ポットク鉱山ファイナル 最強最高!天下無双のスピーディーファイター!!
レントことリペソルが飲み込まれてから数分が経った。
しかし、私は何もせずにただ待っていた。
理由はそう、ソロンさんに絶対に助けに行くなって言われたから。奴は必ず戻って来るって言ったから。
…彼の過去は本当に壮絶極まりないものだった。お酒がなかったらとても耐えられないような内容だった。きっと私がレントなら自ら命を絶っただろう。でも、彼はそうはしなかった。
彼は今でも、過去と争い続けているんだ…!!
だからお願い……自分を見失わないで帰って来て…!!
私がそう心から願った……その時だった!!
「グギャガァァァァァァーー!!」
レントを飲み込んだ岩蜘蛛が急に苦しみ始めたのだ。
そして…口から何かを吐き出した!!
口から出たそれは、私の近くで綺麗に着地する。
レントだ…リペルソルジャーが戻って来たんだ!!
「レント!!無事…だったんだね…!!私、心配で心配で…」
思わず泣きそうになりながら私は彼に言う。
「それよりもニファさんを頼む。怪我はないみたいだけど、気絶してるみたいだ」
彼の手には横たわった彼女を彼は私に託す。
「おかげさまで目ぇ冷めたよ。ありがとう…みんな!!」
*********
ノーサがいなくなった事を確認すると、俺は忌々しき化け物の前に向かい立った。
「正直言って今もよく分からない。どうしたら昔のことを忘れられるか。過去を思い出さなくなるかさっぱり。けどな…」
そう言いながら俺は相棒の持ち手を持つ
「俺は今、この国の、ちっぽけな土地で、今まで出会ったの人達を経て、ここに立っている。そして今、俺が守りたいって思うものを守るためにお前を倒す事も…!!」
持ち手に力を込める。
「そして、馬鹿な俺は、そいつらを信じ続けなきゃならないってこともなぁ…!!!」
俺は持ち手を1回、2回、3回と引いた。
すると…スコップから俺の体にスパークが走り、脳や筋肉や血や肉がドクンドクンと音を立てて動き出すのを感じる。
「さて、もうお前は俺には勝てないし、嫉妬かなんか知らんけど…もう俺はお前を逃さない。さぁ、痺れる…なよ」
岩蜘蛛は即座に巣のように糸を張り巡らすが、俺はそれを上に下に右に左に避けながら岩蜘蛛の側に一瞬で近づく。
「おっせぇな。亀に謝れよ、蜘蛛やろう!!」
俺はスコップを使わずに、自分の拳で蜘蛛をぶん殴る!!
その瞬間、蜘蛛の歪んだ顔に一瞬にして穴が空いた。
蜘蛛は殴られた衝撃なのか、ピクピクと手足を痙攣させて動けないようだ。
「成る程…俺の衝撃を弾き返す能力を応用して、体や武器にスパークを走らす事によって、常時能力発動状態にし、全ての身体能力の向上、反応速度の向上を引き起こすってことか。
俺が感電死しないのもそれを踏まえた上。フフ…最高だな。
あの狂人魔道具師…!!」
俺は自分の腕にありったけの力を込め、ミシミシと音がなるスコップを6回、岩蜘蛛に振り下ろす!!!
「
その刹那、蜘蛛の体には六つの穴が空いた。
「まだまだこれからだぞーー!!!!」
俺は地面にありったけの力を込め、全力でジャンプする
「うっそーーん…!!」
余りにも力を込めすぎて、一瞬で天井まで来てしまった。
「まぁでも、いっか!!」
俺は天井に力を込め蜘蛛の方に向かって空中を回転しながら突撃する。
「さぁ、ごらんー下さいーー!!」
俺は、再生しかけている蜘蛛の脳天に向かって思いっきり技を放つ。
「
そのまま蜘蛛をえぐりとった俺はそのまま地下を掘り進んでいく。
「…んでもってこうする!!」
俺は回転したまま、回転する自身の進行方向を逆向きにして、土の外に出る。
蜘蛛はまだ再生しかけているようだ。
「マジかよ…でもね、こっちももうあいにく、ブレーキ無くて止まれねーんだわ」
俺は目を瞑り、全身にありったけの力を、魂を込める。
守るべきもの、俺が今必要としているものを考える。
俺の全身の筋肉が隆起していく…
「
自分の視界が一瞬遅くなったような感じがした。早く動いてるはずの自分自身も、岩蜘蛛が俺に噛みつこうとしている事も、スパークにより飛び散る岩岩も、その全てが遅く見える。
俺は噛みつこうとする蜘蛛を当然のように走り抜け、何度も、何度も蜘蛛に対して強烈な相棒の連撃を与えていく。
————————
「そろそろいいかな……」
既にボロボロの肉片になりかけている岩蜘蛛だったものを見て、俺は哀れみの言葉で言った。
「それじゃあ締めはフィッシュ…じゃ無くて
俺はスコップの持ち手を1、2、3回引き直す。
体からは更にスパークが走り、正直ちょっと痛いくらいだ。
俺は相棒を投げ、蜘蛛に突き刺し、蜘蛛はスパークにより動けない。
利き足の右足に力をありったけ込めて放つ必殺技。いや…超必殺技とでも言うか。
俺は蜘蛛に突き刺さったスコップを思いっきり蹴り込む。
そして、蹴られたスコップは反動により、既にボロボロな蜘蛛の体をゆっくりと貫通していく
「
その瞬間に俺のスコップからものすごい電気が流れ、それを食らった蜘蛛は…消滅した。
残ったのは地面に刺さった相棒と俺のみ
「ハ…ハハ…!!俺の……魅力に…痺れた…な……」
そこで俺の記憶は止まった。
————————
「いやー痺れたなぁ…俺の魅力に痺れたな(キラッ)なんてさぁ……」
ソロンは覚醒した俺の決め台詞を真似しながらニタニタと笑った。
「いいじゃん…ヒーローの真似したっていいじゃん」
俺はきっと、顔を真っ赤にさせながら言ってるんだろうなぁ
「そうよ、ありがとうね…レントちゃん…」
ニファが俺を子供呼びしながら言って来やがる。
「うっせぇ…!!てか、これどーするんですか!?俺らぐるぐる巻きで何にも食べれないんすけど!!」
ニファと俺はドクターストップで包帯で全身をぐるぐる巻きにされたまま動けないのだ。外はせっかく、お祭り騒ぎなのによぉ。
ニファとケルトンはあの後、互いに謝罪をすることで、仲直りをしたらしい。いやー仲睦まじい事は良い事ですなぁーー。
「…ってか。俺が倒したんだぞ。岩蜘蛛!!お前ら少しは俺に感謝しやがれ!!!
というかソロン…!俺を信じてくれたのはありがたいけどさぁ…解除方法教えろよ!!おかげで運ばれる時も他の人が感電しちゃって運べなかったんだからな…!!」
俺は包帯で丸まった体をジタバタさせながら言う。
「ごまんごまん…ほれ、これが肉だぞ!」
ソロンは俺に自分のきった長い牛ロース肉を投げる。
「あちゃァァァァ!!おいちゃぁ死ぬってあちゃぁ早くどかせよォォォォォォォォォォォ」
こうしてリペルソルジャーは病院送りになった代償として、新たな力、新たな友達、そして…今の仲間を守るという、新たな志を手に入れたのだった!!
リペルソルジャー一章完
二章すぐに来ます!!
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