第48話4階層Ⅱ





なんだなんだ。

行進する足音が・・・「ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ」と徐々に大きく響く。

まるで軍の行進する足音だ。


あれって・・・スケルトンの軍隊だ。


槍を持ったスケルトンもいれば、剣と盾のスケルトンもいるぞ。


あ!矢を射ってきた。

何千本の矢だ。


広範囲に魔方陣の結界を張って防御に徹した。

矢は結界にはばまれて、無数の矢を床に落ちている。



スケルトン

HP200

MP100


スキル

不死



スキルに不死があった。

これって粉々なっても蘇るって奴だ。


レッドに触れて、聖なる光を放つ。

千体のスケルトンが吹飛んで2度と立つこともない。


これでレッドの聖なる光が有効だと判断して「レッド!やってしまえ」


『ピエー、ピエー』と飛び立つレッド。


それに今の行為で、俺も聖なる光を操れることが判明。


聖なる光を何度も放ってスケルトンを吹飛ばす。



あ!リッチによる石化魔法だ。

聖なる光と石化魔法が衝突して消滅させてリッチに直撃。


呆気なくリッチ10体が吹飛んだ。


「ざま~みろ!」



馬のスケルトンに乗ったデュラハンがやって来た。

それも100騎だ。

手には、大剣が握られていた。


『やってもいい』


『やれるのか・・・やって来い』


『わかった』


飛んで行ったスラは、炎のムチで切りまくった。

あれって聖なる炎なのか・・・首なしデュラハンが蘇ることもなかった。


ああ、ラスボスみたいな巨大なスケルトンが現れたぞ。


それを見たレッドは「むじゃむじゃ」と唱えた瞬間に、まばゆい光によって消え去った。

なんて情けないラスボスだ。


そして大量の魔石と骨が手に入った。





不死軍団の次に来たモンスターが・・・なんて数だ。


「ブンブン」と飛んできたのは、アブだ。

それも数え切れない程の数だ。


薄暗い空中を埋め尽くしていた。


アブは、ハエに似た昆虫だが違うのは、人を噛んで切り裂く虫だ。

そしてチュウチュウと血を吸いやがる。



大アブ

HP100

MP100


スキル

熱病



この熱病って発見されてない未知の病気だぞ。

それも全長5センチで、あの数に襲われたら俺は血が無くなって終わりだ。

体中噛まれるなんて想像もしたくない。


「レッドとスラで協力して焼き殺せ!!」


あっちこっちに炎が・・・

その炎が強い風を吹かせて炎を更に巨大化させて旋風に・・・

これって火災旋風かさいせんぷうだぞ。


空気中の酸素を消費して、火災の発生していない周囲から空気を取り込む。

上昇気流が生じて、燃焼している中心部分から熱された空気が上へ吐き出される。

それは竜巻の火柱になって回りを火の海に・・・


アブが「ジリジリ」と燃えてる。


逃げても竜巻の火柱によって、引き寄せられて燃えている。


あ!あっちにも火柱が誕生だ。

埋め尽くしていたアブが減り続ける。


それでも数匹が飛んできた。

そんなアブをナイフで「シュッ、シュッ、シュパ、シュッ」と斬り捨てる。


床に落下したアブは・・・頭から「コロリ」と小さな玉が落ちていた。

これって魔石か・・・これって売れるのか・・・


あ!息苦しい、これはやばいぞ。

それにめちゃ熱くなってきた。


これって酸素不足だ。

魔方陣で結界を張って遮断して、温度を下げる魔方陣を発動。


ああ、涼しくなった。

後は酸素だ。


アイテムボックスにスキューバダイビングの空気を詰めたタンクもあったが必要ない。

なぜなら魔方陣で酸素が作れることが判明。


だから酸素を魔方陣で作る。


ああ、新鮮な酸素だ。


あ!酸素の作り過ぎもやばい。

ちょっとした火花で爆発してしまうからだ。

空気中の酸素は21%がベストだ。


『ピエー、ピエー』


「え!呼んだ」


『おわった』


あ!アブが居なくなってる。

それに壁や天井まで溶けてただれてるぞ。

「ペチャッ」と滴り落ちた。


凄い熱量だ。


『ようくやった』


褒美の魔石をレッドとスラにやった。


あ!レッドは、飴のように口の中で転がしてるぞ。

スラは、シュンと溶かした。



そんなアブの魔石も全てをアイテムボックスに回収。

自動モードにして良かった。

それでなかったら熱で溶けてハズだ。

数は2万3千232個。



魔石には、熱耐性もあった・・・ああ、スキル熱病だからかも知れない。



あ!足元に忍び寄るアブ、見っけ・・・「ブチャ」と踏み潰した。

油断もスキもない奴だ。




それにしても熱くドロドロな場所は、危険過ぎる。

今日は、帰ろう。


何日かすれば元に戻ってるハズだ。


「レッド、スラ、帰るからな・・・」


『ピ!ピエー、ピエー』


『わかった』



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