第7話 : 頭よわよわ、ざぁこ♡ざぁ…ピュイーン!!

僕が魔王になって数日が経った


この数日の間で色んな事を知った


一つはクリエイターの職業が最強である事


でもまぁ、こんなん言い出したら切りが無いんで。

もうホント切り無いんで、こんなん言い出したら何処でも生きれないんで。


一つはこの世界は五つの勢力で別れていること


その勢力は人間軍、亜人軍、獣軍、オオヒルメノムチ進行教団体、そして僕達魔物軍だ。


そしてもう一つ、僕がとある勘違いをしていた事。


僕のステータス、9999の能力値はどうやら1LVの状態のアビリティだったらしい。


そして僕の今現在のLVは1


もうわかるだろう


僕はLV1で魔王を倒し魔王になるという、このサイトでも見たこと無いクソつまんないムーブをかましていたのだ。


ありそうだよね、転生したらLV1だけど魔王にまりましたとか。


まあ有っても絶対読まないだろうけど


おっと内側の話は置いといて


LV1だと知ったら簡単、LV上げをするだけだ。


『…てことで、なんか良いレベル上げの方法ない?』


早速僕はそれをバレッサちゃんに話した


するとバレッサちゃんは驚いた表情で


«エッ!?トムラ様ってLV1なの!?»


まあ無理もないか


『そういえや、バレッサちゃんって能力値はどの位なの?』


この世界での僕の能力値はいったい、どの位強いのだろうか


そう尋ねると、バレッサちゃんは自分の手を前に出し、ステータスを表示した。


―――――――――ステータス―――――――――

種族:オートマトン

職業:タンク・ガンナー

装備品: 武器・レリー50FO

     防具・バレッサお手製殲滅機

     アクセサリー・ナイトメア

能力 - HP:800        受けている呪い

   攻撃力:50        蠢く魂

  防御力:1500        感情フューチャー

  魔力:1500

  動体視力:300

  俊敏:500

―――――――――――――――――――――――

色々気になる所はあるが、一番最初に驚いたのは


『え!?バレッサちゃんってオートマトンなの!?』


オートマトンとは僕の認識が間違ってなければ、確か機械系のモンスターだったはず。


«はい、私はオートマトンですよ。»


幼女の明るい声と獣耳とは裏腹に、まさかの機械キャラ。でも僕の偏見だけど、機械キャラってだいたい感情無いとかそうゆうのが多かった気がする。


恐る恐る聞いてみる、オートマトンは感情があるモンスターなのかを。自分の偏見がどうなのか


『あー、えーっとバレッサちゃん、オートマトンっていうのはこんなに感情が明るいモンスターなの?』


するとバレッサちゃんは、ああーあっと言った表情で僕の問に答えた。


«私の呪いを見て下さい、感情フューチャーという呪いは私の年齢が増える事により、無機物のモンスターや特種なアンデットも感情を育てることができる呪いなのですよ。»


成る程、呪いのお陰か。


それなら理解できる、フューチャーという言葉の意味は未来や将来等の時間系を表す概念単語だから。


感情にフューチャーってなんだ?と思っていたがそういうことだったのか


こう思うと、この世界には僕にとって未知なる物がまだ多い。呪いについても魔法についても、あまりにも不明なことが多い。


そう考えているとバレッサちゃんが顔色を変えて口を開いた


«トムラ様〜、この世界は〜呪いというのは〜とっても有名な物でして〜、人間すら知ってる〜三大受呪ってあるのですよ〜。»


なんだ?この声といい、敗北感がある声、イライラするも何処か中毒性のある感じは?


…………まさか、


«その呪いっていうのは〜、人間すらかけることができる〜、ちょ〜簡単な呪いなんですよ〜。»


……………………まさか、


«んでぇ!その呪い、ちょ~簡単な呪いって言うのが〜同族同士が〜相手の脳内に〜直接話すことができるようになる呪いと〜、無機物に〜指示を数秒間与えることができる呪いと〜、»


不味い、まさかとは思ったけどこの流れは……!


«何にでも感情を与えることができる呪いなんですよ〜。»


不味い!この流れでは発動してしまう!!


«んでぇ!!そんな呪いすら知らないトムラ様って〜、»


アワアワどうしよう!不味いぞ!そうだ!魔法だ!魔法を使えばなんとか……!


