第7話地下2階層
昔の記憶って案外忘れてなかった。
ようやく目的の地下2階層の階段が目の前に見えてきたぜ。
その階段を下りる。
50段も階段が続く。
そして・・・下りついた風景・・・
ああ、やっぱり砂漠が広がっている。
あれ!・・・砂漠の中を移動する・・・モンスターが居るぞ。
岩トカゲ
HP30
MP10
スキル
防御力アップ
岩トカゲの表示とステータスが見えた。
それが砂の中を移動してるのだ。
この岩トカゲは、本来なら5メートルになるまで近づいていることも分からない。
近づいて砂の振動によって分かる。そんな厄介なモンスターだ。
それに銃弾も役にたたない。
だからビギナーキラーの2つ名で呼ばれている。
なんて、忌々しい奴だ。
そんな岩トカゲに向かって魔改造した9mm機関拳銃を「パン」と撃った。
やっぱ動きが止まって岩トカゲの表示も消えだす。
表示を狙って撃ったのに、当たったよ。
俺は急いで駆け寄った。
足が砂で滑りながらも苦労して表示場所へ。
「多分・・・この辺かな」
砂を掘ってみる。
「・・・・・・」
ゲ・・・こりゃーダメだ。
掘っても掘っても砂が流れ込んで掘れないぞ。
こりゃー失敗したなーー。
砂から出てきてから倒すべきだった。
魔石の回収が出来ていたら・・・1個5万円の魔石は、これは痛い!。
ゴブリン魔石 5000円
岩トカゲ 50000円
10倍の価格を無駄・・・ああ、もったいない。
しかし、これで魔改造した銃弾でも倒せることが分かった。
砂の中でも倒せるならソロで戦えるって意味だ。
砂に足を取られながら次の岩トカゲを探し求める。
そして、岩トカゲの表示が15メートル先にみえる。
飛びだした瞬間に確実殺せるように、9mm機関拳銃を連射モードに切り替えた。
撃つタイミングが重要だ。
最初の1発が当たるなら単発でもいけるに違いない。
刻々と迫る岩トカゲに少し緊張が・・・
右足で砂地を踏み締めて、左足も踏み締めるタイミングで動きが・・・
4メートル先で右回りに急に回り込みやがった。
俺を騙す積もりらしい。
そして2メートルになった瞬間に飛び出す。
バカが・・・後ろに回り込んだつもりだが、こっちも向きを変えているのに・・・
大きな口を開けながら目がこっちを見て・・・ビックリした目だ。
目の色が赤に、俺を喰ってやる目に切り替わりやがった。
「ダダダ」
口に1発、腹に2発が当たり貫通したぜ。
無駄撃ちをしたくないから急いで指をはなす。
1メートル前に「ドサッ」と岩トカゲが倒れ込んできた。
今では、ピクッとも動かない。
岩トカゲ
HP8/30
MP8/10
スキル
防御力アップ
それでも岩トカゲのステータスは、表示されたままだ。
虫の息だか最後に仕掛けてくるに違いない。
なんてずる賢い奴だ。
頭を撃って仕留めるか!
