第42話3階層
砂漠に来ていた。
やっぱダンジョン内では、転移門は開かない。
開くのは、異世界だけだ。
「スマホのアプリでは、ここなのか・・・普通の岩場だ」
『ピエー、ピエー』
「レッドも怪しいと思うか・・・そうだよな」
こんな所にあったとは、我ながら情けない。
這い出したブラックサソリをレッドが『かまいたちの
魔石を見つけて「パクッ」と食べる。
なんて意地汚いことを、ああ新たなブラックサソリに噛まれてるよ。
なんだか平気で『ピエー、ピエー』と叫び口から炎を吹いた。
頭がボウボウと燃えだして消えない。
ブラックサソリが死んでも燃えて続けるなんて、非情過ぎる炎だ。
パタパタと飛んで魔石を俺の上に落とした。
そのまま穴に入ったよ。
「おいおい、中で戦って大丈夫か!」
『ピ、ピエー、ピエー』
元気な声だ。
俺も後を追い駆ける。
穴ってこんな感じか・・・あ!コケだ。
シュッと回収を済ませた。
あああ、なんで穴で炎を吹くかな~。
やっぱ穴の中が蒸し風呂状態で熱くてダラダラと汗が・・・
また炎を吹きたがった。
更に温度が上昇したぞ。
パンツもTシャツもベチャベチャだ。
それに喉もカラカラにかわいた。
ペットボトルを取り出して「ゴクゴクゴク」と飲む。
「めちゃ、うめーー」
『ピ、ピエー、ピエー、ピ、ピエー、ピエー』
あ、レッドが呼んでる。
それにしても勿体無い。
燃えた素材で無かったら回収したのに・・・
あ!20畳程の空間だ。
あ、レッドが用事が済んだとアイテムボックスへ帰った。
足元には、5個の魔石があった。
回収と念じた。
階段を出すには、岩を動かすって言ってたな・・・
これか、違った。
こっちか、これも違う。
あ!動いた。
奥の岩が2つに割れだす。
その下に階段が・・・
ああ、吹雪が階段から吹き上がってきたぞ。
それなのに全然冷たくない。
少しは冷えると期待したのに、服を脱ぎ捨ててタオルで拭いたよ。
ちょと体がさめるの待ってから着替えた。
そして吹雪の風に耐えながら階段を下りる。
なんて凄い吹雪だ。
1メートル先が見えない。
スマホのアプリに出発点を登録して出発だ。
あ、忘れてた。
右側にある岩を動かすって、動いた。
あ!上の岩が閉じた音が響く。
なんで・・・
白鷺班が逃げ帰った時には、勝手に閉じていてブラックサソリ1体が身代わり死んでしまう事件があった。
白鷺は、いつか仕返しするって言ってた。
また動かした。
あ、開いた。
岩の場所が分かればいいや。
それにしても不思議だ。
こんなに吹雪が吹き荒れているのに凍える寒さもないなんて・・・
そうか、寒過ぎて人間が来なくなるのは、ダンジョンにとって不都合なんだ。
来て殺すことが目的だ。
それ程にモンスターには、殺気があった。
その殺気が・・・
遠くから白い毛むくじゃらの大男が・・・嫌、あれなら女かも・・・
嫌々、身体的性別も分からない程に毛が長い。
目がどこなのかも分からん。
そんな奴が15頭も・・・
「グッガー、グッガー」
コンド・ポンド
HP200
MP100
なんて名だ。
雷鳴アルバーを取り出す。
「雷で
「バリバリバリ、ドギャーーン!!」と雷鳴がとどろた。
コンド・ポンドは、一瞬で「ボン」と1メートルは飛んだぞ。
雷に打たれたら、ああなるんだ。
死体には、手から雷が通って足へと、そんな痕跡が残っていた。
ナイフで裂いて魔石を取ろうと・・・手が止まる。
アイテムボックスで思うだけで取れるかも・・・やってみよう。
足元のコンド・ポンドを見る。
お!手に魔石が・・・成功だ。
今度は、アイテムボックスに直接入れと思いながら死体を見てゆく。
あ、入ったの感じたぞ。
それにしても魔石が大きい。
シメシメと思いながらアイテムボックスへ回収だ。
歩いていると又きやがった。
雷鳴アルバーの切れ味を確かめるために走った。
5メートル程の岩を投げやがった。
なんてバカ力なんだ。
俺は大ジャンプして岩を叩き切った。
「バリバリバリ・・・」と連続発火の音が響く。
岩は粉々になって落下したぞ。
下から切り上げる判断をしなくて良かった。
してたらタダではすまないだろう。
油断したと思ったコンド・ポンドが
雷鳴アルバーで切り上げる。
俺の切り上げるスピードが速く、当たる前に腕を斬った。
そしてしゃがんで避ける。
上を斬られた腕が凄い勢いで飛んでいったぜ。
コンド・ポンドは、崩れるように倒れだす。
消えゆく表示は・・・
コンド・ポンド
HP0
MP0
感電死
あれだけで呆気なく感電死するのか・・・凄い威力だ。
9憶円なら当たり前かも・・・
襲ってきたコンド・ポンドを浅く斬る。
それだけで死んだ。
呆気なさ過ぎる。
あれ!この剣には、契約魔法がついていたハズだ。
これじゃー弱らせて契約するなんて出来ない。
なんか損したみたいだ。
おまけみたいに取得したから仕方ない。
ならコンド・ポンドの攻撃を避けながら、かすり傷を負わす作戦に切り替える。
俺からしたらコンド・ポンドは遅い動きだ。
どのように動くかも100%分かる。
右に避けて「シュッ」と切る。
今度は、左に避けながら切り上げる。
後ろに下がって手を切る。
鑑定の指示に従ってれば、安全だぜ。
倒した数20頭。
又、遭遇して25頭を倒した。
あ!新手のモンスターだ。
ホワイトバード
HP300
MP100
スキル
氷の
白い大鳥だ。
雷の攻撃範囲より遠くから氷の礫を使うなんて・・・
上空からの攻撃だから加速もついてヤバイぞ。
なんとか回避してバギーを取り出す。
バギーを乗っての空中戦を仕掛ける。
やっぱ、こっちが不利だ。
ホワイトバードの上空から「雷鳴アルバー!雷で殲滅だ」
「バリバリバリ、ドギャーーン!!」と雷鳴がとどろた。
ホワイトバード20羽が落下したぞ。
コンド・ポンドより大きな魔石を手に入れたぞ。
この羽、なんか役にたつかも・・・回収だ。
あ!アラームが鳴った。
アラーム機構搭載の機械式腕時計。
そして自動巻きで、50m防水。
この機能だけで310万円もするフランス時計だ。
午後5時か・・・
スマホは、時間と通信の機能がダメだ。
階段を下りたり上がったりする度に、時間が狂う。
スマホの中で何かが起きてるかも・・・
ダンジョンあるあるだ。
帰ることに・・・
書類仕事のサインで昼までやってたのが原因だ。
今度は、もっと早く来よう。
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