第32話死ぬのか
「わたし、砂漠で無双してたので・・・今は3頭までが限界で・・・もっと頑張ります」
え!俺に言ってんの・・・
ああ、そうか・・・俺が覚醒させたので恩義を感じてんだ。
旭とえらい違いだ。
這い出してきたブラックサソリにガチンコ勝負を仕掛けた。
互いのハサミがぶつかって「ギギギ」とうなり「ブチン」とハサミを切った。
もう切られまくって、バラバラだ。
召喚ブラックサソリの凄い力に驚愕するしかない。
白鷺を魔法や槍で助けたのが嘘みたいだ。
ブラックサソリ【召喚獣】
HP70←HP60
MP25←MP20
スキル
毒魔法
なんとHPとMPがあがってた。
これって強くなった・・・人間がレベルアップするみたいに・・・
「俺が手助けする必要もないな・・・俺1人で3階の階段を探すよ」
「え!わたし達を残して行ってしまうのですか・・・」
「それだけの実力があれば大丈夫だ・・・」
俺は、重力装置つきバギーに乗って空へ飛んだ。
ああ、なんて広大な砂漠なんだ。
たまに見かける岩場は無視だ。
距離にして300キロも飛んでようやく見つけた。
それは、湖だ。
この湖は、どうも蜃気楼ではない。
紛れもない湖だ。
その湖を旋回して危険がないかと見下ろす。
「
その時だ。
四方の砂から石が飛び出した。
その石は、あきらかに人造石だ。
1つ1つに生命が宿っているみたい飛んで来るぞ。
鑑定は、内蔵されている魔力も凄い量で知能もあると・・・そんなバカな。
まだ出てくる。
その数・・・分からん程の数だ。
「ゲ!危なかった」
なんとか回避。
攻撃目標は、俺か・・・
アイテムボックスから石を取り出す。
その石が集まり・・・「あれって足か!」
合体しながら数個の石が俺を襲ってきた。
寸前でかわすしかない。
『最大の危険が降臨する』と表示。
こんなの初めてだ。
絶対に完成させたら俺は終わりだ。
ならば石をブラックサソリの魔石に変えて、爆発を最大にして付与する。
MPの消費が激しいが知ったこっちゃない。
「危ない・・・邪魔するな!」
襲う石に悪態を・・・
合体し続ける石は、胴体まで・・・だから、思い切り投げる。
あ!吸い込まれるように合体の中に・・・
「あ!逃げなきゃー!!」
俺は、バギーを全開にして最速で逃げる。
気になって振返る。
なんと天までとどくゴーレムが完成してた。
ゆっくりとゴーレムの手が伸びる。
トロイ動きなのに、恐怖がドンドン迫ってくる。
「捕まってたまるか!」
バギーの後方に魔方陣を発動して、一気に速度をあげた。
その時に後ろから大爆発が起きて、俺を吹き飛ばした。
目が覚めた時には、右足も右手も感覚がまったくない。
必死に起き上がろうにも起き上がれない。
左手で頭を触って血が固まって「ネチョリ」とベタつく。
右目も何故か開かない。
左手で右手を・・・右肩から何もなかった。
『嘘だーー』と叫んだが、声がかすれている。
左目で腹を見た瞬間、吐きそうに・・・
傷だらけでレンガの欠片のような物が突き刺さったままだ。
げ!マジか・・・右足もない。
それに裂けた部分から腸が・・・俺は、空を仰ぎ見る。
このままだと俺は死ぬ・・・
死ぬのか嫌、死にたくない。
2度目の探索者をして楽しかった。
生きてる実感を噛み締める日々。
それに物も作って、認められるって事も嬉しかった。
だから諦めたくない。
右側の損傷が激しいことは、これでよく分かった。
あ、激痛が目覚めたように右から襲ってくる。
アドレナリンが切れかかているらしい。
俺は、絶対に生きてやる。
痛みを我慢して回復ポーションを出ろと念じる。
あ、回復ポーションだ。
なんで、そこに出るかな・・・
必死で回復ポーションを左手で・・・親指と人差し指しかない手に気づく。
それでも失敗しながら2本の指で掴む。
そして口へ・・・フタなど取る余裕もなさそうだ。
なんか眠たくなって・・・ダメだ。
そして噛んだ。
噛めない・・・あ、右側で噛んでいた。
もう必死に左へ、ああ眠い。
奥歯で瓶を噛んだ。
ああ癒される。
俺は、生き残れたぞ。
追加の回復ポーションで全快だ。
危なかった・・・心臓も止まる寸前だった。
キラースパイダーの
ボロボロの強靭服を着替えた。
それに石の残骸から『賢者の石』を見つけだした。
なんで名だけが表示されて、下の説明文は・・・
?????と・・・
だから『賢者の石』を回収。
残るは湖だ。
めちゃ怪しい・・・あ、湖はキラキラ光っているのに波紋がない。
鏡をみてるような・・・静寂な湖だ。
マジで怪しい。
俺の鑑定でも何も見えない。
鏡の湖に足を踏み入れる。
え!上下が逆転してるぞ。
足の下には、空が・・・その空を踏みながら歩く・・・
え!そこで気がつく・・・俺、水の中を歩いていることに・・・
服は濡れた感じもない。
呼吸も・・・できるぞ。
水の中を見渡す・・・あれか・・・斜め頭上に階段が見える。
どうしたら、あそこに行けるんだ。
この逆転した世界で・・・
アイテムボックスからレッドが飛び出してきた。
『ピエー、ピエー、ピエー、ピエー』
え!飛べって・・・
『ピエー、ピエー』
え!こっちに飛べって・・・
「分かった・・・飛んでやる」
え!体が浮いたぞ。
呆気なく階段へ・・・そして階段を触った瞬間に足が階段を・・・
そのまま階段を下りた。
あれ!レッドは、いつの間に消えてた。
アイテムボックスに帰ったらしい。
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