嫌、悔しがって向かって来た時に撃ってやる。
昔、散々苦しめられた仕返しだ。
9mm機関拳銃を向けたまま後ろへ・・・
HP7
HP6
HP5と減る一方だ。
2メートルもさがった時に・・・岩トカゲは、我慢出来なくなって動いた。
口をガッと開いて1メートルまで飛びつく。
飛んだ状態でステータス表示も消えた。
「ドサッ」と砂の上に落ちて「ズルッ」と滑る。
俺は、そんな岩トカゲまで行って足で裏返す。
そしてナイフを引き抜いて「ブスッ」と刺して腹を裂いた。
「あった!」
魔石を取り出して、これが5万円か・・・初めて倒して手に入れたぜ。
あ!機関銃の音に誘われたようにレッドアームとスーパーワームが来やがった。
昔の俺は、レッドアームばかり倒していた。
レッドアームは、スーパーワームの幼体で全長1メートル以内。
スーパーワームは、砂の色と同じで1メートルを超える成体だ。
来ているスーパーワームは、1体だが4メートル超えだ。
レッドアームの数は、約15。
スーパーワーム
HP50
MP10
レッドワーム
HP10
MP5
俺は、ジッと我慢して、マガジンをアイテムボックスから取り出した。
そして、音を発しないように口にくわえる。
9mm機関拳銃を構える。
蛇行しながら近づいて2メートル先でスーパーワームが頭をもたげる。
そしてスーパーワームは、キョロキョロして匂いを嗅ぎだす。
これはチャンスだ。
「ダダダダダ」と撃った。
死んだスーパーワームに目をくれずに、砂から出てきたレッドアームを撃つ。
「ダダダダダダダダ・・・・・・」
無くなったマガジンを引き抜く、口から取ったマガジンを差し込む。
「ダダダダダダ・・・」
ワームを全滅させた。
スーパーワーム 魔石7万円
レッドワーム 魔石1万円×16=16万円
なんか悪い予感が・・・
マガジンに銃弾を補充しながら、あっちこっちを見る。
ああ、やっぱり・・・奴らが来た。
ゴブリンの魔石をアイテムボックスから取り出して、砂の上に取りやすいように置いてゆく。
そして爆発の付与を与えて、大きく投げる。
200メートル先に魔石が落ちた。
「あの力であそこか・・・付与を与えてタイミング的には、4秒」
魔石に爆発の付与を与えて投げる。
「ドカーン、ドカーン」と爆発が起きた。
爆発が前の魔石に誘爆して2連爆発したみたいだ。
砂漠にクレーターが出来ていた。
しばらく待つ。
爆発が起きた場所に、又もモンスターが集まりだしたぞ。
あいつらは、バカか・・・
付与して魔石を投げる。
「ドカーン」
集まるまで待つ。
「モンスター同士で戦うことは、ないらしい・・・そろそろ投げるか・・・」
中心地にうじょうじょと表示が・・・
魔石を投げる。
「ドカーン」
「・・・・・・」
魔石を投げる。
「ドカーン」
「・・・・・・」
「30分も待っているのに全然来ないぞ・・・もう、打ち切りみたいだ」
大きなバッグを取りだす。
「こりゃー大変だ・・・」
飛び散って手足のない岩トカゲの腹を切っては、魔石を取るだす。
一杯になったバッグを鑑定。
持ってきた計算機で計算。もう笑いが止まらないって、これのことか・・・
岩トカゲ
魔石5万円×501=2505万円
スーパーワーム
魔石7万円×522=3654万円
レッドワーム
魔石1万円×315= 315万円
合計6474万円
「めちゃくちゃ儲けたから帰るか・・・」
ギルドの買取で職員を驚かしてしまったよ。
数人が何度も確認しながら数えてた。
その間、ああだこうだと質問攻めだ。
「錬金術で爆弾を作れたので、それで倒しましたよ。爆発の音で集まるから楽勝ですね」
「ここが試験場ですか・・・それで、やってみろと・・・」
「私共としても確認が必要なのです。御理解が出来ましたら・・・カメラの前で見せてください。預かっている石槍の評判も良かったので、今は色々試験を繰り返しています・・・なので悪いようにしないと約束します。勿論、情報を洩らすこともありません」
なんでも四方には、カメラが設置されているらしい。
それなのにカメラ撮影スタッフが俺の手元を撮っている。
2台もいるかな・・・
「それでは、始めてください」
その合図でバッグに残っていた2センチの小石に爆発付与を与える。
手の平でスッと浮かびあがる小石。
そして淡く光る・・・その光りが消えると小石は、手の平に落ちていた。
そして1、2、3、と数を数えて的に向かって投げた。
え!思っていた程にスピードが・・・
タイミングが合ってないぞ。だから途中で爆発が起きたぞ。
失敗だ。
それなのに唖然とする職員やカメラ撮影スタッフ・・・
なんでも買取で最高金額を叩き上げたみたいで・・・
勿論、魔石だけでの話だ。
ちなみにドロップ品の買取値段は、こんな感じだ。
剣 1000万円
槍 1200万円
ナイフ 700万円
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