第21話バギー
「ここから別行動だ」
「分かってますよ。わたし達はグワカエルを倒してくるので・・・」
彼女らは、現場でグワカエルの皮で作った、自分自身専用の全身ツナギに着替えるだろう。
だから男の俺が居たら邪魔らしい。
あのネバネバ液には、身も心もヘキヘキするのに、彼女らは平気らしい。
頼りなく見えても、しっかりとした意思で妥協をしない。
そんな彼女らの下着はなんだろうと、一瞬思った。
え!服が透けて下着姿が見えて・・・
こここ、こんな能力を・・・マジで。
「師匠、どうしたんですか・・・顔が真っ赤ですよ」
「え!何でもないぞ。向こうで頑張れよ」
そしらぬ顔で2階へ急ぐ。
ああ、やばかった。
砂漠で最後の爆発を「ドカーン」と鳴り響く。
「レッド、喰っていいのは10%だ。それ以上喰ったら3時の飴ちゃん抜きだ」
『ピエー、ピエー、ピエー』
これって、ちょっと喜んでる感じだ。
レッドも大きくなった。
20センチだったのが30センチまで成長。
肩にぶら下げる『アイテム袋』に魔石を回収。
レッドが回収してる間に、復活した砂鉄を錬金術で集める。
「終わった・・・」これで取り尽して残ってない。
全ての砂鉄を集め終わった頃には、レッドも戻って来た。
この砂鉄、1キロ内しか無い。
1キロの外では、砂鉄のサも出てこない。
ダンジョンあるあるだ。
アイテムボックスから四輪バギーを「ポン」と出した。
これってネットオークションで買った物だ。
オークションの説明文もあまり読まなかった。
なんと車両は輸入車両だ。
横浜港までの輸送料込みで税金込み。
「横浜港から指定先までの輸送費用は、別途見積もり致します」
それなら現地に行って持って帰るよ。
持って帰る手段が俺にはあるから・・・
チャンス!! 円安で価格上昇中!! 今が買い!!
2021年モデル HONDA-TALON(限定販売)新車USA在庫 現地即納体制
4,998,000円
現地即納体制って書いてあるのに見逃すとは・・・
今、思えば中古バギーでも良かった。
金も稼いでいて気が大きくなったかも・・・オークションあるあるだ。
広大な砂漠をバギーで走る。
2階層の砂漠地帯が攻略を難しくしていた。
足場も悪く体力の消耗も激しい。
俺みたいにバギーなら楽勝だ。
なんか風を切ってる感じで良い気持ちだ。
空には『ピエー、ピエー』とレッドが余裕でついてきた。
アップダウンする砂漠を横転しかけたがレッドが助けてくれた。
なので飴袋をやった。
『ピ!ピエー、ピエー』
42キロを過ぎた頃に、それは見えた。
「お!あれって岩場・・・」
なんと岩場に穴が・・・ブラックサソリって表示が見える。
ブラックサソリ
HP60
MP20
スキル
毒魔法
ああ、やっぱり毒か・・・
そのサソリが穴から這い出してきた。
めちゃ頑丈そうな殻だ。
え!防御力65
旭が持っている魔刀でも攻撃力60。
なら俺が持ってる武器では、歯が立たない。
あ!弱点も見えた。
歯が立たないと思った瞬間に・・・
サソリの腹部分が弱点だ。
そんな俺を見かねたレッドがブラックサソリに向かって行った。
30センチのレッド。
対してブラックサソリは、全長6メートル・幅3メートル。
なんと風魔法で空中へ舞い上げようとした。
必死に岩にしがみつくブラックサソリが、岩ごと空へ・・・
待っていたレッドが腹へ『かまいたちの
え!「ズバッ、シャッ、スパッ」と頭・胴体・
防御力65は、何だったんだ。
俺が弱点に気付いたから、それに寄り
鈎状の毒針を斬ったのも、刺されたらヤバイと思ったから・・・
そして砂の上にあった魔石も見つけた。
まだ発見されてない魔石だ。
「どれ程の値段になるんだ」
え!又もブラックサソリが這い出したぞ。
2頭だ。
「レッド、やってしまえ」
『ピエー、ピエー』
ブラックサソリは、その場で『かまいたちの
呆気ない。
又、出てきたよ。
バラバラに・・・
53頭のブラックサソリを倒した。
20個の魔石は、俺がもらった。
残りの33個は、レッドが喰った。
美味そうに喰うな・・・
『ピエー、ピエー、ピー』
そんなに喰って、もういらないって。
ブラックサソリのバラバラの材料を使って錬金術を発動。
変形と融合と強化を使って盾を作った。
いい感じで
そして
三国志の呂布の武器だ。
西洋のハルバードに似ていて、三日月状の「
ブラックサソリの鈎状の毒針から思い出した。
ブラック盾
防御力75
方天画戟
攻撃力70
岩場の頂上から砂漠を見渡した。
「あ!あったぞ。岩場だ」
バギーに乗って走る。
20分後に到着。
「レッドは、見ていて危なくなったら助けてくれ・・・分かったか・・・」
『ピエー、ピエー』
方天画戟でブラックサソリを「ズバッ」と斬った。
手応えがしっかりと伝わってくる。
それにめちゃ斬れる。
もう無双だ。
突き刺してもOK。
薙いでもOK。
65個の魔石をゲットした。
ブラックサソリの
あ、
甲殻を使ってバギーを強化しよう。
転倒しても壊れないように・・・
バギーを見続けて完全にコピーが完了。
その瞬間・・・閃いた。
バギーの全ての部品も作れるじゃないかって・・・
甲殻に錬金術を発動。
マジで作れた。
ジャンジャン作る。
「やってみるものだなーーあ、タイヤは無理だな・・・」
え!マジで・・・
物質変換が可能に、それもスキルポイントを使用して、迷わず使用すると念じる。
なんと物質変換の知識が流れ込んでくる。
そんな事まで出来るの・・・
アイテムボックスから砂鉄を取り出して、物質変換を発動。
浮かんでいる砂鉄がキラキラ輝く砂金に変換。
「本当に・・・」
集中力が途切れてキラキラと砂の上に落ちてゆく。
これって錬金術の名にもなってる・・・原理だ。
金属から金を生み出す秘術。
もう嬉しくてエンジン部品まで作って組み立てた。
もっと性能が欲しいなと思った瞬間には、最適な物質が・・・
楽しくて時間を忘れて魔改造したバギーコピー。
タイヤもパンクしないタイヤが完成。
全体の色は、ブラックサソリのブラックのままだ。
ボデーなんか黒光りして凄いぞ。
そしてエンジンを始動。
「動くぞ!」
ちょっと心配だったのにエンジンが動く。
「レッド、帰るぞ!」
『ピ!ピエー、ピエー』
もの凄いスピードで砂漠を走り続ける。
あ!乗り上げてしまったぞ。5メートルも大ジャンプだ。
落下した衝撃で転倒するかも・・・
材料でヘルメットを作るべきだった。
なんと落下しても衝撃を上手く吸収して、ちょとリバウンドして走った。
素人でも簡単に速い走行が可能に・・・めちゃ性能がいい。
え!もう着いたの・・・ああ、楽しかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます