プロローグ③ 真相と戦いの始まり

俺はシー 


シーフースー の長男である……

ついさっきまで死にかけていたが、リペソルによってなんとか助けられたのだ。


どうやらフーとスーが俺が一人で戦っていたのをみて…森の中をさまよいながら助けを求めに行ったのをリペソルに見つけてもらって、

たまたま合流できたって流れらしい。


それにしても、俺は、なんてよくできた妹と弟を持ったのだろうか……!

今回も色々大変だったが、リペソルのおかげで奇跡的に全員で帰れそうだ!



ん?…全員……


《シー》「あっ!!金ピカ剣士のことすっかり忘れてた!?」

さっき俺と一緒に吹っ飛んで行ってたな!?そういえば…!


俺が命、張って助けに行ったのに…

あいつが死んでしまったら本末転倒じゃないか!!



《シー》「どうしよ〜リペソル〜〜(泣)」

と、奴に泣つき、その顔を見た瞬間


俺はビクッととした……

リペソルが今だに険しい顔でいたのだ


《リペソル》「…………」


《シー》「おぃ…大丈夫か………?」


俺が恐る恐る声をかけた瞬間…!


奴が大声をあげてこんなことを言った。


《リペソル》「おい…!今も近くで俺たちの会話聞いてるんだろ!!

こそこそ隠れてないで……出て来い!!!」



***

俺はおそらく隠れてるであろう、その者に伝わるように言った。

そして、それは木の陰からでてきた。


《金ピカ》「流石……噂の子ね……私が

貴方は気付いているんでしょ…?」



《リペソル》「あぁ」


《シー》「金ピカ剣士!!!無事だったか!」


《リペソル》「聞いて驚くなよシー…コイツ、最初から仕組んでやがった!」


これからその真相を語りたいと思う。

-------


時はリペルソルジャーがシーたちとはぐれた時に巻き戻る。……金ピカ剣士を追いかけていた俺はある違和感を感じ、ふとその場に立ち止まった。


すると…金ピカ剣士もぴたりとその場に止まり、そのまま直立不動で停止したのだ。

なんともその状態を、ひどく不気味に思った俺は、試しに奴に話しかけてみた。



《リペソル》「おい、魔物もいないのにこんなとこで止まってどうした?

NPC急に立ち止まっちゃってさ…」


シュッ!!


うぉ…!?あっぶねぇ!!!


奴が急に剣を抜き、俺に斬りかかったのだ!

あまりに突然のことにびっくりしながらも、俺は奴の攻撃をうまく回避した。


《リペソル》「これは、どうゆうつもりだ?」

そう俺は奴に聞き返したのだが、


《金ピカ?》「………」


こういう重要な時でもコイツはあくまで自分のスタイルを貫くらしい。

剣士のくせして中身はゴリゴリ、ゴリラの暗殺者ってわけか


俺は相棒のスコップを構え、奴と対峙した。


次にどんなことを行動をして来ても絶対に対応する…

そして…攻撃できるところで積極的に反撃をしていこう。

そう思考を高速で巡らせる。


《金ピカ剣士?》「聖光の乱れ雨ホーリーシャワー

おいおいちょっと待てそれは!


突然の予想外の手に俺は困惑した。

そして、奴の手の中から光の粒子があふれ

雨のようになり俺のほほをかすめた


うぉ…!また危ねぇ!!


今度は剣を振らずに遠距離攻撃か…剣士としての名が泣くぜ、全く…


聖光の乱れ雨ホーリーシャワー…光中級魔法 光を雨のように分散させ、散弾のように対象にぶつけるって技だ。ソロンがたまに使っていたから覚えている。


だが…俺の相棒はなぁ魔法だってだって弾くことができんだよ!!


俺はやつの攻撃を回避しながらも、相棒で光の雨を弾き、スコップに衝撃を蓄えていった…!


「しっかし、中々近づけんな……」


どうやら… 聖光の乱れ雨ホーリーシャワーを急に使って来たのは、

俺に距離を取らせたまま攻撃させないためらしい。


これには流石の俺も…お手上げ状態


と思っていたのか? 

遠距離だって俺は対策しているんだよ!!


だったらこっちも魔法を飛ばすか?だって!!

あいにくこっちは使

だったら別のもんを飛ばすだけさ


をな…!!


空中を思いっきりぶっ叩き、それにより、スコップの頭にかかった空気抵抗を

反動で逆にもの凄い勢いで押し出す、俺の第二の必殺技!!


