5話 老人の本①。
リュンヌから、いや…ピンクおじから逃げ出して
新しくて綺麗だし、図書館なのに、カフェと併設している。
本を読むのには最高な環境だ。
カフェでショコラ豆乳ラテを頼むと席を探して
窓際にあるカウンター席に腰掛ける。
さて、ショコラ豆乳ラテを口の中へ。
甘くチョコレートの香りが口に広がる。
本を開き、読み始める。
【この地球に人間は1人しかいない。もう生きてるのは私だけなんだ。】
【秘密は私が持っている。】
【孤独だ。誰かに会いたい、そう願って生きているが結局、真実を語れる友・恋人に会えない】
【わかる者に託したいことがある。】
【私を嘘つきする者よ。それは間違っている。どうか私を信じてくれないか】
【…】
【私は、この世界の始まりと終わりを探して旅をしている。】
【今から書くのは私の生い立ちである…】
【…】
【…】
これといって嘘だと思うことは書いてない。
でも、本当かな?誇張して書いてないか?と思ったりはした。
だって、本を読む限り
佐藤の幼馴染が相当やんちゃだから。
絵にかいたようなヤンキーがそこに書かれていた。
小学生5年で、親からくすねた煙草を空き地で隠れて吸って
それに佐藤も付き合い、小学生5年で煙草の味を知った。
その煙草の味は今でも忘れないと書いてある。
中学生時代は佐藤は落ちこぼれだったみたいだ
自身でも【私は成績も悪く、授業はついていけず落ちこぼれだった…】
【つねに何かイライラし、すべてに社会に反発していた】とも書かれている。
幼馴染の影響もあってか佐藤もすこしヤンキー化したんだなっと如月は、思った。
中学生3年生の時
県内でどこが一番強いかっと中学生同士の抗争が始まり
佐藤の幼馴染と県最強と呼ばれていた男、
竜は強かった、一撃で幼馴染のあごに右手こぶしをヒットさせると
崩れたところに膝で顔面を潰した。
それを目の前でみた佐藤は、この時に
【
【あの時、自分も顔面に膝をもらう覚悟で敵討ちをするべきだったのか今でもわからない。】
など書いてあり、佐藤の後悔と葛藤が描かれていた。
最終的に、幼馴染は竜と仲良くなり、彼は真っすぐ闇の世界へと消えていったらしい。
そして佐藤は高校時代に人生最大の失恋をしたとも書かれていた。
3年間一緒にいた彼女は佐藤と別れたあと
【彼女は2か月以内に子供を作り1年後に出産していた。私は諦める決心をした…】
紙が破れそうな筆圧で力強く想いが書かれており、佐藤の悲しみが伝わった。
今日はここまでしよう。本を閉じた。
―――――――
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