【330万PV感謝 完結済】幼馴染みをネタに脅されてイジメを受け入れたが、俺をイジメてた奴と幼馴染みが出来てたと知って思いやりと言う感情を捨てた俺は持てる全てで復讐する
第17話 KUZU file 狛田 琴音 突然の決別
第17話 KUZU file 狛田 琴音 突然の決別
前置き : この作品は暴力や性的な描写を伴いますが、暴力行為を助長する物では御座いません。
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〇狛田 琴音 突然の決別編
私は暫く部屋の前で茫然としていたが暫くして、重い足取りでリビング向かうと丁度義兄がサラダを食べ終わりカレーを食べてる所だった
俯きながら何時もの席に座るが頭の中で思考が駆け巡り箸に手が付かない
「どうしたの?琴音?お腹空いてないの?」
そう心配そうに私の顔を覗き込む母に義兄が答える
「あの、義母さん、琴音さんは多分俺と一緒に食事するのが嫌なんだと思いますよ」
そう母に話しだす、今までとは別人の様なはっきりとした口調で自分との不仲を母に暴露する義兄に驚く
「ちょっ!」
今までの私の振舞を思い返し、何とか言い訳をしようと考えるが
「剣一くん?どういう事?琴音と何かあったの?」
「はい、僕が高校に上がった頃から琴音さんは俺の事を避け、まるでゴミを扱う様に接してくれました」
思考を巡らすが言い訳が思いつず俯く
「琴音の態度に何か剣一くん心あたりが有りそうだけど聞いてもいいかしら?」
「ええ、実は僕は高校2になった頃からクラスで酷いイジメにあってました」
「!?い、イジメ!」
「はい、クラスの池月君とその取り巻きです、彼らは僕の元幼馴染を襲うと脅して僕に暴力やカツアゲさらに人の尊厳を奪うような事を日常的に行ってきました」
「そ、そんな・・義兄さんが・・雫ちゃんを守る為に・・」
クラスチャットの中でそこまで語られて無かったが、義兄が苛めを耐えていたのは雫ちゃんを守る為だったなんて知らなかった•••
「その事は恐らく、下級生のクラスにも広まっていて琴音さんは俺と義兄弟で有る事を周りに知られないようにしていたのだと思います」
私の思考を冷静に分析して告げる義兄にもはや言い返す言葉が見つからず体が恐怖で震える
「御免なさい、何も知らなかった・・・娘に代わって謝らせて、本当に御免なさい」
お母さんは義兄の手を握り頭を下げる、しかし義兄は母の手を、汚い物に触れた様な嫌悪した表情で振り払い、再び触られないように手を引いて再び話を続ける
「しかし、俺の我慢も耐える日々も無駄でした、俺はある日学校の教室で俺をイジメる池月と元幼馴染がセックスしてるのを目撃しました」
「「!?」」
え?学校の教室でセックス?あの真面目な雫ちゃんが!?
