第30話パキア草




工房の裏庭の草って、どこかで見たような・・・


え!これってダンジョンのグワカエルが住む所に生えている草だ。

鑑定が間違うハズない。


そんな事例は聞いた事も見た事もない。


考えられるのは、ネバネバ液に種が紛れ込んでネバネバで成長したかも・・・

薬効は、精力絶倫・・・マジか・・・


鑑定を覚醒してから行ってなかった。

だから鑑定も出来なかった。あっちこっち行って調べるべきだな・・・



パキア草


精力絶倫



あれが勃起するだけでなく、ストレスや疲れを取り除くらしいぞ。

もしかして麻薬・・・


俺は、警察に協力したから大麻の試薬も手に入れたよ。

手に入れた方法は、言わない。



庭先で錬金術を発動。

少量の液を取り出して試薬を試す。


デュケノア試薬と呼ばれるものらしい。

大麻の成分であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)と反応して、色の反応を見る。

具体的には、大麻に3種の液を順に加えて反応させた後、しばらくすると、液体が上下2層に分かれ、上層は透明な薄い紫色、下層は不透明な青紫色をあらわす。


ああ、反応がない。

では麻薬でない・・・合法ドラッグ・・・嫌々、考えないでいよう。


それではやるか・・・錬金術を発動。


呆気なく精力剤を作った。

1センチの錠剤だ。1個で1時間は、ビンビンだ。


瓶にして飲んだら絶倫過ぎて狂う恐れがあったからだ。


だから草の不純物も混ざているので緑の錠剤だ。

注意は、絶対に1錠を呑んで24時間後でないと服用出来ないってことだ。


呑んだら相乗効果で3日3晩、立ちぱなしだ。

たぶん寝ることも出来ない。



あ、そうだ・・・

この効用があるなら『薬草』と『コケ』の地上栽培も可能かも・・・






「ここが俺の畑ですか・・・」


「はい、わたしが責任持って栽培を成功させます」


今回の栽培者を募集したら何人の中にこの人が居た。



林信彦はやしのぶひこ


LV1

HP:10

MP:50

スキルポイント1


スキル

植物魔法



スキルポイント3を無理に消費させて覚醒させた。

栽培には、めちゃ良い魔法だ。



それでも何が起きるか分からないので林さんが数人を雇った。

その中にちゃっかり嫁さんも入ってた。


会社でリストラ宣告を受けてショックに・・・

不当解雇だった。

居残っても辛い思いするからとリストラを受けたらしい。


ここの田舎に引越し来た。


子供1人を都会に残した。

なんでも高校生で予備試験に合格。そして司法試験を受験して見事合格。

1年間の司法修習を勉強中らしい。

弁護士の最短ルートを進んでいるみたいだ。


林さん40歳。

妻 林綾子はやしあやこ35歳。


綾子さんは、16歳で出来ちゃった結婚を・・・




耕された畑に『アイテム袋』からネバネバ液をくのを見る。

その作業が終わったら『薬草』を植える。


『薬草』の花なんか見たこともない。

花が咲く前に収穫されてた。


花が咲くかも・・・それも分からない。



ああコケは、黒のビニールハウスで日光を少し通して栽培中だ。

岩山の穴を再現した。だかた下はコンクリートだ。

こっちも栽培出来るか分からん。


失敗したら野菜でも植えて出荷すればいい。

植物が育つのは、実証されてる。



それに、パキア草以外で生えた雑草を食べた社員が居た。

それも生で・・・あああ、雑草を食べるなんて・・・

それも美味しいと・・・ネバネバ効果かも・・・


あ、思い出した。雑草を食べる県民で山形が有名だ。


「おひょう」と呼ばれる草のことで、正式には和名をスベリヒユ。


痩せた土地に生え、日照りにも強い。

住宅地の道端や畑、垣根などに場所を問わず自生して、生命力あふれる雑草だ。

江戸時代に上杉米沢藩が財政困難で、藩主/上杉鷹山が倹約のために食べるよう言ったらしい。

さつま芋じゃーあるまいし・・・



パキア草は、貯水池の近くに植えた。

種も発見されて撒いた3日後には、収穫だ出来た。




それに錬金術を使わなくてもOKだった。

水洗いして、すり潰して錠剤を作る機械に入れたら、プレスされて出てくる。

これもヒット商品だ。


精力剤『ビック』1錠入り。


価格3000円



なんでも男女のカップルで呑んで、燃えに燃えるらしい。


「わたし幸せよ」


「君を愛してるよ」


「もう1回してよ」


「分かった。もっとあつく燃えよう」


だから商品は、確実に2つも売れる訳だ。



めちゃ売れるから、畑を拡張。


水を多めに撒き散らすスプリンクラーを設置して、パキア草を増やすことを試した。


「パキア草の成長具合は・・・そうですか20センチも伸びましたか・・・2日後には、収穫ですね・・・」


スマホの連絡では、順調だ。

ストップしていた注文を受けれもいいかも・・・


「師匠、パキア草は・・・」


「グングン伸びてるって・・・」


「それは本当ですか・・・在庫ってありますかね・・・親戚から催促されていて」


「在庫なんかない・・・在庫管理してるの旭だぞ」


「師匠なら、アイテムボックスにちゃかり入れてると・・・」


「使う相手もないのに、入れる訳ない」


俺を何だと思ってんだ。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る