第29話戦闘機




戦車で味をしめた自衛隊。

俺にむちゃぶりをして来たよ。



「何々・・・この設計図の形は・・・」


「分かりやすくするために模型も製作しました。よく見て疑問があったらおっしゃってください」


これって8人乗りのライトバン・・・


それを空へ飛ばせって・・・ちょっとは空気抵抗を考えて流線形にしてよ。

ずんぐりむっくりで戦闘機に見えない。


スパイダーがあまり速く飛ぶので、空気抵抗を無視した設計図だ。

スパイダーって丸みがあるよね。

なので丸みを持たせるように言ったよ。


あらあら問題点だ。


「これって統合化ディスプレイを使うつもりですか・・・」


「何か問題でも・・・」


「ディスプレイの設定を変えれば、なんとかなるかも・・・」


「そうですか・・・そのように設定をお願いします」


「このデジタル飛行制御はダメです。すでに似たような機能があるので、使うと不具合が起こりかねませんね」


「ダメですか・・・取り除きます。それでいいですか・・・」


「それでお願いします」


最後部には、個室便所が・・・これもスパイダーと同じだ。


長時間乗ることを考えたら大人オムツなんかダメだ。

大人になってオムツをして排泄なんか無理。

そりゃー腹を下して、便所で間に合わず・・・やったことはある。


それに臭うよね。


この戦闘機は、3人が乗る予定だ。

座席も交代できるように移動が可能らしい。



ここでの特徴は、俺のブラックボックスを使って飛行機メーカーが作る。


その1点だ。


便所の下には、『アイテム袋』を使うみたいだよ。

誰が言ったか知らないが、垂れ流し案もあった。


それで思い出したよ。

昔は、列車と飛行機も垂れ流しだった。

車や家にも落ちた記録があった。


何を考えたら・・・垂れ流し案が通る・・・海上か・・・ダメだ。



それにミサイルや銃弾も機内で補充して撃つって・・・

『アイテム袋』から手で取り出して手作業で補充。


この時には、『アイテム袋』も改良されて、あの知識で10メートルまで拡張。

あの知識さまさまだよ。


だから『アイテム袋』の数だけ攻撃を続けられる。

そんな無限攻撃戦闘機ってヤバイよね・・・それに燃料切れもない。

そんな怖い構想で立案された計画だ。



これってジェットエンジンを使った戦闘機よりコストがめちゃ安いよ。


何百機も作る予定らしい・・・日本を救ったヒーローだよ・・・忙しいのに。


F35Aで1機あたり120億円。


俺の部品の値段は、20億円。

めちゃ安いじゃん。


機体をメーカーが作っても原価価格1000万円だな・・・



自衛隊も色々大変だ。



「え、何・・・この図面は・・・」


「あ、申し訳ありません。爆撃機の図面が紛れ込んでいたようです」


「どう見ても大型バスだよね・・・」


「爆弾も手作業で補充するのでスペースが必要で、それも素早く数人で・・・」


ああ、攻撃チャンスを逃したくない。

それが本音のようだ。


なんと手作業の連続写真もあった。


陸用、対艦船用には225キログラム、340キログラム、450キログラム、910キログラムの4種。


4人では無理な重さだ。

だからクレーンが使われてるのか・・・それも急かされているのか汗がダラダラだよ。

あ、これって早く補充する訓練だ。

補充専門に任命されたら大変だ。


「何度グルグル空を飛び回せるつもりだ」


そんな風に怒鳴られるのが目に見えるよ。




「こっちのデジタル飛行制御はダメです」


「はい、分かりました」




あれ!疑問に思った。


「重力戦闘機を作ってゆく計画ならジェットエンジン戦闘機は、どうなるのでしょう・・・どっかに売るつもりですか・・・」


「それは聞いてません。何が気がかりなことでもありましたか、なんでも言ってください」


「これは昔のアニメで見た作戦なので、真剣に考える必要はないと思います。宇宙でのアニメで宇宙戦艦同士が戦う時に使った作戦で、宇宙戦闘機に光を照射して相手の戦艦の近くに一瞬で送り出す作戦で・・・これって転移門でも使える作戦かなっと思って」


「わたしも転移門は知ってます。しかし、転移門を出現可能な距離はどのくらいですか・・・それがネックになると思うので」


「ああ、大丈夫です。地球上なら何処でも出せます」


「ええええ・・・それは本当に・・・待ってください。連絡するので・・・」





「え!それって本当ですか・・・」


数時間で南極で転移門作戦を実際にやったらしい。

南極なら何処の国の領土でもない。

誰にも文句も言えない。


多少あるかも・・・


それが海ならレーダーで見張ってるから飛ばせない。

念のために日の丸は、消したらしい。






なんで作戦部の人達が来て次々に質問するだよ。


「月に転移門を開くことは可能ですか・・・」


月の資源でも発掘したいのか、それに作戦と全然関係ないじゃん。


「イエイエ、それは不可能です」



「空間Aと空間Bを繋ぐって数式で表してもらえますか、数学の大発見なのでよろしくお願いします」


え!数学の数式って聞いただけで面倒だ。

その数式の答え合わせに、下手したら質問されるのは目に見えているからパスだ。


「そこまで詳しくないので答えられません」



「転移門の秘密を教えてください」


「その質問は、答えられません。企業秘密なので・・・企業秘密をしゃべれと・・・そんな質問には、一切答えません」


そんな企業秘密を答えると思ってんのか・・・この頭でっかちが・・・




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