第41話スイーツ
大会議が終わった。
谷本さんからの提案で大会議に出席したが・・・
その見返りに3人の在留許可証がもらえることだった。
鎌田総理の念書までついていた。
総理側は、俺が出たことでポッと出の探索者などたいしたことではない。
そんなスタンスを議員らに見せたかったらしい。
俺も天狗になっていたかも・・・気をつけよう。
権力者に嫌われたら
それにしても在留許可証は、ありがたい。
ここでの戸籍がない彼女らには、これで身分証代わりみ証明できる。
俺は、目立つ3人が警察官の職質されないか心配だった。
だから職質について調べた。
警察官職務執行法第2条1項によると、警察官は、異常な挙動や周囲の事情から合理的に判断した。
その場合は相手を停止させ、質問することができる。
・何らかの罪を犯した、もしくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者
・すでにおこなわれている犯罪について、もしくは犯罪がおこなわれようとしていることについて知っていると認められる者
簡単に言えば、警察官が「怪しい」と感じた相手には足を止めさせて質問できるという権利だ。
「任意でしょ」と言って拒否してもダメだ。
「そうですね・・・任意だから行ってください」なんて絶対に言わない。
無線連絡して仲間の警察官を呼ばれるのがオチだ。
身体検査されたらアウトだ。
この耳は、この尻尾は、って言われぞ。
そして逮捕なんかされてマスコミ報道されたら一大事だからね。
耳がとがったエルフなら、ニュースになってバンバンでちゃうよ。
「さあメイクさん、お願いします」
「綺麗な髪ね」
シルーの銀髪を手グシで整えて、耳を上手く隠した。
「これなら外国の美少女でデビューできるわ」
嫌々させないって。
ルシハーは・・・
「綺麗な髪ですね・・・軽く洗います」
頭を洗われて気持ちよさそうにしてるよ。
トリートメントされて、ドライヤーでツヤを損なわないように乾かされた。
ブラシで髪をとかして軽くセットもすませた。
ここからが本番だ。
化粧なんか分からんからスマホで撮った。
顔を洗ってもらい化粧水や乳液などで肌を整えられた。
ファンデーションで紫の肌をあっという間に白い肌に変えられた。
まあ撮ったから後で見ればいいや。
そしてフェイスパウダーで仕上げられている。
やっぱメイクさんは、プロだ。
「次はウーだよ」
「嫌です・・・」
そうなの・・・仕方ない。
ちょっと大きめな帽子で耳を隠す。
ルシハーと違ってピョンと耳が出てる。
しっぽも出ないようにすれば完璧だ。
「
「それぐらい我慢してもらわないとスイーツが食べられないよ」
「我慢する・・・」
3人のたっての願いのスイーツを食べに行くのだ。
ああ、男達にジロジロ見られてるよ。
あっちではカップルが口ゲンカを「よその女なんか見ないで」
「見てないって」
「見てた!」
ああ、見てられないよ。
「あ、あの店だ」
「あそこですか・・・」
席に座って「とりあえずショートケーキのセット3つとアイスコーヒー1つ」
「ショートケーキセット3つとアイスコーヒー1つですね」
「それで・・・」
出されたショートケーキには、アイスミルクコーヒーがついていた。
俺がアイスコーヒーを飲んでいると・・・
何かに取り付かれたように食べ終わってた。
シルーがメニューの写真を指差して「これ・・・これ・・・これ」
え!3つも・・・
ルシハーもウーも負けない。
「これ・・・これ・・・これ」
「わたし、これ・・・これ・・・これ」
モンブラン
抹茶ロール
チーズケーキ
パフェ
マカロン
ガトーショコラ
モンブラン
マドレーヌ
カヌレ
あ、あっという間に食べ終わってるぞ。
スイーツは別腹か・・・これは早く引き上げよう。
「さあ、行くか」
「まだ欲しいです」
「もっと食べたい」
「もっと・・・」
「今日はやることがあるから・・・帰りにコンビニで飴やプリンも買って帰るから」
『ピエー、ピエー』
「レッド、飴って聞いて出てくるなよ。お前のも買うから・・・」
やっと引っ込んだよ。
「プリンって美味しい・・・」
「ああ、美味しいぞ。俺も小さい頃はプリンが好きだったな~」
「それでは行きましょう」
あ、牛丼家だ。
コーヒーしか飲んでないから、急に腹が減ったぞ。
牛丼家に入った。
俺だけ食べるのも・・・悪い。
「このタブレットで注文するんだ」
「はい」とルシハーが代表して答えた。
早速きたぞ。
牛丼(並)と玉子。
牛丼に生卵を入れて醤油を垂らして、軽く混ぜて食った。
久し振りに食べたから「美味いな~」
しかし、なんか物足りない・・・肉2倍牛カレーも注文して食べた。
3人は苦労して、はしで牛丼を食べてた。
おこちゃまみたいに、はしからボロボロと落として・・・なんだか笑える。
「御主人さま、食べずらいです」
「そうです・・・食べれません」
「ウー、手で食うな」
「結構うまいぞ」
こっちで暮らすなら、はしも使えるようにならないと・・・
転移門で自宅に帰った。
コンビニで買ったスイーツを冷蔵庫に入れた。
3人にkcalの取り過ぎは、肥満になるぞと紙に書いて見せた。
プレミアムロールケーキ
212kcal
生クリーム大福
161kcal
バニラクリームタルト
438kcal
雲ふわティラミス
254kcal
カスタードプリン
175kcal
モンブランプリン
246kcal
大きなツインシュー
348kcal
濃厚たまごのカスタードエクレア
270kcal
どらもっち(あんこ&ホイップ)
258kcal
すべての商品を10個ずつ買った。
ミルクイチゴ飴も忘れずに買った。
その飴を、レッドがチビチビと舐める。
ようやく飴の味わい方を知ったようだ。
それに14インチのポータブルDVDプレーヤーで、好きな恐竜映画を見てる。
お気に入りは、戦うシーンだ。
ラジオで競馬中継を合わせて「1着アズマホマレ・・・5番の単勝万馬券です」
なんか落馬があったみたいだ。
え!マジか・・・ちょうど良い。
何レースか確認して、『次元を切る魔法』を発動。
これが時間軸か・・・赤を切れば未来に、青を切れば過去に、だから青を切った。
そして引張って、これ以上伸びない。
そして付ける。
コンビニの前に立っていた。
これって1時間前だ。
3人も一緒だ。
金を手渡して「好きなだけ買っていいから・・・」
「本当ですか」
「行きましょ」
「買いますよ」
俺は、スマホを操作してネット購入馬券を開いた。
あ、1時間前だから暗証番号をまた入力するのか『・・・・・・・・・・』
そして5番の単勝を100万円も購入。
コンビニから出てきた3人は、1人1人が両手にレジ袋を・・・
「お釣り32円だと」
「買い過ぎました・・・」
「買ったら食べるしかありません」
「エヘヘヘ・・・」
転移門を開いて自宅へ帰った。
冷蔵庫に入り切れない物は、その場で食べる彼女ら・・・牛丼を食べたよね。
プリンとモンブランプリンの1つずつに『俺用食うな』って書いた。
そしてなんとか冷蔵庫の中に・・・
あ、奴ら漢字は読めるよな・・・読めると信じよう。
これなら大型魔石冷蔵庫を買うしかない。
嫌、大型魔石冷蔵庫なら作ちゃえ・・・
昔の冷蔵庫は、木製だった。
上に氷を入れて全体を冷やすヤツだ。
ダンジョンの木で大きな冷蔵庫を錬金術で作った。
内部には、冷気が漏れないように魔法陣で結界を張り巡らす。
冷える魔法陣で効率よく冷やす仕組みになっている。
魔石をはめ込むと冷えだしたぞ。
あ、ラジオからあのレースだ。
「今、飛び出しました・・・ちょっとばらつきました」
ああ、順番が入替わったぞ。
「頑張れ5番!」
「1着アズマホマレ・・・5番の単勝で89倍です」
え!なんで・・・100倍以上が万馬券なのに・・・
俺が100万円買ったからか、それで配当が変わったのか・・・
1時間でも未来は変わることが分かった。
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