「しかも、終わった後の体液の処理を俺が母親に買ってもらって大事に使っていた手帳を無残に破って拭いていました」
「そ、そんな・・そんな酷い事・・雫ちゃんが・・」
母も、口に手を当て震えている、義兄が亡くなった実母を本当に大事にしているのは昔から知っているそれは当然雫ちゃんも・・なのに・・
「母からの大事な思い出ですが、そんな汚い汚物を持ち歩きたくないのでゴミ箱に捨ててしまいましたがね」
「・・・・」
私も母も義兄が受けた仕打ちの話しに耐え切れず泣き出してしまう、私は義兄に対する態度への罪悪感も気持ちに含まれていた
しかし義兄の声は冷淡で、私達に対する愛情のかけらも感じられない
「それも、今日までですけどね本日俺をイジメていた池月を逆にボコボコにして今後毎日暴力でお返しする事を告げました」
「!?」
「ああ、それと俺をコケにしてくれた元幼馴染とも縁を切りました」
「し、雫ちゃんと・・・そ、そう、なん、
母が義兄を暴力に暴力で答えては何も解決しないからと説得しているが、義兄の白けた表情をみると、どうやら何を言っても無駄のようだ
それから続けて何でもない事にように義兄は告げる
「ああ、それとあなた方とも今日限りで縁を切るつもりなので、今日中にはここを出て行きます」
雫ちゃんだけでなく、私達もすでに見限られていたようだ・・
「そ、そんな・・お父さんは知ってるの!?」
驚く母、それはそうだろう、しかし義兄の表情には迷いも温情もなかった、その眼はまさに他人を見るような目で私達を見ている
「あなた方というのは父も含まれてます、僕がこの家で肩身の狭い想いをしていたのを両親とも知らなかったんでしょ?父も仕事が忙しいからという理由で知らなかったというなら、それで家族と呼べますかね?」
「それに琴音さんは俺の事を無視し避けて、たまに口を聞けばゴミだと罵る、そんな兄弟は俺に必要ないので僕の方から捨てる事にしました、まぁ元義妹と元義母と元父という事ですね」
「そ、そんな・・剣一さん考え直して・・これからはちゃんと向き合って良い母親になれるように努力するから!お願いよ!」
義兄に土下座して謝る母と机に伏せたまま泣いている私に義兄は告げる
「今更、どうにもなりませんし、もう次住む所も決まってますので、ああ部屋の荷物は好きにしてください、あんたらとの思い出に何の思い入れも有りませんので」
「ちょっと、住む所っていつの間に・・それにお金も・・」
「ああ、これ言ってませんでしたね、俺高校に上がる前に小説家としてデビューしてまして、親戚の叔母さんに後見してもらって既にサラリーマンの生涯年収分は貯金あるので心配いりませんよ」
え?小説家?生涯年収の分の貯金?それって億単位ってこと?
【ピンポン】混乱する私達に玄関のインターフォンが無常に鳴る
「予想通りの行動だ・・」
小さく義兄が口元をニヤリと歪ませた
兄はドアカメラを見る事なく玄関に向かう
「夕飯時に申訳御座いません、私池月 流星の父です、この度は狛田さんに愚息が大変ご迷惑をお掛けしたと聞きましてこうしてお詫びに寄せていただきました」
母がリビングから様子をみに行ったが、緊張した様子でその場にとどまり頭だけ下げていた、私もそっとリビングから顔を覗かして様子を伺う
「1000万あります、どうでしょこれで示談という訳にいかないでしょうか?」
金額を聞いて驚いたが、交渉は決裂する
するとテレビでしか見た事ないような大男に義兄が首を掴まれ宙釣りになってる
私も母も、恐怖に腰が抜けて殺されそうな義兄を眺めるしかなかったが、義兄がこちらを一瞬振り向き悲しそうな表情をしたと思ったら
自分の3倍近い大男の腕を掴むと片手で大男を捻り蹴飛ばしていた
その様子に私達は唖然となり、玄関先に来ていた池月という男子とその父親は情けなく義兄に土下座して許しを請うていた
義兄は池月君の御父さんに何か紙切れを手渡すと、「50億!?」そう驚く声と共に
何かを二人に呟くと此方を振り向きもせずにスッキリした様子で何処かへ消えてった
玄関前で項垂れたままの池月親子と大きな車の前で昏倒してる大男を無視してそっと玄関のドアを閉めた母親とリビングへ戻ると
「ねぇ、琴音あなた本当に家で剣一君に対して、本当にそんな酷い態度で接していたの?」
