第23話 大人の会議(2)
「今、お名前が出ましたが、ウンラン様とミンリン様の間にお座りなのが、
と、シアユンさんが紹介すると、
「王国
あー、なるほど。荒っぽい人も多いってことか。このくらい
「ジーウォは元はただの荒れ地に
それでか。元々、兵士というか剣士1,000人に住民1,400人ってバランス悪いなって思ってたけど、そういう理由か。
「
シアユンさんが言葉を切ると、フーチャオさんが「はっ」と、楽しげに短い笑い声を上げた。
「侍女さん。言葉を選ばなくていいんじゃないか? それだけ、荒くれ者も多いってことですな」
と、フーチャオさんはニヤリと笑った。でも、イヤな感じじゃない。「兄貴!」って呼びたくなる感じ。若い頃は悪かったんだろうなっていう、頼り
俺が
「そう心配しなくても大丈夫ですよ。ほとんどは
ほんの少しで特別な制度が設けられる訳がないって思ったけど、とりあえず、ここは信じよう。そういう人たちを
「以上が、ジーウォ城の
と、シアユンさんが俺の方に頭を下げた。すると、
「お、俺の名前は……」
と、俺が口を開くと、剣士長のフェイロンさんが手で制した。
「マレビト様。
なにそれ?
「
「申し訳ございません」
と、シアユンさんがもう一度、頭を下げた。
「私からご説明しておくべきでした」
いやいや。そうか。確かに、誰からも名前を聞かれてない。
「えっと……。マ、マレビトです……」
すごい間抜けな
「……ど、どうしたらいいか分かりません」
という、俺の言葉に皆がキョトンとした顔になった。
「えっと。ここで俺は何したらいいのか、まだ分かってません。よ、よろしくお願いします」
「いいじゃねぇか、正直で!」
と言ったのは、兄貴な村長のフーチャオさんだ。何に満足したのか、小気味よく笑ってる。
円卓を囲む皆さんの視線が、フーチャオさんに集まる。
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