第9話知りたい




朝起きたらレッドが頭の近くで寝てた。


え!俺のステータスがこんな事に・・・


相沢仁あいざわじん


LV5

HP:50/50

MP:230/330

スキルポイント 6


スキル

錬金術[爆発付与・強化・変形・融合]

鑑定

アイテムボックス

従魔



そしてレッドのステータスも・・・



ドラゴン

HP100

MP100


スキル

風魔法

炎魔法

ドラゴン魔法



嫌々、成長してるよ。

このドラゴン魔法って何だ。


それに俺の魔力が減ってるよね・・・吸われた・・・


孵化させた時に減ったのは、MP10だった。

なんやかんやしてマンションに来た時には、MPもマックス状態に回復してたハズだ。


そうなると寝てる間、魔力を吸われたらしい。

この結果を見れば歴然だよね。


寝てる間の映像を見てみるか・・・このスイッチを押して、これだな。

撮りだした最初から見るのか・・・早送りだ。


俺が寝た瞬間にレッドが頭の近くに舞い降りて「コテッ」と寝てるぞ。


あれ!寝てるレッドは、「ムクッ」と起きだした。

まるで夢遊病のように・・・そして、俺の首に倒れこんで「チュチュ」と吸ってる。



俺は、洗面所へ行き鏡の前に立った。

首筋にキスマークが付いていた。


これはヤバイ・・・絶対に誤解されるレベルだ。


アイテムボックスから回復ポーションを取り出す。

そして手の平に少し垂らして首に「ペチャ」と塗り込む。


手を離すと綺麗な肌に・・・



「コンコン」


「相沢さん、起きてますか・・・」


谷本さんだ。


玄関へ行きドアのロックを解除。

ドアを開けて「おはよう御座います・・・」


「おはよう、よく寝たようだね」


あ!谷本さんの顔色が悪いようで鑑定をしてしまった。


健康状態

徹夜であまり良くない


え!気になったら健康状態も見えるらしい。


徹夜って何を・・・



『徹夜の訳を聞きだしますか?』


え???

そんな表示が現れたことにビックリして・・・そこまで出来るのか・・・

気になって仕方ない。


悩んでる間に『知りたい』が実行された。

何故なら谷本さんが勝手に話しだしたからだ。


「ギルトマスターの娘さんが誘拐されて、警察と仲の良い私まで奔走ほんそうしてしまって寝てないのが現状で・・・」


マジか・・・誘拐って本当にあるんだ。


「犯人と繋がりのある人物を逮捕したのはいいが、黙秘権があると言って何も話さないから本当に困ったのんだ」


俺は、色々悩んだ。


「わたしなら犯人の居場所が分かるかも知れませんよ」


「え!何故、君が知ってるんだ」


嫌々、あんたが言ったよね。

もしかして本人は、話したことを自覚してないのか・・・そうに違いない。


「谷本さん自身が話しましたよ」


「私は、自慢じゃーないが口の堅い人間だ。君に話すハズがない!」


そうとう怒ってる。


「それならカメラには、映ってないないけど声は入ってると思いますよ」


カメラに早足で近づき「え!嘘だ!寝てないから勝手に・・・」





俺とレッドは、車に乗っていた。


ああ、谷本さん。

運転しながら質問攻めするのダメだよ。


「前を見て、事故るの嫌なので・・・よそ見運転で死ぬのってダメダメですよ」


「ああ、すまん」


谷本さんの隣には、女性が・・・

俺の隣には、男性が・・・2人はレベル8の職員だ。

レッドは、俺に抱かれておとなしい。



ビルの地下駐車場に入って奥まで行って、ゲートがあった。

これより一般車両は、入れないようになっていた。


カメラに向かって「開けてくれ」と谷本さんが・・・


ゲートが開いたので進んだ。


奥まで行って前向きに止まった。

え!壁が開いたぞ。


その中に入った。


車から降りて廊下を進んだ先に、2人の男性が立っていた。

目の前のドアを無造作に開ける谷本さん。


「準備は整っているようだな」


男が手錠されたまま椅子に座った状態だ。


健康状態

何度も殴られて蹴られて回復ポーションで回復してるが、精神状態は良くない


マジか・・・

ここまでしても白状しないなんて異常だぞ。

それか訓練された人間かも・・・ならばスパイ・・・


「君の力を見せてくれ」


3台のカメラが動かされる。

2台は、固定。

1台は、男性が持って撮っている。


俺は、拷問された男をマジに見た。

表示もパッと表示。

そして知りたいと思った瞬間から男は、ベラベラしゃべりだした。


拷問にかかわった人も驚き顔で見てる。

ああ、俺にも視線が・・・・・・


「佐田!この録画メモリーをギルドマスターに!きっと実行部隊をギルドマスターが指揮するハズだ。その実行部隊について行き結果を知らせろ」



佐田がドアを「ガバット」と開けて部屋から飛び出した。


「ドアを閉めろ」


佐田は、開けたまま出たからだ。



「もっと情報を聞きだしてくれないか・・・」


谷本さんの頼みだ。仕方ない。



そんな緊張した中で『ピエー、ピエー』と可愛い声で鳴くレッド。

付いてきた女性も、ほっこりした顔で見ている。



なんでも誘拐したのは、中国人だった。

黒幕も中国の幹部。


それに複数のアジトと誘拐に係わってないスパイの名と住所からスパイ内容まで・・・




4時間後に谷本さんのスマホが鳴り出す。


皆は、緊張した雰囲気で聞耳をたてた。


「はい、谷本です・・・・・・はい・・・・ありがとう御座います・・・はい」


スマホをきって「無事救出されたぞ。今は、自宅へ向かってるそうだ」


後で聞いた話だとダンジョン開放を中国は、狙ったらしい。

そんなの職員にばれた時点で無理な話だと思うのは、俺だけかな・・・


それにEUの関税引き上げも、それが狙いらしい。

それだけポーションと魔石の期待が大きいのも頷ける。




そして、その夜。

大勢の中国人スパイが逮捕された。

名前も住所もスパイ内容も分かってるから証拠も確保。


去年、日本でもスパイ防止法案が国会で可決。

今年から実施されることになった。


有罪になれば、数十年の禁錮刑きんこけいに処される。



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