第12話
〈Side:雅弘〉
時間通りにあすみが駅の改札口から現れた。
手を振りながら近づいてきたあすみは、
華やかな髪型をしていた。
「きれいだ。」
普段なら気恥ずかしくて言えない言葉も今日なら言えてしまう。
「ありがとう。ちょっと頑張って髪をセットしてもらったの。」
「今日は準備万端だよ。ご飯にはまだ早いから、少しイルミネーションを見てから家に向かおうか。」
「うん」
どちらからとなく手を繋ぎ、歩き始めた。
〈Side:あすみ〉
2人にとって初めてのクリスマスイヴ。
深冬ちゃんのアドバイスで髪をセットしてみた。
「きれいだ。」だって。
さすが深冬ちゃん。ありがとう!
必ず報告するからね。
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