生産職のダンジョン攻略
@katuniro
第1話再チャレンジ
ポーションを作る会社が見えてきた。
会社名は『アトラス』。
俺が働いてる会社でダンジョンから採取した『薬草』から、回復ポーションを作るのが俺の仕事だ。
錬金術のスキルを使って俺が回復ポーションを作るのが日課で、自分で自分のことを褒める程の高品質のポーションを作っている。
1日のポーション製作は、ノルマ100本。
そんな会社に出社した瞬間から社内が騒がしい。
そして突然に社長が現れて話だす。
「皆さん、申し訳ない。この会社は、詐欺にあって倒産してしまいました。私には、今月分の給料も払えない状況です」
社長の話では、品質の悪い『薬草』を大量に仕入れたのが原因らしい。
取引き相手に急がされて鑑定をしないまま契約を結んだ。
まんまと詐欺に引っ掛かってしまったらしい。
それもハニートラップで女に騙された社長が悪い。
後の調査で分かったことだが・・・
中国系悪徳企業の『薬草』を買うなんて・・・呆れてものも言えないよ。
それに最近、不動産も始めて大失敗。
その埋め合わせ的な思いが焦ったのだろう。
それを知って社員から
そんな状況なのに債権者も現れて「金を返せ!」と乗り込んできた。
もう会社は、メチャクチャだ。
そんな会社から俺は、外に出た。
俺の3年間は、なんだったんだよ。そして色々考え結果、決めた。
嫌・・・前々からモヤモヤした気持ちが・・・
行き先は、ダンジョンを管理しているギルド。
俺は、18歳の時にダンジョンに入って『錬金術』に目覚めた。
あの時の感覚は新鮮だった。
なんの知識もない錬金術がパッと覚醒したのだ。
なので探索者を辞めて生産職の錬金術師を選んだ。
恋人が出来たのが原因だった。
命を懸けてダンジョンを探索する探索者を恋人が嫌ったからだ。
恋人は、安定した職業を選んで欲しいとお願いされたら断れなかった。
そんな出来事で3年間をポーション作りに従事。
それなのに倒産してしまうとは、情けない。
その恋人も半年前に探索者に婚約直前に寝取られた。
偶然の出会いで探索者の一方的な猛アタックに・・・押し切られたらしい。
年収1億超え探索者には、敵うはずもなく悔しい思いを・・・。
「生産職のまま探索者の再発行ですか・・・はい、確認できました。2年前に失効してますね」
ギルドの受付嬢も呆れ顔だ。
探索者を諦めて生産職になって3年。それなのに21歳から再チャレンジする人は珍しい。
嫌、ないに等しい。
簡単な手続きで探索者カードが発行されたよ。
誰も命懸けの仕事なんかしたくないのが現状だ。
探索者の新人が死亡率が高いのが原因だ。
非公式だが毎年、死ぬ職業ナンバー1らしい。
それでもダンジョンの資源を政府と企業は、欲しいのが現状だ。
まさに死の職業だ。
国民に非難されようが法改正して、民間人にダンジョンを開いた。
自衛隊や警察に攻略させようと法案が出された。
しかし、自衛隊や警察から猛反対された。
審議の過程で何度も修正されたりして、結果は否決。
審議中に政治家の汚職や恥ずかしい事件が発覚。
『国会内を否決しないと恐ろしいことに』・・・そんな怪文書が流れ出した。
資源の少ない日本。色々な法改正にムキになっている始末だ。
何故なら・・・ダンジョンは、日本しか発生してないからだ。
資源は、世界への大アピールになっている。
アメリカの横槍もあったが妥当案として、沖縄、横浜の2つのダンジョンを開放。
当初は、沖縄のみとしていた。
横浜は、アメリカの猛抗議で仕方なく。
探索者カードを使ってゲートの中に入る。
奥まった所には、ダンジョンの階段が見えている。
その前にギルドの販売所によって9mm機関銃を購入。
新品で40万円。
全 長 :339mm
重 量 :2.8kg
弾 倉 :25発入
発射方式:連発/単発
発射速度:約1100発/分
有効射程:約100m
手痛い出費だが命の重さを考えれば仕方ない。
2年前の法改正で銃器を買って使用できるようになった。
探索者なら誰でも購入出来て使っても、法的には問題ない。
あくまでもダンジョン内での話だ。
そんな機関銃も地下2階では、倒せないモンスターが居るらしい。
「あ!このナイフもいいぞ」
軍用ナイフ2万5千円も購入。
全 長 :335mm
ブレード:約200mm
それと背負いバッグとペッドボトルとサンドイッチも購入。
準備が出来たので店をでる。
そしてダンジョンの階段へと行った。
30段の階段を下りると、草原が広がっていた。
かすかに風も吹いている。
このダンジョンの空間は、別の空間らしい。
はやい話が異世界だ。
太陽もないのに空は明るい。マジで信じられない世界だ。
その草原の先には、森があった。
あれ!。
この感覚は・・・錬金術を覚醒した感覚だぞ。
あれ!目の前に、文字が浮かびだす。
LV2
HP:20
MP:100
スキル
錬金術
☆鑑定
スキルに新たな鑑定が・・・なんで・・・
鑑定は、モンスターを倒してドロップする鑑定メガネが一般的だ。
ギルドの買取で鑑定メガネを使用するのは、当たり前だ。
それなのに・・・
スキルで鑑定を覚醒したなんて聞いた事がないぞ。
それにステータスが見えるなんて・・・あり得ない。
ここで驚いても仕方ない。
この鑑定を使ってみよう。
あ!俺が知ってる『薬草』が文字表示で見えるぞ。
普通なら草原の草を掻き分けて探すのに・・・
その文字の下に急いで駆け寄る。
「あった!まぎれもない薬草だ。それに鑑定では上品質と表示されてるぞ」
前までは、良い『薬草』だとか悪い『薬草』だとか感じていたが、ハッキリと表示されるなんて・・・驚きだよ。
ナイフを使って優しく根っこから『薬草』を採取。
表示されている『薬草』は、すべて採取だ。
今は、取り尽くして無いって聞いていたのに・・・
ギルド受付嬢の話は嘘だったのかな?。
2日後には、採取するのに初心者探索者でうじょうじょするハズなのに。
背負いバッグは、『薬草』でパンパンだ。
あれ!採取に夢中になって森近くまで来ていた。
「ギギギ」
あれってゴブリンの鳴き声だぞ。
肩に掛けていた機関銃を「ギュッ」と持って構える。
森からゴブリンが出てきたぞ。
撃ったことも無い機関銃を「バン」と撃った。
機関銃の撃った衝撃で90センチのゴブリンの頭上を弾がそれた。
これはヤバイ・・・音でこっちに気付きやがった。
連発に切り替えて「バババババ」と撃った。
1発2発とそれたが3発4発5発が頭や体に命中。
呆気なくゴブリン2人を倒した。
え!機関銃の弾丸攻撃が1と表示されたぞ。
消えかかるゴブリンのステータスも見えていた。
ゴブリン
HP0/10
MP1
倒したゴブリンに近づき胸をナイフで切裂く。
「あったぞ」
1個5千円の魔石があった。
この魔石からマナを取り出して電気に変換できるなんて信じられない。
研究で発見されたのが1年前。
今では、電気だけでなく熱や冷気まで変換できる。
まさに万能エネルギーだぜ。
それにしても俺が探索者とし攻略した時とは、えらい違いだぜ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます