第19話 新たな仲間。
イヴが俺から離れない。
ずっと、俺(箱)を持っている。カルアはそれが面白くないらしく、イヴと俺の取り合いになっている。
『俺の取り合いになっている』
箱に入ってない時に言いたかった台詞だ。
だが、今の俺にとっては迷惑以外の何者でもない。
結局、1日おきに交互に箱を持つというということで決着がついたようだ。
俺たちの試練の話をすると、イヴも一緒に連れて行けと駄々をこねる。あまりに煩いので、イヴも一緒に連れていくことにした。
イヴはもともと王家の剣とも言われた家系だけあり、剣の素養がある。
ミミルに稽古をつけてもらいつつ、北の大地を目指すことにした。
だが、その前に、やらねばならないことがある。
それはイヴの首輪を外すことだ。
カルアに聞いたところ、首輪を外すには、奴隷商にお金を渡してやってもらうのが一般的らしい。
本来は、所有権についての手続きがあるのだが、奴隷商をしているくらいだから、金次第ということなのだろう。
ミミルに頼んで、獣人の奴隷商を探してもらう。
人族よりは融通が効くように感じたからだ。
奴隷商にミミルのことを話す。
すると、最初は信じられないという顔だったが、カルア達の集落の話をすると、手持ちのルミアでやってもらえることになった。
旅支度をする。
イヴは、隠してあったという家宝の剣と鎧を着ている。
さすが、国王の剣とまで言われた家系だ。よく似合っている。
だが、イヴは奴隷の首輪を気に入っていたらしく、外そうとするとすごく嫌な顔をした。イヴとしては、俺に所有権を買い取ってもらい、俺づきのメイドになりたかったようだ。
とりあえず、スルーで。
こいつが、所有者の命令で暴れたら困るし。
俺たちは、ジークの街を出た。
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