　ザナムトキとは、チャコフ星でよく遊ばれている遊びで、ルールは、

　ザナムという薬に見立てたものをもち、その薬を持っている人を追いかけて奪い合うと言うもので、地球の言葉に例えるとすると、鬼ごっこの逆と捉えた方がわかりやすいだろう。

　ザナムを持ったまま、五分間逃げ切ることができたら、その人が勝ちとなる。

　また、20分経っても決着がつかない場合は、最後に持っていた人が勝ちとなる。

　元々、ザナムは放射線に怯える科学者たちが作ったもので、放射線に対する免疫をつけるために開発された。

　しかし、あまりにも強すぎる中毒性があったため、その国は、ザナムを製造することを禁止した。

　よって、ザナムは現在残っているものしか存在せず、また、使えばなくなってしまうものだったため、オークションに出されると、地球の値段にして、およそ数百万円にも当たる値段で取引された。

　それと同時に、国の治安も悪くなり、国の代表がスピーチをひらけば飛んで来るのは支援する声ではなく、空き缶やごみ、ガラスなど。いつ暴動が起こってもおかしくない状況になっていた。

　そんなことを繰り返していくうちに、ザナムの在庫はなくなり、新たな薬として、中毒性の少ないザナムトキが開発された。

　だんだんとザナム中毒になってしまった人々は平常心を取り戻し、ザナムトキを愛用するようになった。

　この一連の流れを忘れさせないためにも、二度と同じことが起きないようにと、子供の遊びにして小さい時から教えることで、薬の危険性や今の平和さを伝えることができたのだろうと思っている。

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