第42話 初対面の主人と従者
「ははっ、君のことご主人様は知らないようだけど?」
「…なぜロウ様と儂の関係を知っている?」
「そんなんさっきの会話で大体想像つくでしょうよ」
まあ実際は最初っから知っていた。何周その話を聞いたと思ってるんだ。それに僕の経験は夏生の経験でもあるから夏生も知っているだろうな。
「おい、この爺さんは誰なんだ?」
「そんな事言うなよ。ガストンが可哀想だよ?ちゃんとご主人様しないと」
「は?俺の従者は俺が全員殺したぞ?それに…いや、この世界の俺の従者か?そういえば別世界の俺の事は知らないな」
別世界?なるほど。
勇者になるか死王になるか。なんとも救われない選択肢だね。
「ガストン?こいつは君の主人であって主人じゃない。君の仕えるべき相手は今も静かに城で眠っているよ」
「…貴様がどこまで知っているのか、とても興味がわいてきたのう」
あれ?地雷踏んだ?明らかに怒ってるよね?…そっか、城で眠っているって言うのが悪かったか。
「さあ?どうだろうね?全てを知っている神様かもしれないし、ただ知っているだけの人形かもしれない。そんなことより僕はセガリア、君の過去の選択にとても興味があるんだ。君にどんな過去がありどんな選択をしたのか。全てを教えてくれ」
「ふっ、生憎と過去にはもう決着がついたんだ。俺はもう前を向いて使命をまっとうする」
ああもう地雷とかなんとか知らないがもう全て踏み抜こうかな。そっちの方が楽だし楽しい。
「へぇ、その割にはあの聖女の事を気にしてるみたいだけど?あれは君の過去とは関係ないのかな?」
「ちっ!お前は本当に人をおちょくるのが上手いな。その
「いいねいいねその調子!じゃあ僕が勝ったら全部教えてくれよ!じゃあ、ガストン?これでお話はおしまい、だ!」
「は!?お————」
バリン!
水晶を残った左手で砕き通信を切った。
「『亡者化・万象龍ノ亡者』」
レイの瞳は白く輝きそして瞳孔が開き、皮膚は病的に白くなり身体の至る所に白銀の龍鱗が生え、白銀の角や尾、皮膜のない翼が生えてきた。
「『
勇者セガリアは全身に黄金のオーラを纏った。
「『妖極爆炎界』」
「『豪雷雨』」
大地には決して消えない炎が、空には決して止まない雷雨が現れ、戦いは始まった。
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