雨降りの部屋

天川裕司

雨降りの部屋

タイトル:雨降りの部屋


雨の日。


「わあぁあ!!」

「ガシャアアアアン!」(事故る音)

「ウ…ウソだろ…や、やっちまった…」


交差点で人をはねてしまった。

時は深夜。

周りに誰もおらず、逃げようと思えば逃げられる?

俺は逃げてしまった。


車道の信号は青だったんだ。

あとでわかったが、そのとき俺がはねたのは

少し有名なVチューバー?

パソコンで偶然見つけたのだが、

車のライトに照らされていたあの子の顔と

パソコンに写ってるこの子の顔が同じ。


その前の動画の概要欄に、

「今度はあ〜、赤信号で歩道を渡ったらどうなるか!?ってのをやってみたいと思いマウス!♪でもまだ怖いので、練習としてまずは深夜帯にね♪」

なんて書かれてあった。


「…ふざけてたのか…」


こんな企画のために俺は人生を…。


もう居ても立ってもたまらず、

俺は知り合いのスピリチュアルヒーラーのもとへ

駆け込んでいた。


ヒーラー「そうか。お前もついにそんな災難を」


「た、頼む!どうにかして助けてくれないか!」


こいつはスピリチュアルながら、

どんな窮地でも心を休めてくれる不思議な力を持っていた。


ヒーラー「そのまま放(ほう)って来たんだな。だったらその子が助かるかどうかもわからない。良いだろう。俺は現場に出られないから、お前に1つの道を教えよう」


ヒーラー「この家へ行け。インターホンを鳴らさなくていいから、そのままドアを開けて家の中に入るんだ。そこに答えがある」


「…え?…えぇ??」


訳が分からなかったが、とにかく言う通りにした。


ト書き(その家)


その家は郊外にあった。

別に古ぼけてもおらず普通の民家。

でも周りに家は1つもなかった。


ドアノブに手をかけてみるとガチャリ…と開いた。

「ゴクリ…」と唾を飲み込みながら

俺はとにかく玄関に入った。


すると…


「え?…う、うわあ!!」


突然、雨が降ってきた。

家の中なのに雨がザーザーぶりに降ってきて、

リビング、キッチン、廊下、おそらくトイレの中にも水が入り込み、

俺の足元をゆるく水が流れ始めた。


俺は驚いて一旦外に出た。外に出ると水が消えている。そして玄関を入るとまた水が流れてくる。

そして目の前…

「あっ、き、君は…!」

謎の人「謝ってくれぇ、謝ってくれぇ…」

黒い人影のようなものがそのまま目の前に立っており、それが何度も謝ってくれと言う。俺は事件のことを思い出し、何度も謝った。するとその人影は消え、水も消えた。

後日。俺が車ではねたあの子は助かった。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=JG1hTp0srUk

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雨降りの部屋 天川裕司 @tenkawayuji

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