空気の衝撃砲パウンド!!」


それを喰らった瞬間…金ピカは風圧により遥か遠くに吹き飛び

木に激突して止まった。


見た様子だと…奴はもう動けないようだ

「勝負あったな…」


俺は金ピカのそばに駆け寄り、奴の兜を外す

そして俺は衝撃を受ける


《リペソル》「これ… 機械人形ゴレムドールってやつじゃないか!?」



----ーー



俺は前にソロンにあることを聞いていた


《リペソル》「なあ、ソロン?」


《ソロ》「うん。どうした?」


《リペソル》「近所のおっちゃんが農作業で使ってた

ロボットみたいなのってな〜に?」


《ソロ》「いきなりだなおい…機械人形ゴレムドールだよ(ため息)

前に、ダンジョンに行った時でっかい奴いただろ?あれがゴーレムって奴で

それを小型化し、魔道具として作られたのが機械人形ゴレムドール

ってわけだ。

コイツは普通のゴーレムと違って…

その人の魔力を使うことで、ゴレムドールを通じて自由に体をうごかしたり

物を持ったり、なんと言葉を発したり…視界を共有したりすることができる

超有能魔道具だ!!!

だから農作業する時に使ったり、家の番人としても使うことができるけど

まぁ、うちはそんなの買う理由もないからな……

もし変なもん買って来たら一晩中家の外に追い出すからな…覚悟しとけよ」



《リペ》「ほ〜〜い」


----

そして現在に戻る


《リペソル》「その後に、あたりを走り回っていたら…

フーととスーの声が聞こえてフーとスーと合流して、金ピカとシーが一緒に

バケモンみたいな奴と戦っているってことを聞いた。

この時点で俺は、俺たちとギルドの時に出会ってから一緒にいた金ピカ剣士は

(おそらくその時から近くで操作していたんだろう)

      で…今、シーと戦っている奴が本物だというふうに考えた。


もちろん、2つとも偽物で本体は遠くで今も操作している可能性も考えたが

いくら金ピカががとんでもない強さを持っているっていっても、

そこそこ遠くに離れたドール2体に魔力を与えながら同時に

操作しているなんてのは、はっきり言って、脳が2つでもない限り不可能だ…

それよりかは、一人が本体でもう一人がドールの方が操作しやすいだろう。

 (例えると、ラジコン2つを遠隔で正確に処理しながら走らせるってことよりも

ラジコンを操作しながら自分が動くって方がはるかに簡単ってことです)

それにしたって自分は戦いながら操作するのも中々やばいけどな。

つまり、これはとてつもない魔力量と技量をを持った人間にしか成し得ない事だ」


《金ピカ剣士》「本当にその通りよ…

ここまで読んでいるなんて‥すごいわね…あなた」


《シー》「なるほどな…森に向かう途中であんまり喋らなかったってのも魔力の消費を抑えるためだとすれば、話が繋がる……

あれ?じゃあ結局のところ、コイツの目的ってなんだったんだ?」


ようやく重要なとこに気づいたな コイツは。

「俺は金ピカのトリックを見破った時に

その理由について2パターンの可能性を考えていた。

そのうち一つは、

金ピカが最初っからシーフード兄弟を狙っていて

俺と別れさせることで戦力を分散させ、その間に3兄弟をぶっ殺すというシナリオだ。これが正直俺が最もあり得ると思ったシナリオで、なおかつ

だったが、ものの見事に外れた」


《シー》「へっ?こっわ?!」

《フーとスー》「い、いやだ兄ちゃん (兄貴)怖いよぅ」

青ざめて青ナス3兄弟になってるぞお前ら…


さて、順を追って説明させてもらいますかね

話はさらに、スーとフーと俺が出会った時に遡る

----


「シーが一人で突っ込んで行った!?

金ピカを助けに?!頭おかしいにじゃねえか!?さすがに。」


《フー》「うん、私たちが止める間もなく一人で行っちゃったの」


《スー》「リペルソルジャーさん…

      

       兄貴を……助けてください」


しっかしまいったなぁ……アイツがこんなにもアホの子だったとは……

一応年上だろ…俺よりも。

シーとかいうバカはあとで詰めるとして


俺の最悪のシナリオが本当なら…

アイツ蘇生できないレベルにまで金ピカに刻まれてる可能性があるな。

蘇生は…死後10分以内かつ、身体の損傷が激しいとほぼ100%蘇生できないからな…

それは流石しまずいし、洒落にならん


《リペソル》「だけどど、うやってアイツのとこに行こう…

方向が分からないんじゃどうしようもないし」


俺がどうしようか悩んでいるとフーが言った。

《フー》「それなら大丈夫だよ…リペソルさん。私遠くの音が聞こえるようになる 拡音魔法 が使えるから」


《スー》「姉ちゃんの拡張魔法は500メートル範囲ならはっきりと

聞こえるようになるんだぞ」


拡音魔法…感覚系統魔法 初級 よく熟練の弓使いが持ってる魔法だ


…あっ、そうだ、コイツら村の中じゃ天才の部類なんだったわ

大きくなったら俺もコテンパンにやられそうだな…怖い


《フー》「いました!何やら叫んでいるようです!

