第2話: 宇宙人への対応は? ~沙織~
私、
これは悪質な営業妨害なのだろうか。
それとも、本当に宇宙人が攻めて来たのか。
まずは、どのような経路を辿ってテレビに繋いだのか調べるために、情報局に訪れた。
そこで出た結論が、少なくとも地球から発せられた電波ではないということだ。
「それは、外星人チャコフ星人が本当に存在して、本当に侵略に来た、と捉えていいのですか?」
ここで先走ってはいけないと思い、あえてゆっくりと言葉を発し、確認する。
「あくまで、言い切ることはできませんが、その可能性は十分にあると思います。
ただ、発信源が地球ではないとしか言えないので、衛星から直接発信している可能性もあります」
私は、一旦この話を持ち帰ることにした。すでに対策本部が、
♦︎♦︎♦︎♦︎
本部に戻ると、すでに何人もの人が協議をしていた。
「私は今回の件だが、単なる悪戯なのではと踏んでいる。
根拠として、そもそも未確認飛行物体すら見つかってないのに、宇宙人が連絡を取れるとも思えないし、もし見つかったという報告があったとしても、それが見間違いの可能性も捨てきれない。
第一、宇宙人なんて存在するとは思えない」
「いえ、それは違うと思いますよ、
確かに、地球の他に生物が住めるような環境があるのかどうかと聞かれると、まだ見つかっていません。
しかし、悪魔の証明にもあるように、あることを証明するのは一つの事例を見つけるだけでいいけど、ないことを証明するには、全てを探してからでないと、すぐ崩されてしまうでしょう。
いると決まったわけではないものの、私は、万が一のことを考え、何か交信手段を探すのが賢明だと思います」
「それはそうだが
その具体例が出ない限り、私たちはなにもできないぞ。アレシボ・メッセージを発信して、会話でもするのか?どこから来てるかわからないのに、発信して、からぶったらどうするんだ?
なにもできずに人類が終わってしまうぞ」
私は、一通りの流れを掴んでおきつつ、会議に参加した。
「そのことでご報告があります。
今、情報局に行き、発信源を調べてきました。
その結果地球から発せられているものではないということが判明し、宇宙人が発言していた可能性が出てきました。
発信源はまだわかりませんが、十分に警戒する必要があると考えられます」
「よし、では発信源がわかり、もしそれが宇宙からだったとして、アレシボ・メッセージと同じ手段で交信するとしよう。
問題はその内容だ。
相手が攻撃的とはいえ、こちらの文章が攻撃的になれば、相手の怒りを買ってしまう。
難しいところだが、慎重に行こう」
柏木さんはあくまでも半信半疑だったが、最悪の事態を考えてから、会議を閉じた。
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