第19話爆発付与




自衛隊の飛行場に俺は居た。


それに軍人が・・・話し込んでいる。

階級なんて分からない俺には、線の数が多いか☆の数が多いのが偉いって事ぐらいだ。


そんな人が勢揃いだ。


なんで俺を指差すだ。

大勢が俺を見やがる。それも好奇心の目で・・・視線痛すぎる。


おとなしい人が歩いて来たぞ。


「この戦闘機の空対空ミサイルには、18キロの高性能爆薬が弾頭部に内蔵されていて、その爆薬に爆発付与を与えて欲しいが出来るかな・・・」


ああ、立派な戦闘機が飛行機場にあった。


「出来るか出来ないか、やってみないと・・・」


「まあ、失敗してもいいから、やって欲しい。何か事故が起きても責任はこちら側がとるから」


その戦闘機には、ミサイルが1つしか付いてなかった。


あ!鑑定では・・・

『標的の近辺で炸裂することによって爆風と破片によってダメージを与える武器』


そんなミサイルなのか・・・当てる必要がないって事らしい。


さっそく付与するか・・・



空対空ミサイルをジーッと見る。

あ!出来るかもと思った瞬間には、淡く光って爆発付与は終わってた。


「終わりました」


「え!あのポワッと光ったのが、それなのかね」


「はい、そうです」



そして戦闘機から離れた。


パイロットが乗り込んで爆音させて飛ぶのが速い。

そして高く空へ舞い上がる。


爆発させるのは、海上らしい。



俺らは、建物に入った。

そこには巨大なモニターがデンッと置いていた。


「高度18,000メートルに達しました」


「実験を開始しろ」


高感度カメラを搭載した戦闘機が平行して飛んでいるのだろう。


同じ高度に赤い気球が飛んでいた。


「目標にロック完了。発射します」


赤い気球にミサイルが真っ直ぐに飛んで当たる前に大爆発が起きた。


「凄い爆発力だ。18キロの高性能爆薬で爆発する威力では無い」


「これだと自衛隊の戦闘機が最強と言っていいぞ」


「今でも信じられん・・・」


めちゃ評判がいい。そんなにめられたら悪くないかも。





「今度は、この砲弾を頼む」


ええええ!まだやるの・・・

2つの砲弾が台の上に置いてあった。


「こっちの砲弾は、標的に命中した時に弾頭が起爆して破壊をもたらす化学エネルギー弾だ。君には、これに爆発付与をしてほしい。もう1つは、発射時に得た砲弾自身の運動エネルギー【質量、速度】により破壊する運動エネルギー弾だ。参考のために用意した」


その砲弾を見た瞬間には、パッと淡く光った。


「もう終わったのかい・・・」


「はい、終わりました」


運動エネルギー弾と言ってるが、銃の銃弾を大きくした物だ。

よくも大げさに言えたもんだ。


「慎重に大砲に込めろ。時間がいくら経っても構わん。爆発だけは起こさせるな」


言い終わった瞬間から車両に乗って走りだす。

俺もつられて乗って急発進。


残された隊員は、悲しそうに・・・こっちを見続けた。




「角度ヨシ、風速問題ナシ。いつでも撃てます」


大砲の周りに人は居なかった。

撃った瞬間に大爆発して死んだら問題になるからだ。



「撃っていいぞ」


「撃ってヨシ」


「ドン」と打ち出された弾頭が戦車に当たって大爆発が起きた。

その爆発音の凄いのなんの・・・ここまで地震の揺れを感じる程に・・・


土煙が消えた頃には、大きなクレータが残っていた。




「クレータの最大は、124メール。最小は、89メートルです」




「やっと深さの測定が完了しました。1番深い所で323メートルです」


「戦車の欠片が全然ありません」


「よく探せ!絶対にあるハズだ。あんなに頑丈なボデーが無くなるとは思えん」


戦車の姿は何処にも無かった。



「こっちの方も予想の数十倍も超える威力だな」


「それも数秒でパワーアップするのだから・・・残された課題は、保存期間と何処までの衝撃まで耐えるかだ」



あのクレータを元に戻すまで数週間必要だったらしい。

それに爆発音の苦情も・・・



そのテスト用に半日も爆発付与をし続けた。

前金5000万円をもらってなかったら逃げ出すレベルだよ。


元を取るみたいに、どんだけ爆発付与をさせるつもりだ。

ミサイル、砲弾、ミサイル、砲弾・・・終わったと思ったら又も運んでくる。

いい加減にしろよ。



あ!司令官らしい人のスマホ画面が表示が・・・目の前に見える。

これって、どれぐらい爆発付与をさせるか『知りたい』の別バージョンの文字連絡。


「1億円の費用対効果をすでに超えています。どうしますか・・・」


「君は、分かってないようだな・・・ここまでの段取りに探索者ギルドに対してどれだけ妥協だきょうしたと思っている。それに自衛隊が核に頼らなくても、長距離ミサイルに爆発付与をするだけで凄い威力になるのは明確だ。それは戦術的に有利になりうる事なんだ。それに放射能の心配をしなくて良い兵器なんだ」


「それでは、爆発付与を続けろと・・・」


「文句が出るまで付与させるのだ」


「了解しました」と送ってたよ。


なので「魔力が枯渇こかつしたようなので終わってもいいですか・・・嫌、違った・・・もう魔力がなくて出来ません」


「魔力枯渇とは、なんだね」


「覚醒者の探索者は、知られてないけど魔力保留量って存在してて、ゲームのMPですよ。それが無いにで爆発付与も出来ない状況です」


「それは本当なのか・・・」


それは嘘だよ。

1億円以上の付与をしたことを確認したから、やらないだけだよ。


それに「文句が出るまで付与させるのだ」が気に入らない。

だから拒否だ。


残り5000万円が振り込められた。

男のスマホ画面で確認もちゃんと済ませた。



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