うおぉぉって言っています!あっちの方向です」


と言い、ある方向を指差した

何やってんだアイツは…


《リペソル》「2人とも行くぞ!!」


《フーとスー》「おーー!」


----

とりあえず開けたとこまでやってきたけど…


「グルシャァーーーー!」


なんだ!?

鳴き声がする方をふと見ると木に倒れかかっているシーが

でっけえくまに寄生した畜生に襲い掛かかられようとしていた!!!


まずい、まずい、まずい!!!

俺は相棒を構え、クマの攻撃が通る前に何とか防御を間に合わせようとする。


《リペソル》「シーーーーー!!!!」


しかし、あと少しでシーの脳天に化け物の爪が届きそうなところで‥


ガキン!!


目に見えないようにシーの周りを守るようにして作られた防御魔法

が作用し、熊の攻撃を弾いたのだ

しめた!と思った俺はすかさず、クマを抑える姿勢に入ったのだった


これがアイツを助けるまでに起こったことだ。

ーー----


《シー》「へっ?つまり、金ピカ剣士は

俺らを殺そうとするどころか守ってくれていたのか?」

シーは驚きの声をあげる。


「そうゆうことだ。防御魔法を使った時の魔力のオーラみたいなのが

金ピカと一緒だったからな

つまり、1つ目のシーフースーを殺しに来たってシナリオは間違っていたことになり、必然的に二つ目のシナリオが信憑性が高いってことになったな」


その二つ目とは……



《リペソル》「金ピカは最初から俺を殺そうとしていったってシナリオだ」


だが、コイツはとんでもなく回りくどいトリック方法でわざわざ俺たちを分散させた…その理由だけはどうやっても考えつかなかった。

俺をぶっ殺すだけだったら普通に

クエストに行かずとも誰もいないところで背後からグサ!……でもいいはずだ、だがコイツはそうはしなかった。


俺はその真意を知るべく一度は訪ねたであろう質問をした…


《リペソル》「おまえはどこの誰で、なぜこの町に来たのか?

答えてもらおうじゃないか。言っとくが今回は黙秘権はないぞ」


俺がそいつに言うと、そいつはフフフと笑いながら答えた。


《金ピカ剣士》「本当にすごいね…君は!!


あぁ…3兄弟を巻き込んでしまったのは本当に申し訳ない。私もまさかギルドで

リペルソルジャーと呼ばれていた人物に話しかけようとしたら

まさか…貴方達3人が入って来るなんて……

だから、ドールを使って貴方達とリペルソルジャーと呼ばれていた奴を

うまく途中から分散させて、貴方達に被害が及ばないようにしたら、

彼が本当に本物のリペルソルジャーかどうか見極めようとしただけなのだけれど…

かえって危険にさせてしまったわね…本当に申し訳ない!!この通り」


と言い3兄弟の足元で土下座をした。真面目に反省しているらしい。

《シー》「いやいやいや、魔物に襲われそうになっていたのを

助けてくれたのはあなたじゃないですか!!」


《フーとスー》「お兄ちゃん (兄貴)を助けてくれてありがとう」


金ピカはまさかこのタイミングで感謝されるとは思わなかったようだ。

3人の言葉を聞くとすぐに

「えぇ!!てっきり罵詈雑言を浴びせられるとばっかり思っていたけど

感謝されるとは!ありがとうございます、本当に!」とお礼を言った。


お前がリペソル呼ぶなっつーの

て言うか俺を見極めようとするにしてももっとやりようあったろ…‥!



金ピカは俺たちの正面に向かった

《金ピカ》「リペルソルジャーよ、本題に入ろうか…がその前に名乗りをあげておこう」

金ピカが兜を取りその姿を見せる


すると、黒髪の(顔立ちが幼い16歳くらいだろうか‥?)の少女が中に入っていた。


《金ピカ》「我が名はギデサルム王都七勇者の一人…慈愛の勇者 ニファ!!

リペルソルジャーよ…ここで自らの人生を終えるがいい!!」


コイツはタダでは帰してくれなそうだ。

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リペルソルジャー【反撃戦士】のカウンター 〜スコップ使いの俺は、変わりものの仲間たちと旅路を行く〜 カクヨム版 ファンラックス @fanracx

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