第33話異世界
え!ここは何処・・・
古びたヨーロッパを思わせる街が、目の前に広がっているぞ。
振返ると壁が・・・あった。
しかし、鑑定が進めば階段があると知らせてきた。
試しに手を入れると壁の中に・・・頭を突っ込んでみると階段があった。
階段を目にして安心して、これでいつでも帰れる。
ダンジョンでは転移門が開かない。
しかし、ここはなんか違う感じが・・・
試しに転移門を・・・
「転移門を開け」と発動。
え!何かに邪魔された・・・しかし、開く寸前だった。
この手応えは何だ。
あと一歩だ。切っ掛けさえあれば開くハズだ。
そのためにも情報を集めるしかない。
あらためて・・・ここは、路地の行止まりだ。
スマホを取り出してアプリを起動。
出発点を記憶。
歩く歩幅が記録されるシステムだ。
声が聞き取れる道に歩きだす。
地図の点が動いた。
ここは決してヨーロッパでない。
なぜなら・・・
道を行き交うのは、人間でなかったからだ。
バルザック【鬼人】
LV15
HP:500/500
MP:100/100
この鬼人、マジで頭から角が生えている。
肌色は、青だから青鬼だ。
髪も青だ。
トレンチコートみたな物を着て、高さが2メートル半も・・・それに巨大な剣を背負っている。
サーラ【猫人】
LV15
HP:300/300
MP:200/200
こっちの女は、耳が猫耳だ。
しっぽを左右に振りながら歩いていた。
服装は、短パンにTシャツみたいな・・・短パンには、しっぽを出す穴も・・・
腰の左右には、ナイフが・・・
サーラ【魔人】
LV60
HP:130050/130050
MP:800/800
なんなんだ。
このレベルは・・・サーラ【魔人】は、肌が赤く背中から布のような2枚をヒラヒラとさせている。
服装は、貴族ぽい感じだ。
それに髪は、真っ赤な髪色だ。コスプレでも見た事がない色だぞ。
あ!あの布が生きてるように・・・俺に反応して、こっちを見ているぞ。
マジに見てるなんて・・・
女もこっちを見て「迷い人か・・・
何、是非も無しって・・・武士じゃーあるまいし。
そうか、これって翻訳されて聞こえる言葉なんだ。
魔人の言葉を俺が知るハズもない。
女は、何かを指で弾いた。
クルクルと舞って、思わずキャッチ。
手には、硬貨があった。
あれ!あの魔人の女はいないぞ。
この硬貨って・・・くれるの・・・
そして聞耳をたてる。
日本語に似た言語で聞こえる。
少し違和感を感じさせる言語だった。
しかし、その言語を使って情報を集めるしかない。
ここが
なんだ・・・この街並みは、建物の形式がバラバラだ。
木造建築、石で出来た建物、何、このペラペラな建物は・・・
それに往来する種族もバラバラ過ぎる。
あ!あの看板は、剣の絵だ。
武器屋かも・・・武器の鑑定でもするか・・・
中世の武器っぽいものが色々揃っているぞ。
あ!店主・・・かな・・・
オラク【オーク族】
LV10
HP:300/300
MP:100/100
職業:店主
ああ、豚さんの店主なんだ。
あれって、店主の後ろに飾っている剣が気になった。
雷鳴アルバー
攻撃力120
神秘な剣
【雷を轟かせる】
何、これは・・・最高の攻撃力じゃないか・・・信じられない。
それに雷を轟かせるって能力まであったら無敵だぞ。
ああ、欲しい。
「店主、あの剣っていくら・・・」
「あの剣は最高級の剣でな色々あって、俺の店に流れついたのが昨日だ。欲しけりゃー早く買うことだ。しかし、高いぞ・・・見た感じは下級貴族にも見えなくないが無理だな・・・ちょっと待て!左手に持ってるのは、ブルール硬貨か・・・それなら御釣りもあるぞ・・・本物だったらの話だ」
もらった硬貨だ。
テーブルに置いた。
あ、鑑定メガネを・・・ここにもあるんだ。
「間違いない。ブルール硬貨だ」
おっさんの顔が引きつっている。
それだけの価値の硬貨だったのか・・・あの魔人は・・・
雷鳴アルバーがテーブルに置かれて、「グシャッ」と袋も置かれた。
ああ、金だ。
紐を解いて硬貨を「ジャラジャラ」と出す。
「釣りを誤魔化すあこぎな商売なんかしてね・・・」
嫌々、硬貨の価値がまったく分からん。
あ!そうだ・・・『知りたい』を発動。
ベラベラと豚のおっさんがしゃべりだす。
この『知りたい』もここでも使えるから便利だ。
白金貨 1000万円
金貨 10万円
王銅貨 1万円
銅貨 1000円
鉄貨 100円
屑貨 10円
袋に入っていたのは・・・
白金貨9枚、金貨74枚だ。
ブルール硬貨は、10億円だった。
そんな大金を・・・なんで。
雷鳴アルバーは、9億260万円。
めちゃ高い・・・今、買うのやめるって言ったら・・・ダメだった。
ここでは、口約束は絶対だって。
おっさんが言うには、訴えて負ければ奴隷落ち。
めちゃ厳しい法律だよ。
だから訴えたら俺って奴隷落ちだよ。
裁判があるらしいが『真実の魔法』で即、負けた方が奴隷落ちだ。
煩わしい訴えをした罰らしい。真実の前では悪が滅ぶみたいな・・・
あ!そうだ。
ここで情報を仕入れよう。
それで『知りたい』を連発した。
なんと・・・この大陸は、魔王が支配してる国だった。
それに魔王に従う貴族がいて魔人が最高貴族で5人もいるらしい。
魔族 侯爵(魔王と主従関係にある領主)
魔族A 伯爵(魔王の側近で、城代、地方都市の有力者)
魔族B 子爵(魔王の直臣で権力がない者)
魔族C 士爵(騎士)
それにしても魔族ABCって何ってネーミングだ。
これも俺が理解できる翻訳レベルにしているようだぞ。
それに冒険者ギルドがあった。
ギルドに登録すれば身分証明書になる。
ランクは、Fから始まって、E、D、C、B、AそしてS、
Sは特別のスペシャル、Lは伝説のレジェンドだ。
それに登録時にオーブに手をそえてランクを判定するらしい。
それに奴隷制度もあった。
犯罪奴隷や普通奴隷、普通奴隷、家事奴隷、性奴隷、戦闘奴隷、労働奴隷。
首に首輪をしてるから見分けも楽らしい。
命令違反をした場合は、首輪で苦しくなって逆らえない。
そして最後に死ぬなんて・・・
そんな世界なんだ。
ここは・・・
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