第2話危機一髪




森に入っていた。

魔石欲しさにゴブリンを倒して20個を獲得。

計算では、10万円だぞ。


あれ!地面に転がってる石が・・・急に表示されたぞ。


攻撃力10


そんなバカな。

なんか形状から石斧に使えそうだ。


なので木の枝をナイフで切ってナイフで削る。

中々な石斧の持ち手が出来たぞ。


「後は、巻くツタが欲しい」


あ!ツタの表示だ。

遠い所に・・・

その木まで駆け寄って木に絡まっているツタを「ブチ、ブチ」と引き剥がす。


持ち手の先端に割れ目を入れて「カンカン」とナイフと持ち手を地面の石に叩く。


これでもか!と叩く。


「これくらいで良いか・・・」


石を「ギュギュ、ギュ」とはめ込む。

そしてツタを巻いてゆく。


どうやって巻くのかも、なんとなく分かるぞ。

これって鑑定と錬金術のなせる知識かも。

出来上がった石斧のツタの巻き具合も職人技だ。


え!またも表示だ。


石斧

攻撃力20


「え!そんなバカな・・・」


石だけで攻撃力10だったのに20になったぞ。


「ブンブン」と振り回す。


中々いい感じだぞ。


そろそろ帰るか・・・その時だ。


森の奥から探索者が飛び出してきた。


俺の横を6人パーティーが駆け抜けてゆく。


相手のステータスがチラッと見えた。

LV8のパーティーだ。

名前までハッキリ見えない。

走り抜けたから見えなかった。


これって凄いことだぞ。


そんな時だ。森からゴブリンの声が・・・

これってなすり付けだ。

ゴブリンの数は100人以上も居るぞ。


『殺せ!殺せ!』と言ってるような殺気がジンジン感じる。



あのパーティー「逃げろ」の一言もなかったぞ。


これってルール違反だぞ。


きっと俺を囮に使ったに違いない。


俺も走りだす。


荷物が重た過ぎる。

背負いバッグを捨てる動作で・・・転びそうなイメージしかしない。

これって俺のあるあるだ。


身軽ならゴブリンに追いつかれるハズもないのに。


機関銃を「ダダダダダダダダ・・・」と撃った。

空になったマガジンを交換して「ダダダダダダダダ・・・」と撃った。


最後のマガジンも空だ。


ベルトに差込んだ石斧を抜き取る。

これが手榴弾だったら・・・


え!錬金術の爆発を発動可能と表示されたぞ。

そんなことが出来るのか・・・


5秒後に爆発と念じて石斧を投げる。


クルクルと回りながらゴブリンの方に飛んでゆく石斧。

4、3、2、1、大爆発が起きた。


その爆発で俺も吹っ飛んだ。



「あたたた、体が痛い」


傷ついた体で背負いバッグを「ドサッ」とおろす。

傷が少ない右手を使って『薬草』を取り出す。


そして錬金術を発動。

『薬草』は空中に浮かび原液と絞りカスに分かれる。

回復ポーションの原液が出来た瞬間だ。

え!上級回復ポーションと表示されたぞ。


とりあえず、原液を口まで移動させて垂らす・・・「ごくごく」


体が淡く光りだす。

体の傷が治るのを実感した。


そしてゴブリンが居た方を見る。

あっちこっちにゴブリンの無残な姿が倒れていた。


誰1人も起き上がらない。


「あ!魔石だ」


俺は、ナイフを取り出して魔石の回収を始める。


合計118個の魔石を回収。

背負いバッグに入らない量だぞ。

何か入れる物はないかな・・・


え!アイテムボックスをスキルポイントを使用して習得可能って表示されたぞ。

何も考えずにイエスと念じた。


スキルポイント10を消費しましたと表示。


それに俺のステータスもレベルが上がってた。


相沢仁あいざわじん


LV4

HP:40/40

MP:277/280

スキルポイント 1


スキル

錬金術【爆発付与】 強化可能・変形可能

鑑定

☆アイテムボックス



錬金術に爆発付与が発生してるぞ。

それに強化可能・変形可能は、次のは錬金術の習得可能な物らしい。

爆発付与だけでもモンスター相手に無双出来る能力だぞ・・・


これって全てが『鑑定』が導き出したのか・・・まったくもって俺にはわからん。


アイテムボックスに『薬草』を全て収納。

爆発で機関銃に小さな石がのめり込んでいた。

これって機関銃がなかったら死んでたかも・・・俺を守ってくれた機関銃を、この場に捨てるなんて出来ない。

だけど地上に持ったまま戻れば、取上げられてしまいに違いない。

記念に持ち帰りますって・・・無い無い。


アイテムボックスに一緒に収納しよう。

なんとなく錬金術で直せそうな気がしたからだ。

きっと直してみせる。


「さあ、帰ろうか・・・」


魔石でパンパンんの重いバッグを背負う。

着ていた服もボロボロだぞ。


階段方向に向かって走りだす。





ダンジョンを出て、近くに居たギルド職員にクレームを言った。


警備を担当している職員だったらしい。

狭い部屋まで案内されたよ。


「そうですか・・・そんなことが・・・」


PCを操作して「相沢様の前にダンジョンから出て来たパーティーは、『英雄の末裔』ですね。こちらがメンバーの顔です」


「あまりにも突然だったので・・・顔は、あまり覚えてないです」


「そうですか・・・覚えていれば逮捕も出来たでしょう・・・ここだけの話ですが、悪い噂のパーティーです。記録には、残しますが確実な証拠にならないのでギルドもお手上げです」



そして買取専用の受付に移動。

黒縁の鑑定メガネをした男性がバッグから魔石を取り出して、鑑定をしてた。


まあ!驚いた顔をしてたよ。

ダンジョンに入った時間と戻ってきた時間から色々推測ができる。

レベル2のソロで無理な成果だし・・・


それにしても鑑定メガネって不思議なアイテムだ。

同じモンスターを1000体も続けて倒すとドロップする。

今では、そんな珍しくない鑑定メガネ。

2年前にゴブリンを倒し続けた女性パーティー6人が、続けざまに鑑定メガネをドロップさせ続けたのが切っ掛けだ。


その鑑定メガネを鑑定してみる。


鑑定メガネ

ダンジョンから取れる物を鑑定する


そして見続けた結果、人やモンスターのステータスまで見れない。

それに俺の鑑定より鑑定能力が落ちることが判明。

やっと安心出来た。


俺のアイテムボックスが見破られる心配もない。


スキルの覚醒も自己申告で、隠す探索者も多いと聞いている。

俺の錬金術は、申告しないでポーションを作れば逮捕されるレベルだ。

生産職のあるあるだよ。



谷本仁史たにもとひとし


LV5

HP:50/50

MP:78/150

スキルポイント 15


スキル

風魔法


『土魔法(15)』


この男は、風魔法を習得してるぞ。

MPが減ってるから消費して鑑定してるのか・・・それって誰も知らないぞ。

それに、未覚醒の土魔法まで・・・まあ、いいか・・・



「魔石138個、1個の価格は5千円です。合計69万円です。カードに入金しましたのでお疲れさまです」


愛想のいい受付の男性だった。

探索者カードのチップには、色々な情報が入ってるらしい。


それに何処でもクレジットカードみたいに使える。

勿論、ATMでも引き出し可能だ。


これも2年前の改革で見直されて便利になったものだよ。



最後に検査ゲートで厳重に検査されてパスしたよ。

所持してたナイフも直前にアイテムボックスに回収したよ。


そして金属探知のゲートも問題なく通ることが出来た。



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