第55話ロシア




ロシア最新鋭ステルス戦闘機Su57がフィンランド国境に差し掛かった時・・・

黒い霧におおわれた。


戦闘機Su57がミシミシと音をだし始める。


「この音は・・・何か起きたんだ」


その声が悲鳴に変わった。

空で空中分解して座席に乗ったまま落下したからだ。


なんとかパラシュートを開く事に成功。

しかし、押し寄せるアブに噛まれて呆気なく死んだ。



「何なんだ!残ったのが、この1機だけだと・・・安全な作戦だと知らされたのに、もう逃げなければ・・・」


しかし間に合わなかった。


今回、参加した戦闘機は76機。





それはフィンランド軍の戦闘機がカメラで撮っていた。

空中で簡単にバラバラになって落下する光景を・・・




フィンランド軍司令部。


「あれがアブによる攻撃か・・・マッハ2で飛んで高度17,000メートルなのに、これじゃー手の打ちようがない。あんなモンスターが存在してるとは・・・そんなモンスターを操る存在は何者だ」


「なんでも1人の日本人と聞いてます。今回の戦争は、我が軍の勝利に間違いありません。だから安心してください。それにしても76機が・・・76機のSu57を、約26億3000万ドル(約2900億円)で調達したと聞いてます。まさに金の無駄使いですね」


「我が軍の味方か・・・それでも・・・最新鋭の戦闘機が戦う事も無く墜落するなんて・・・すでに戦い方が変わったようだ」


「日本政府にダンジョン攻略を打診してみては・・・」


「そうするしかないようだな」


「私に交渉の代表団に参加させてください。きっと良い返答を勝ち取って見せます」


「凄いいいようだな・・・いいだろう。行って来い」






ロシアは、総司令官アドリアーノヴィチによってまとまった。


そして最終決戦を命令して、その報告を待っている。


「決戦の報告はまだか・・・」


アドリアーノヴィチは、うろうろと歩き回ってイラついている。


そして急に暗くなった。


不思議に思い窓に向かって歩き出した。


「今日の天気は晴れだったハズだ・・・」


窓から見上げる。


最初は、黒い雲だと思っていた。

しかし、その雲があり得ない動きを見せる。


「雲ではないのか・・・大きさから鳥ではない・・・誰か!誰かおらんか!」


モスクワの空をアブが太陽の光をさえぎっていた。

そして駆けつけた部下が言い放った。


「総司令官!もうダメです。あれは蝿です・・・あの邪神がやってきたに違いありません。蝿の王ベルゼブブです・・・新約聖書でも有名な、もうロシアは終わりだ」


「そんな世迷言を信じているか・・・このバカ者が!!」


「相手は虫だ!殺虫剤でも撒いて殺せ!!」


「申し訳ありませんが・・・戦う戦闘機やヘリは、先程の報告で全滅したと・・・我が国には、戦う戦力がありません」


「そんなバカな・・・・・・」


「それにEUと日本から無条件降伏の勧告を・・・それも電波ジャックされて、テレビやラジオから流れ続けています。なので人々は全て知ってしまい・・・今にもここへ押し寄せる勢いだと・・・」


「戦力がないのなら仕方ない・・・それに逃げても民衆に捕まって殺されるだろう・・・無条件降伏を受けよう・・・」


「それなら降伏方法も聞いて知っているので、メールをしておきます」


「そんなに簡単にか・・・」




トルコでロシアが調印したのが1週間後だった。


ロシアの共産主義が終焉しゅうえんした瞬間だった。




それで国連では、5ヶ国の常任理事国のロシアと中国が消えた。

なので繰り上がって日本とドイツが常任理事国となった。


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