«頭がよわよわなんですね〜! ざぁこ♡»

『テレポーーーーーーーート!!!!!!』


僕は宝物庫をその場に置いて、テレポートで魔王城より何里離れた所にテレポートする。


数秒後


魔王城方面から一筋の細い光の柱が立ち、その後魔王城全域、いや魔王城近くの一帯を覆い尽くすように、大きな光の爆発が起きた。










数分経った後、異空間からキアースが出てきた。


- -え?コレどうするのですか?- -


『あぁキアース、良く生きてたね。』


- -ふむ…… わしにしね というのじゃな!- -


『いやいや、まさか条件が発動するは思いもしなかったから。』


そう、さっきまでキアースに付き合って貰ってとある言葉を発する事により魔法を発動するスキルを作っていたのだ。


んで、その発動する言葉が(♡)このハートが語尾についた時だったのだ。


ただ僕とキアースじゃ語尾にハートマークを付けることが出来ずガタガタなハートマークしかつけれなかった


そしてそのスキルの為に使用した物が宝物庫である。


めっちゃ難しい作業だった。


魔力を均一に流し込み詠唱とかいう面倒くさいことしながら、宝物庫にスキルを使用しようとしたのだから。


ちなみに宝物庫には、自分の魔力の三分の二をつぎ込んでスペースシャイニングとニュークリアエクスプロージョンを、クリエイターの能力で合体した魔法を込めていた。


- -まぁ、この際イイです。ソレより、この超巨大クレーターどうするつもりですか?- -


そう、爆発の跡地は地面がごっそり削れていて核爆弾を落としてもこうはならんやろって言う位の大穴が出来ていた。


『まぁ、時戻しの魔法でなんとかするよ。』


- -この大きななハンイをヒトリで?出来るとは到底思えたマセン。- -


『まぁまぁ見ていなって。』


そう言い魔法を発動する


『この辺一帯の歴史を少し食べる、ヒストリーグラトニーを使って戻してみる。』


- -いやいやトムラ様、そんな範囲の小さい魔法じゃ流石に戻せませんよ。せめて範囲拡大魔法でも、- -


キアースの言葉を無視して自分の触手を百本近く出し、触手どうしがピッタリ引っ付くように並べる。


そしてその触手が一つの大きな口の触手になるように、力を込める。


ものの数秒もしない内に、触手は大きな口の触手となり魔法を発動する。


『ヒストリーグラトニー!』


魔法の発動に成功し辺りが元に戻る


巨大な範囲の歴史を喰ったからか少しお腹が満たされる


- -これはこれは、私のデータでは予想仕切れない超人ワザですね。- -


キアースはそう言って蜻蛉の腹部辺りに青色の光をウェーブするかのようにする


- -(情報の登録が完了しました)ごくろう- -


なんだ?僕についてのデータの登録でも行われてるのか?


- -にしても凄いですネ、ここまでの範囲を一瞬で無かった事にするのも、キョダイな穴を空ける程の魔法といい。まだ未知な事が多いですね- -


『そろそろ戻るか、中のみんながちゃんと元に戻ってるか確認しないと。』


そう言って、僕はキアースに触れながら魔法を発動する。


…テレポート


さっきまでバレッサちゃんがいた場所にテレポートする


そこには顔色がとても悪そうなバレッサちゃんがいた


『どうしたのバレッサちゃん?』


そう尋ねると少しビクッ!としてこっちを向く


«あ…ああ…トムラ様か、すみませんさっき悪い夢を見てまして、それで少しその夢が怖くて。»


うん、よし!メスガキ制裁完了!


«なんか、上手くは思いだせないのですけど、なんか、急に光の柱のような…»


バレッサちゃんの肩をがっしりつかみ『無理には思い出さなくても良いよ、何かあったら僕に話してみてね』と言い放つ


キアースはボソッと- -と、とんでもねぇ魔王だ- -と言ってた


さぁ、何のことかね?


何のことか解らないので考えているとバレッサちゃんの足がふらつきだした


ふらつくバレッサちゃんの身体を慌てて抱える


するとバレッサちゃんがこう言った


«すみませんトムラ様、少しこの状態にさせてくれませんか…»


とても疲れている様子だったので、僕は無言の肯定を触手で楽な体勢にしてあげる。


- -トムラ様…このスキルの実験は、- -


『嗚呼、今度からは辞めにしよう。』


そう言うとキアースはまた異空間を開き何処かに去る


今回はやらかしたな


バレッサちゃんに怖い思いをさせてしまった


今後からは気を付け無いといけないな


そう思いつつ表情が次第に晴れていくバレッサちゃんの寝顔を見て、あやすように少し揺らしていた。





…………アレ?レベル上げは?








とても暖かい


とても暖かい


まるで日向ぼっこをしているような感覚


私は暖かい空間の中で、誰か分からない姿も見えない白くぼやけている女性に、膝枕をしてもらっている。


そして私の頭に手を乗せ私を気遣う仕草をする


私の身体はこの人から感じる安心感で力が入らず眠くなっていく


私の瞼はどんどん視界をフェードアウトしていき、視界が見えなくなる瞬間に女性の人から声が聞こえた。


―――――貴女の居場所はここでは無いわ、元の世界に帰りなさい。大丈夫、貴女はいつでもここに来なさい、私は待ってるわ。―――――


暖かい空間と安心する声で私はそのまま深い眠りについてのだった

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