第21話 常連客との恋

1年後。

「結婚してください」

 ヴォルンは思い切って、ミモリシェフにプロポーズした。

「はい」

 ミモリはうれしそうに返事をした。


 時は1年前にさかのぼる。

 ヴォルンは『ミカン・ラン』が初めて貸切パーティを依頼された常連客だった。

 ヴォルンは『ミカン・ラン』の料理のおいしさに心を奪われて、ミモリシェフの才能に心を惹かれた。『ミカン・ラン』に通っている内に、どんどんミモリシェフのことが好きになっていった。ヴォルンはミモリシェフよりも5つ年下だったが、話は合った。

 貸切パーティの準備中に泥棒が『ミカン・ラン』に入ったと聞いてかなり心配したが、犯人が判明して、犯行理由を知った後でも、ミモリシェフや『ミカン・ラン』への愛は変わらなかった。

 ミモリシェフへの気持ちを再確認したヴォルンは、ミモリシェフをグルメフェスタにさそった。ミモリシェフは来てくれて、ふたりでたくさんのグルメを楽しんだ。それ以来、何度もふたりはデートをし、ヴォルンはミモリシェフと恋人になれた。ふたりで過ごした時間がどんどん増えていき、ヴォルンはプロポーズを決意。ヴォルンが『ミカン・ラン』に通い始めて1年後にふたりは結婚した。

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