母親の前で何も言えずただ俯く
「アンタのせいでこんな面倒な事になって、近所にこんな事知れたら••••」
「剣一君も大概よ、学生の身でそんな大金稼いでいた事を親に内緒とか・・親が管理しないと・・億単位の・・・」
剣兄が出て行った直後に母と何度も電話やメッセージを送ったが一向に既読にならず返信も無い
母がお父さんに電話を掛けるが、お父さんは直ぐに出ない様で、母もイライラしている
「ああ!もう!何でこの時間に社宅にいないのよ!!」とスマホに文句を言っている
私の方は、雫ちゃんに電話をしたがこちらもコールだけで繋がらない、諦めて再度剣兄への電話を試みるとリビングの奥からようやく電話に出た父と母が激しく言い争っていた
「アナタ!息子にどういう教育して来たの!?勝手に家族の縁を切るとか、しまいには琴音が全面的に悪いと断罪してきて私達を見下す様にして出てったのよ!もう!あんな自分勝手なガキだと思わなかった!」
電話口で父に怒鳴る母は見たことも聞いた事も無い様な醜悪な表情で、あれだけ出て行かないでって縋っていた剣兄を今は口汚く罵っている
父がどんな事を母に返しているのか分からないが、母は一方的に巻くし立てる
「とにかく!こんなのじゃご近所さんに変な噂をされて私恥ずかしくて表を歩けないじゃない!貴方から息子をキチンと説得して!所詮、私は他人なんだから!!」
母は強引に電話を切ると、スマホをリビングのソファーに叩きつけて、【バタン!!】と力任せにリビングのドアを閉め出て行った
母のスマホを机に移動させておこうと手に持った瞬間、【ガシャーーン】仏壇の有る居間の方から何かが割れる音がしたので私は母のスマホを握りしめたまま居間に向かうと剣兄の母親の遺影と写真を床に叩きつけて壊して足で踏みつけている母親を目にした
その姿はまさに、化け物のような様子で絶対まともじゃない・・・
「琴音~な~に見てんのよぉ~見世物じゃないのよ!そもそも、高校生にもなって死んだ母親に何時までも何時までも・・あああ!もう!ウザいウザい!!」
私は狂気を見せる母親を残して、自分の部屋に駆けこむと【バタン!】と背中でドアを閉めそのまま膝から崩れる
「お、お母さん・・嘘・・嘘よね・・あんな事言うなんて・・」
『剣一君の前のお母さんはきっと剣一君の事大好きだったんだよぉ、でも私も負けないくらい剣一君の事大好きだからね』
『お母さんは、素晴らしい人だったのよ、だから剣一君の中でお母さんは特別なの、忘れる必要なんか無いから、そのままの剣一君でいてね』
剣兄が小学生の時に実の母親が亡くなって、私のお母さんと剣兄が初めて顔見せで出会った時の事を思い出していたが、思い出の中の母がどんな顔で剣兄と話ていたのか霞かかって思い出せない・・
【ピロォ~ン】握りしめていた母のスマホがメッセージを着信した、急に派手な音がしてビクっとなったが薄暗い部屋で着信にて起動した母のスマホが私の顔を明かりで浮かび上がらす
ヒロシ♡『ねぇ~今度いつお店来てくれるの~~俺寂しいよ~~今度来てくれた時に一杯おね~だ~りぃしちゃいま~~すぅwそれからぁ~一緒に~ホ・テ・ルw行っちゃうぅ~』
えっ・・・何これ・・・スマホの上の方に表示されてるアイコンは、若い派手な色髪の男の頬に母さんがキスをしてる写真だった・・・
(こ、これって・・・ホストじゃない?・・・まさか!?母さんホストに貢いでるの?しかも、浮気?・・・嘘でしょ・・)
今まで、私に優しく包容力もあって全面的に信じていた母、
そして不要な害虫として憎み蔑んだ兄・・
今の危機的状況になったから判る・・実は剣兄が家族で一番まともで誰かを守る為に自分を犠牲に出来る優しく誠実な本当に信じるべき家族だったのだと・・
後悔してる場合では無い、私は再び剣兄への連絡をしてみた『お客様のご都合により、この電話はお繋ぎ出来ませんでした・・・』
「・・・・・」私は静かに電話を床に降ろし、膝を抱えて後悔で泣くしかなかった
その日私は、家族を兄弟を失った・・私のせいで・・そして、これは家族の崩壊の始まりだった・・
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