第31話 ERROR 観測記録 ②

 世界観測記録より個体名ガストンの数分前から現在に至るまでの行動、言動、思考を解析し再生します。


〜ガストンside〜


 なんだ、あの炎は…


 儂はいつものように魔術の研究をしていたらとてつもない悪寒が走り何事かとあたりを見て回ったら森ので禍々しい炎が見えた。


 あやつ何と戦っているのじゃ…


 ただ炎は治ってきているな。


 「ギカァァァゥ!」


 この鳴き声はドラゴンか。

 これまたとんでもないやつじゃな。


 それよりもまた暴走していないかが心配じゃな。

 

 まあ、そしたら次は説教じゃな。


再生終了

ERROR ハイド視点へと戻ります


〜ハイドside〜


 ハイドとレイにガストンが近づいてきた。


 「師匠?なんでこんなところに?」


 「死の気配を感じ取ってな。またこいつレイが暴走してるんじゃないかとおもったんじゃ。お主もなぜこんなところにいるんじゃ?」

 

 「俺も同じだ。強い力を感じたからその出所を追ってきたら——こいつが倒れていたんだ」


 「なるほどな。こいつはドラゴンと戦っていたみたいじゃからな。倒した後に疲れ果てて気絶したんじゃろう」


 「—ふーん、まあそんな設定でいっか。記憶改竄しっかりしてくれよ—」


 ハイドは小声でそうこぼした。


記憶の改竄を開始

成功しました


 「なあ、ハイド」


 「なんだ?師匠」


 「レイを貰っていいか?」


 「は?…あー、ちょっと考えてもいいか?」


 「わかった」


 ハイドは森の中に入りガストンに声が聞こえないぐらいの位置にきて通信を始めた。


 「なあ『K』どう思う?」


 『ふむ、正直死の力を研究したい気持ちはある。ただガストンとは有効関係を保ちたい。どうしたものか』


 「…研究はどのくらいで終わる?」


 『え、…3日…いや4日は欲しいな』


 「そうか、なら4日後に渡せばいいんじゃないか?」


 『納得してくれるのか?』


 「はは、納得させてみせるよ」


 『そうか、ただ無理そうだったら早めに諦めろよ。友好関係を保つのが最優先だ』


 「ああ、わかってる」


 そう言いハイドは通信を切り、ガストンのところへ戻った。



————————————

あとがき


 前回の『記憶の修正』という言葉を『記憶の改竄』に変えました。


 

 

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