第16話 呪術師と悪魔のダンス ②

 はっ!うわすげえ瞬発力。


 この脚はいいな。


 「ガァ!」


 くっそ、渾身の蹴りが避けられた。


 「背中がガラ空きよ。はっ!」


 「ぐっ!」


 っ!脚を蹴られたせいでうまく立てない。


 今更だが俺はこの『左悪魔の亡者』の力を上手く扱えていない。


 せいぜい俺が今できていることは、

『身体強化』ぐらいだ。


 ただ本当にこれがラスボスの力だっら使いこなせれば誰よりも強くなれるポテンシャルはあるはずだ。


 せめてラスボスが1番使ってきた『死霊弾』ぐらいは使いこなせるようになりたい。


 実際これが使えるだけでだいぶ違う。


 今持っている遠距離攻撃手段のハンドガンは確かに使いやすいが、直線にしか飛ばないため避けられやすい。


 しかし『死霊弾』は追尾性能があるから命中率は高いと思われる。


 だからなんとしてもこれを覚えたい。


 ただそのためにはこの力をよく理解する必要がある。


 ただ、今その時間はない。


 『気弾』もあるがあれはスタミナ消費が高いせいで初見の強敵との戦いに使うのはリスキーすぎる。


 まあいまはスタミナの数値も10になったから1発ぐらい撃ってもスタミナ回復をしなくても大丈夫だけども。


 1回撃ってみるか?


 『気弾』…まて、この発射前の『気弾』に死の力を注げば擬似的な『死霊弾』が撃てるんじゃないか?


 苗木に死の力を注ぐのと同じように、『亡者化・脚』を保ちながらは無理だな。


 「ハハ!いいわね。ただそう簡単には撃たせないわよ。『呪だ…っ⁉︎なに、これ」


 「黙れよ。今いいところなんだ」


 これはいいな、口と喉を『亡者化』させたら発音もイントネーションもしっかりした。


 それに死の力を雑に放出するだけでいい感じに黙っててくれる。


 これと同時に擬似的な『死霊弾』…『死気弾』の発動に取り掛かる。


 これを作り上げたら死の力を使い果たしちゃうな。


 どっかに貯めとけたらいいんだけど。


 まあいっか。


 楽しみだな〜ハハハ。



__________________________


あらすじ


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