第46話スライムの名はスラ




スライムについて検索して調べた。

スライムがいるダンジョンは、大分県中津市の『青の洞門』が近くにある『青のダンジョン』だったよ。



菊池寛の小説「恩讐の彼方に」で知られた『青の洞門』。

江戸時代に人が通るには難所だった道で、命を落とす人馬を見て嘆いた禅海和尚。

ノミとつちだけで掘り抜いた隧道ずいどうの長さは約342メートル、うちトンネル部分の延長が約144メートル。

約30年も費やした。


それが今では、綺麗なトンネルが出来て原型はかなり失われてる状態だ。


もうちょっと考えて掘れって考えたね。

当時は、観光スポットになると思ってなかったらしい。

ああ、それって当たり前か・・・禅海和尚も喜んでるかも・・・




『青のダンジョン』は、難易度高めのダンジョンだった。


そのダンジョンにスライムは、1階層の洞窟に棲みついていた。

スライムなので動きも遅い。


見つけたら逃げるのも容易いモンスターだ。


ただし捕まったら酸による溶かし攻撃が半端ない。

人間って分からない程に溶かされてしまう。

それって残酷な殺され方だよ。


最後には仲間に「殺してくれ」と頼む程に・・・



写真や動画観察で研究者は、研究対象にしたいと政府に訴えた。


スライムは、透けて核までも見える。

実験には最適だった。


大きなガラス瓶でスライムを持ち帰ろうとしたが、一瞬でガラスを溶かす威力は凄まじい。

あらゆる物で試したがダメで使い物にならない。


しかし俺らが作った武器で、スライムが棲みついて固くツルツルの岩盤を叩き割った。

その岩盤で壷を作ってスライムを閉じ込めた。

それからがスライムの悲劇が始まった。


いやはや・・・巡りに巡って俺らが関係していたとは、信じられない。






ダンジョンの砂漠でスライムのスラの実力を見せて貰った。


ブラックサソリを一瞬で溶かす能力だ。

だが・・・魔石や素材まで溶かすのダメダメで『下から内臓を溶かして魔石を残しつつ頑丈な殻も残せ!』


『わかった』


それからはスルスルと這って溶かすスラ。


炎魔法も赤い炎を吹いて消し炭にする実力だ。







そして3階層へやって来た。


毛むくじゃらも簡単に倒すスラ。

動きの遅いスライムと思えない動きだ。

レッドの教えでこうも変わるとは・・・


『スラ、さがれ!俺の雷鳴アルバーで始末する』


『わかった』


「バリバリバリ、ドシャーン!!」と雷鳴が轟く。




雷鳴の音でよって来たホワイトバードも「バリバリバリ、ドシャーン!!」で倒す。



更にやって来たホワイトバードも雷鳴アルバーのカミナリで落とす。

もう無双状態だ。


あれ!地震か・・・違った。


大きな白い熊だ。


近づいて高さ6メートル以上もあるのに驚きだ。



ホワイトベアー

HP400

MP200


氷魔法



マジで氷魔法が使えるのか・・・あ、口から吹雪を吹き出す。


スラも負けない程の炎を吹き出した。


氷と炎の対決だ。


ホワイトベアーが優勢と思った瞬間、スラが炎を青い炎にして逆転勝ちしやがった。

ホワイトベアーの頭半分が焼けただれて、崩れ落ちるように倒れる。


ベアーの腹から熊のきもが手に入った。

熊の胆は、胃腸薬で有名だ。



熊の胆

胃腸薬として抜群の効用あり


凄い薬になるぞ。


あ!魔石は何処だ。


あ!そこか・・・念じて手に引き寄せる。

「スポンッ」と音がしたような、手には15センチ程の魔石が・・・

これって最大級の魔石だぞ。



あああ、あれっれホワイトベアーの家族だぞ。

めちゃ怒ってるぞ。


倒したホワイトベアーは、子供だった。


8メートルあるのが父親で7メートルのが母親に違いない。

5メートルは、弟だ。


『スラ、やってしまえ!』


『わかった・・・ませき1つたべていい』


お前もか・・・『いいぞ』


火を吹いて飛んで行ったよ。


父親の頭に突っ込んで「ズズッズズ」と溶かす。


地面に着地してピョンと跳ねて母親へ・・・

呆気なく胴体を溶かして魔石を食った。


もう激怒りの弟が母親に向かって吹雪を吹いた。

あれよあれよ凍ったぞ。


スラが凍って死んだかも・・・なら俺が敵討ちを・・・

なんと、その凍った象を粉々にしてスラが飛び出した。

それは炎の爆発だ。


そして炎を吹いて弟熊の頭部を真上から燃やしきった。


スラの実力を垣間見た感じだよ。



『スラ!囲まれたぞ・・・ホワイトウルフだ』


『やれるよ』


え!やれるの・・・


またまた炎を吹いて飛んで行った。



ホワイトウルフ

HP250

MP250


爪氷そうひょう



なんと爪氷は、前足を振り下ろすことで氷の爪を投げつける。

そして傷つけて凍らせるスキルだった。


その爪氷を回避して、頭へ「パクッ」って喰らいついた。

ホワイトウルフの頭は、一瞬で無くなった。


あ!またも飛んだ。

頭を「パクッ、パクッ、パクッ」と3連続で喰らってるぞ。

スラの攻撃は止まることもない。


あ!炎を溶接のガスバーナーのように絞って青白い細い炎に変えたぞ。

それをムチのうに扱ってホワイトウルフを切断。

切断面から血が1滴も出ない。


あ、逃げる前に切られた。



1029頭のホワイトウルフの死体が転がっていた。


俺の魔石を回収も一瞬で終わらせたよ。


『あるじ・・・たべていい』


まだ食べるのかよ・・・仕方ないな~ぁ。


『喰っていいぞ』


あらあら、飛んで行って喰って、また飛んだぞ。

食欲が凄いぞ・・・ホワイトベアーまで喰ってる。



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