第20話アイテム袋




ああ、何でこんなことに・・・

水曜日と土曜日は、自衛隊の軍用ヘリに乗って爆発付与する場所へ往復する羽目に・・・


移動に時間をかけて爆発付与に半日を使うのだ。

その日は、殿様気分を味わえるから文句も言えない。


「1日の日当は、1億円でこれ以上は1円まけない。それに税金免除も・・・」


それでもOKだった。




工房では、錬金術師でない普通の女性を雇った。

面接には、俺も立ち会って地元の平凡な人を弟子4人が反対する中、雇った。


彼女らが推薦する人は、一癖も二癖もあった。



何故、人を雇ったのか理由があった。


『アイテム袋』の注文が激増。


店番をしてダンジョンへ行けないのは、嫌だと言い出した。

彼女らにもレベルアップの観点が芽生えだしたらしい。


残ればレベルアップへの不利益が発生すると言うのだ。

そうなると旭は「1番弟子の私は、副社長であって皆の安全に向けて監督する義務が・・・店番はナシで」


あああ、それを言ちゅうかな・・・


神谷も負けてない。ここぞと先輩風を吹かせる。


「ここは後輩が交互に交代して先輩を立てるのが筋です」


そうなると間宮と田所の幼馴染コンビが猛反撃。



俺が割って入るまで『てんやわんや』で収拾がつかなかったよ。


「なら店番専用の1人を雇えば・・・」


「それもそうね・・・」


「師匠!頭良いですね・・・」


おいおい、師匠に向かって言う言葉か・・・




「『アイテム袋』の注文が殺到してるから探索者にグワカエルを高く買うよと依頼しようと思うけど・・・」


「それは絶対ダメです」


「何故だよ・・・探索者ギルドもシリアル番号で個々の識別をシッカリして、国外の流出を防ぐって言ってるよ。それに使用できるのもダンジョンから魔石など運ぶためだけだよ」


『アイテム袋』の問題点は、密かに密輸に使いやすいことだった。

検査の画面にも映り難い。ダンジョン品のあるあるだ。

それにギュギュに詰め込まないかぎり、ペラペラ状態の『アイテム袋』。


「だって『アイテム袋』を作れるのは、師匠だけですよ。師匠が忙しくて弟子の教育がおろそかになってませんか・・・それに自衛隊の仕事までして・・・」


週の2日は、自衛隊の仕事だ。

後の5日は、『アイテム袋』に掛かり切りだった。



彼女らも焦りを覚えた。

目の前で簡単に『アイテム袋』を作られたことに・・・


だから単価的に安くしてる石の武器シリーズを旭は、中断してダンジョンへ下り続けている。

他のメンバーも同じ気持ちかも・・・


彼女らは1人1人が『アイテム袋』を肩から掛けてダンジョンへ。




「たまには、武器と防具を作るか・・・」


俺は倉庫からゴブリンの骨を大量にアイテムボックス入れて運び出す。

そして作業部屋で骨をだしれ錬金術を発動。


空中に浮かんだ10本の骨が変形して、中の骨髄こつずいが「グジャグシャ」と絞りでる。

今、作る物に骨髄など邪魔でしかない。


更に厚みのある板状に変形して、10枚が出来た。

それを片手で持てる円状に・・・後で融合するから変形させてパズルみたいに組み合わせる。

とりあえずシールドに・・・それぞれ融合させる。

出来上がったのがボーンシールドだ。


強化なしでも弾丸を弾く。



ボーンシールド(強化なし)


防御力10


価格30万円



ボーンシールド(強化あり)


防御力20


価格80万円



本当は、もっと安くしたかった。

それが今までダンジョン用に作っていた協会側からクレームがきたらしい。


【ダンジョン支援協会】

刀を打つ刀鍛冶

武器を作る中小会社

防具を作る中小会社


ダンジョン支援協会は、政府や大企業から支援を受けた支援協会。

そんなダンジョン支援協会が出来るまでは、個人でネットオークションで買って使うしかなかった。



■日本刀(脇差・無銘 )


重さ   458グラム

刃長   33.9センチ

身幅広い 30ミリ

元重    7ミリ


若干錆あり


即決価格9万8千円



■大型サバイバルナイフ ランボー2プレミアムレプリカ


全長:約39.5センチ

刃長:約25.6センチ


落札価格1万25002円



■シースナイフ


全長 約 430mm

刃長 約 280mm

重量 約 540g(外箱・シース含む)

刃厚 約 5mm

素材 ステンレス鋼


落札価格2万0540円



そのダンジョン支援協会が独占禁止法に触れるからと探索者ギルドを通して言ってきた。

探索者ギルド側は、正当な理由があると認めて値上げするよう勧告。


なので価格を上げるしかなかった。





今度は、伐採した木を取り出す。


強化ナイフで適当な大きさに切る。

そして錬金術で変形・・・


その木を振りながら「こんなもんか・・・嫌、ちょっと違うかな」

軽く殴りやすいメイス風に仕上げる。


完成間近にゴブリン歯をあっちこっちに融合。

これなら向きに関係なく殴るだけモンスターは大怪我だ。

女性も使えるよう想定して軽い出来上がるに工夫したから売れるだろう。



メイス


攻撃力25


軽くて頑丈


価格50万円




▼今でも売ってる防具と武器



【アスナス有限会社】


ステンレス鋼メッシュ防護シャツ(鎖帷子くさりかたびら風)


直径約0.5mm/外径4mmのステンレスリングを使用。


価格83.843円



【鍛冶屋みやび


現代刀


刃長     73.3センチ

刀身重量・裸身760グラム


120万円



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