第38話ゴブリン




「ゴブリンの集落殲滅せんめつを選んだのか・・・数は1万以上も居るぞ。ザコだが数が多ければ脅威だ・・・それに魔法を使う奴も居るらしいぞ。だからAの依頼で・・・ああ、分かった。Aでも楽に殲滅出来る自信があるんだな、死んで責任はしらねーぞ」


ゴブリンなら日本のと比較できる。

下の依頼板にもゴブリン依頼は無かった。


「はい、やらさせてください」


「その決心、気に入った。依頼を完了させて来い」


ゴブリンは、次の街の中間で潜んでる。

そして数で人を襲ってるらしい。

今では、遠回りの道で1日を無駄にして、色々とクレームが・・・





「なんて分かり難い地図だ!これで合ってんのか・・・」


「あれです、あの道を・・・」


「あれか!・・・」


上空で旋回しながら観察。


「俺が絶体絶命なったら助けに来い。それ以外、手助け無用だ」


心配そうな顔でみるな・・・


方天画戟ほうてんがげきを取り出して、飛び降りた。


地面へ衝突する前に魔方陣で衝撃を消してフワリと・・・


近場にいたゴブリンを一振りで5人を刈り取った。


ペン回しを応用して、右手、左手ではじいた反動で回し続ける。

めちゃ回るぞ。


ゴブリンは、死んだことも分からない。

俺の周りは、死体だらけだ。


400人は死んだハズだ。

回すスペースもない。


大ジャンプして、またジャンプして場所を移動。


あ!着地した場所が悪かった。

なめらかな石の上で、血に染まった靴が「ズルッ」と滑った。


無防備と思ったゴブリンが襲ってきた。


こん棒が顔面を狙って振り落とされる。

しかし、左の防御用腕輪でしのいで、右手で掴んで遠くにゴブリンごと放り投げる。


「ギャー」と投げられるゴブリン。


今度は、下半身か・・・蹴りでこん棒を飛ばしてやった。


何・・・ゴブリンが抱きついてきた。


「何をしやがる」


蹴って吹飛ばす。

え!左からも下からも抱きつくな。


次々に俺へゴブリンがダイビングしてきた。

圧死させる気だ。


そんな方法で死んでたまるか・・・『傀儡くぐつ魔法』を発動。


上にいたゴブリンが降りだす。


「仲間だったゴブリンを殺せ」


ゴブリン30人が仲間を襲いだした。

これが『傀儡魔法』の力だ。


起き上がった俺は、移動し続けて斬って斬って斬りまくった。


向かってきた火の球も一刀両断して消し去った。

その魔法使うゴブリンに左手をかざして魔方陣を・・・

赤いレーザーがゴブリンの頭に・・・出力を上げたら頭に穴が開き死んだ。


そのまま手を移動させて、ゴブリンを切断して殺しまくった。


あ!しまった。

傀儡したゴブリンも殺してしまったよ。


それでも1000人も殺した。


だから、この殺し方もあきた。



方天画戟に魔方陣を発動して方天画戟を回し続ける。

ペン回しより速い回転だ。


それを操って殺しまくる。


「ズバッ、バシュ、バシャ、ズバッ」と切る音がむなしく鳴り響く。


1万以上も居たのに最後の100人がたまらず逃げた。


逃げても無駄だ。

短い足で逃げれると思ってるのか、逃げた背後から方天画戟が襲う。


「ギャー、ギャー、ギャー、ギャー、ギャー」と叫び続けた。


戻ってきた方天画戟が、俺の右の地面に突き刺さった。

緑の血に染まった方天画戟を、血を回収して綺麗に戻した。


そして吐き出す。



バギーが着地して3人が降りて来た。


「左耳をそぐのを手伝ってくれ」


「今の戦いに感服かんぷくしました」


何、感服って・・・


スマホのアプリで検索だ。


『深く感心して、相手に対して尊敬・尊重の気持ちを抱くさまを表す言葉です』


はは~ん、そんな意味か・・・



戦った時間より耳を切る時間が、腰も痛くなって・・・「やってられない」


あ!そうだ。

アイテムボックスで耳を取れないかな・・・やってみた。


え!簡単に取れた。


耳の血抜きをしたら白い耳に・・・


「御主人様、これではゴブリンと認めてもらえませんよ」


そうだよね・・・試行錯誤して血を元に戻した。


ゴブリンは、緑の耳でないとダメだ。


それで麻袋がパンパンで46袋だ。


「さあ、帰るぞ」


「ちょっと待ってください。ゴブリンは光物を隠す習性があります。探す必要が・・・きっと御宝ですよ」


そんな習性が・・・あ!見つけた。


土を回収。

金貨   12024枚

王銅貨 200381枚


宝石21個


銅貨、鉄貨、屑貨は光ってないから無かった。



「御主人様、これは凄い量です」


俺は、気が大きくなっていた。


「これは耳を取った手間賃だ」


「金貨10枚も・・・よろしいのですか・・・我らは奴隷です」


「いいから取っておきな」


「ありがとう御座います」


「ありがたくいただきます」


「ありがとう」


3人は、喜んでいた。そして帰った。






冒険ギルドの倉庫では、討伐の証の耳を数えるのが大変だった。


「こりゃー残業だな・・・」


「あああ、また数えなおしだわ」


ニャンニャンは嘆いている。


「この量から判断して依頼は成功と認めることにしよう」


熊おっさんが愉快に笑い出す。


なんでも役人に見せるらしい。

それが冒険ギルドの評価を上げる意味だと、後で知った。

依頼人は、偉い役人だった。


そして報酬の金貨30枚をもらった。

あの見つけた金に比べると・・・比較にもならないぞ。


3人が言うには、見つけた金をギルドに報告する義務はないらしい。

言ったら役人に取られるって・・・なので黙った。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る