番外編 不動 澄恵 愛ゆえに・・・5/8


優しい剣一君が、クズの幼馴染みに手を差しのべるかもと不安だったが、どうやら今すぐはその心配は無さそうだ



後は、クズの元義妹に分からせてやるだけだ剣一君の妹が誰なのかを♪


私が朝当校すると当然の様に話題は剣一君の事で持ち切りだ、カバンを自分の席に掛け何時もの女子の輪に加わる


「ねぇ澄恵~昨日の不動先輩みたぁ?すごかったよねぇ~」


「そうそう、あんな喧嘩強いとか特撮じゃないかってほど派手に立ち回ってた!」


「喧嘩も強い、頭も学年トップ、その上小説家で知名度もお金もあるし、最近雰囲気変わって怖いけどイケメンだし、もしかしなくても完璧じゃない?」


コイツら・・・前は陰キャ先輩とかダサキモオタクとか散々陰口言ったのにこんな掌返せるの?


まぁいいやクズに対する駒になって貰おう♪


「あ~ね~不動先輩・・・実は私の親戚のお兄ちゃんなんだよねぇ~♪」


「「「えええええ!!?」」」


「従妹だけどねぇ~♪」


「ねぇ澄恵!!本当に澄恵って不動先輩の妹なの!?」


横目でチラッと琴音が教室に入って来たのを確認して聞こえるように答える


「ちょっと、違うって、妹じゃなくて従妹だってばぁw」


私の言ってる内容に驚き戸惑う琴音は私の席の方へ歩み寄り尋ねる


「え?ちょっと澄恵!?剣に・・不動先輩・・と従妹って・・私きいてないんだけど・・・」


「えw?そうだっけ?でもぉ私も知ったのつい最近だから~ぁ♪琴音に言って無かったならゴメンねぇ~♪」


あは♪コレコレ、この悔しいそうな顔、私はアンタに対して何年も同じ気持ちで接してきたのよ!!思い知ると良い!


狼狽してる琴音に追い打ちを仕掛ける


「あっ!でも皆、私、お兄さんに学校では不動先輩って呼ぶように言われてるから皆も気を付けてねぇ~♪」


琴音は肩を震わせてアタシを怒りに満ちた目で睨むと


「澄恵!!どういうつもりなの!私へのあてつけなの!!」


急な琴音の怒声に他のクラスメートも【なんだ?なんだ?】と聞き耳を立てる・・いいじゃない皆に聞いてもらおう♪


「あははは、琴音は何を怒ってるのか分かんないけどw♪」


私は机からお尻と両腕の力で飛び琴音の目の前に着地する、この何年もの恨みが込み上げるが、一瞬で冷静になりクラスの皆の方を振り向き笑顔をつくる


「いやぁ~琴音は一人っ子だしねぇ急に私にあんな素敵でイケメンな従兄が出来て嫉妬したかなぁ~w」


【確かに~あんなイケメンの兄弟か親戚私も欲しいぃぃ】


【私なら恋人で欲しい!!】


【えええ、澄恵!不動先輩私に紹介してよ!!】


(はぁ?ふざけるなよ!!剣一君の女は後にも先にも私だけって決まってるだろ?お前等なんかに紹介するかよ馬鹿か)


琴音が私の言葉に反論しようとしてるので


「元々は!私の「琴音ちゃん!琴音ちゃんは今も昔も一人っ子、そうだよね?」・・・澄恵・・あんたぁ~・・」


怒りに震える琴音の肩を軽くポンポンと叩き耳元で(お昼になったら食堂前の通路脇にあるベンチに・・)と小声で澄恵に告げられる


昼になり、仲良しの友人から不動先輩の話し聞きたいからお昼を一緒にって誘われたが断った、勿論琴音との約束もだがそれよりも大事な用事がある


私は弁当の入った袋を持ち教室を後にする、食堂に通じる廊下の脇にあるベンチの真ん中に座ってまってるとクズがやってきた


「来たわよ・・澄恵・・」


「うん、私も今来た所、まぁ座ったら?」2人かけのベンチの片方を開けて座るように促した


「ねぇ、澄恵・・あんた教室での態度・・あれなんな訳?」


何ってwわかんないのかな?この馬鹿女はw


「態度?何?いつもと同じじゃない?」


「あんた!剣兄が私の義兄だったって知ってるよね!それを自分の従兄だって知ったからって!」


はぁ~やっぱこの馬鹿は判ってないのかぁ・・・


「ちがうよ?琴音・・・剣一さんは従兄だけど今は、わ・た・し・のおにいさん、あんたは今、無関係のあ・か・の・た・に・ん・わかる?」


「だ、だからって!私の前であん「琴音が言ったんだよね?私に、当時の狛田先輩が自分の義兄だって絶対に周りに言うなって」・・そ、それは・・・」


「もし言ったら、絶交だっけ?♪」


「まぁ別にアンタと絶交しても今は全然いいけどね!w」


コイツと友人のフリしてた理由も無くなったし私には必要ないw


「なぁ!?」動揺する琴音を見下していると、奥から愛しの剣一君が校舎から出て来た


「おにいさ~ん!!」


私が思いっきり手をあげて振ると、剣一君がこちらを見て立ち止まる、琴音も振り返って固まっていたw


「ちょっと待っ~てぇ~」


私は弁当袋を手に取り、琴音を無視して剣一君に駆け寄る


「お兄さん、今日はお兄さんの為に、愛情たっぷりのお弁当作ってきたのぉ~♡、一緒に食べよう♪」


そう言うと無表情だが私のお弁当をチラッとみてくれた

しかし直ぐに奥で惚けてるクズの方を見る


「ねぇ~あんな奴良いから私とお昼食べよ?」そう甘えた声で袖を掴んで「はやく行こ」と促すと、剣一君は内ポケットから茶色い封筒を取り出した


「澄恵さん、悪いけどこれを狛田さんに渡してきてくれないかな?」


嫌だ、嫌だ、嫌だぁぁぁ剣一君の口から他の女の名前を聞きたくない!!


「嫌だよぉ!!あんなクズの事なんか気にしないでよ!、お兄さんには私が居るんだから!!」


詰め寄る私の事を冷たい目で見る剣一君にもひるまずに反論するが


「渡して来てくれたら一緒にお昼食べるから、頼めないか?」


そう言われると、従わざるを得ないので弁当袋を剣一君に渡して茶色い封筒を受け取ると駆け足でクズの元に戻る


「これ!!にいさんからっ!!さっさと受け取って!!」


無理やり封筒を押し付け、戸惑ってるクズに告げる


「私の剣一さんに、二度と近づくな・・・」





私は琴音のクズにそう告げると、剣一君の腕を取り食堂へ向かった


「あ~ん♡♪」


私はワザと箸を1本だけにして、剣一君に【あ~ん】をする口実をつくる、嫌がるかと思ったが、意外とあっさり受け入れてくれて私は今幸せマックスだ


私は剣一君の唾液のついた箸を交互に自分も食べる事で堪能している、間接キスだぁ~♡


「どぉ~お?美味しい?」


「ああ、とても美味しいよ・・・」表情は相変わらずだけど、モグモグと口を動かす剣一君は可愛くて可愛くて


「あ~あ、もう食べてしまいたい・・・」


「ああ、俺は良いから残りは澄恵さんが食べていいよ・・・」思わず心の声が漏れてしまい私は慌てて否定する


勿論この箸も夜の楽しみに使う為永久保存だぁ♡



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