第11話 常識人の意見

「マルアさん、何かおかしいと思わない?」

 ポプィは思い切って、マルアの意見を聞くことにした。

「何がですか?」

「三人も、うちのお店で食事中に病院に収容されたこと」

「…」

「実はミモリシェフと市場に食材を買いに行ったことがあったんだけど、変な食材ばっかり買ってたし、スイーツに変わった材料入れるように指示されたし…マルアさん、何か気づいたことない?」

「…よく、わからないんですけど、三人目のお客さんが病院に収容された時に食べてた、カニクリームコロッケなんですけど…隠し味がビーのはちみつなんです」

「ビーのはちみつって、猛毒じゃ…」

「あ、でも、ひと晩、牛乳と混ぜれば、毒は消えるんですけど!」

「そうなんだ…」

「ミモリシェフは天才です! 私の憧れの人です! 絶対に違いますよ!」

「うん、僕も大丈夫だとは思うんだけど」

 そこで厨房に注文が入ったため、ふたりの会話は終わり、シェフ見習いのマルアは料理に取りかかった。

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