第13話

〈Side:雅弘〉


ケーキを切り分け、あすみの前に皿を置く。


そして予習通りに、さり気なく言う。

「ご両親との顔合わせは、いつにする?」


「…顔合わせするの?」


「普通すると思うけど。」


「…聞いたことないけど。」


……あれっ?

「一緒に暮らすでしょ?」

「じゃ、じゃあ、式はする?」と続けてみた。


「同棲じゃなくて、結婚なの!?」


驚くあすみ。


「だって、プロポーズされてないっっっ!」


「したよ!」


「いつ!?なんて??」


「久々に会った時…。一緒に暮らそうって…。」


「それじゃぁ、わからないよ!」

「私、プロポーズされて、それから花嫁雑誌買うのが夢だったのに!」


「…何かごめん。」


黙り込むあすみ。



〈Side:あすみ〉


「じゃあ、なしだね…」


「俺は、あすみを失いたくないっ!」

必死の形相だね、高梨くん。


「式の日には、もう1度、分かりやすくプロポーズしてね。

喜んで、″橋″から、″梨″になります♡」


イジワルしてごめんね♡

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