題 ニファの目覚め

 小鳥の声が聞こえる…光が差し込んでいていい気持ちだ。

 …私は死んで天国に来たんだろうな


 そんなことを思っていると大きな声で、現実に叩き起こされた。


「お〜〜〜き〜〜〜ろ〜〜〜!!!」

 大きな声が私の耳にこだまする。


「ふぇあ!…いったいなんなんなのー!!?」

 私は見覚えのない部屋のベッドで寝ていた。どうやらあの後、寝かされていたらしい。


 部屋には、向かい合わせで本棚とクローゼットが置いてあり

 真ん中の床に私の鎧と剣がキッチリと置かれていた。

 部屋には、向かい合わせで本棚とクローゼットが置いてあり

 真ん中の床に剣がキッチリと置かれていた。


 私は……助けられたの?そう思っていると部屋のドアが開いた。


 私は思わず警戒し、拳を前に合わせファイティングポーズをとる。


 ドアからは私と同年代くらいの青年が食べ物のようなものを運んできた。

「おっと、お目覚めか…!そんなに警戒しないで、ほれ、朝食。よかったら食べて」

 間違いなくさっき聞こえた声は、の声だ。

 私は彼の気さくな態度に思わず素っ頓狂に驚いてしまう。


「あっ…ありが…とう。ええと…私は助けられたのですか?」

 困惑しながらも私は彼に尋ねる。


「ああ…いや………その事ならこいつに聞いたほうが早い」

 その人が苦い顔をしながらそう言うと、中にある人物が入って来た。


「あんたは!!」

 …間違いない!私の初めてのキスを奪ったクソガキだ!


 青年は私の殺気立った雰囲気を感じ取ったのだろう。

「じゃ、じゃあ!あとはごゆっくり〜〜」

 そう言うとそそくさと部屋から出ていった。


「おう!無事だったんか。良かったな!!」

 ソイツはいつにましてのアホヅラで、そうほざきやがった。


 私は今、彼に最も言いたいことを伝えた

「よくも私のを奪いやがって!!私の、私のラブストーリーを返せぇぇぇ!!!!」












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