4話 ピンクおじとの出会い

古民家カフェ 〖カフェ ド リュンヌ〗は今日も忙しい。


朝9時に開店だが、10分前なのにもう常連さんが並んでいる。


今日は日曜日だからか、競馬新聞と片耳にイヤホンをつけた

ド派手なピンク色の服を着るおじさんがいた。


この通称・ピンクおじは、何者なのか…リュンヌ内でも話のネタになってて

リュンヌの看板娘でお姉さんの月見つきみも、ピンクおじの事は気にはなっていた。


「おはようございますー」


今日も始まる〖カフェ ド リュンヌ〗。


―――――――


如月きさらぎも久しぶりに朝からリュンヌに行っていた。


ぼけーっとしているといきなりピンクの服が視界に入る。


意識を戻して、視線を上へと向けた。

そこには、派手派手なイケイケなおじさんが立っている。

「え?」

思わず声を出してしまう。


「君が如月くん?」

ピンクおじは話しかけてきて、反応し頷く。


「やはり如月くんか、茶髪で、黒縁メガネで猫背ってのは、、、」

「なんですか、それは。それだけの特徴で声かけましたねー」

苦笑いしなが、答える如月。


「実はこっそり店員さんに聞いたんだ」


オイオイ勝手に教えるなよーって思ったけどそこは口出さない。


「たまに来る老人いるだろ?」

「え?誰ですかね、わからないですね」


この人はヤバい。

甘い香水の匂いもする。


俺の本能が叫んでる。

適当に相槌してさっさと終わらせよう。


「知らないですし…」

あなた誰ですか?っと言いそうになったが

会話を続けたくない。そう終わらせよう。


「じゃあ、本読むので…いいですか?」

「そっかそっか悪かったな、【0からの1】渡そうと思ったんだが悪かった。」


「ちょ、待ってください!」

「読むの?」

「はい、ぜひ本を貸してください」

「じゃぁ、俺の話をまずは聞いてくれ、これには老人の生い立ちと考察が書いてある」

「えぇ、ネタバレですか?」

「違う、本にはすこし嘘が隠れてるらしい、それを発見してくれないか。あのじいさんは嘘つきだと証明したい」

「まぁ、個人作成の自伝だから話をもってることくらいあるでしょ」

「嘘だ、それを見つけて俺に教えてくれないか?」


如月は面倒だと思った、このピンクおじさんとこれ以上話を

まわりのお客さん、はたまた今気になっている月見に見られると

嫌だなと思い、適当に切り上げようとする。


「はい、わかりました。見ときますね」

「助かるよ。ありがとうな」


ピンクおじから、本を受け取ると

如月は、その場から動かないピンクおじから逃げるように

コーヒーを一気に流し込むと会計を済ませて、リュンヌをあとにした。


―――――――




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