第6話 : 魔界語過ぎてよくわからん

誓いの儀式が終わり僕は一言、言った。


『お願いだから!畏まるの辞めて!』


切実な願いを吐く。


そして続けるように言う


『僕は恥ずかしくて恥ずかしくて恥ずかしくて(大事な事なので3回言いました)様とか慣れる訳ないでしょ!もっとフレンドリーに親しみやすい方が良い!後自分が魔王になってみて考えてよ!サブイでしょ!』


ここまで言ったら言う事を聞いてくれru…


〈わかりました魔王様、今度からもう少し親しみやすいように話します。〉


『敬語も!辞めてね。』


〈しかしですが、そのような事魔王様にとって無礼極まりないです。〉


『"け・い・ご"辞めてね。』


[(そこまでにしておけ])


ようやくわかってくれたようだ


[(魔王様がそうおっしゃっているのですから、その命令に歯向かうのはお門違いだ。])


『意地でも敬語外さないとなると、それはもう悪意あるだろ。』


天然なのか馬鹿なのか


«じゃぁ魔王様、敬語を外して話すけど魔王様の事なんて呼んだらいいの?»


やっと敬語を外してくれた。


だが


[(魔王様に敬語使わないなど何たる無礼を!死◯たいのか!])

『やめめめめいい!』


大変だコリャ


しかしそういえば自分の名前を自分は知らない、あの記憶から自分の名前を思い出そうとするがが、残念ながら上手く思い出せない。


僕の名前…


この肉体に名前はあるのだろうか、もしこの肉体に名前があれば、その肉体として名乗って言った方が良いだろう。


ただそんな名前を知るものなんて、いないだろうけど。


そんな事を思っていると手元の宝物庫から天叢雲剣と八尺瓊勾玉が勝手に出てきた


――その肉体の名はオオヒチルメ・ホムノオ――


頭の中を完全に見透かしてやがる


三種の神器達はこの肉体の名前を知っているということは、やはり借物の肉体だったということか、


元の肉体がこの世界の三種の神器の持ち主であったのだろう


そう思うとこの肉体も三種の神器達も申し訳無く思った



――心配ご無用、元の精神は既に死んでいる。貴方はこの肉体の持ち主に選ばれたのだ。――


死体に転生したのか僕は


そんな事はさておき、転生した身体には少し失礼だが、


…なんか名前ダサくない?


――であれば、トムラと私達は呼んでいた。トムラでどうだ、あの方は名前が多すぎてね。――


トムラか、


でもせっかく異世界来たからもっと長い名前が良いな


個人の勝手な偏見で長めの名前を考える


少し考えて最高管理者達に名を告げる


『そうだな、僕のいや、俺の名前はテオ・トーカス・トムラだ。トムラと呼びたまえ。』


この名で今後暮らしていく事に決意し覚悟を抱く


- -テオ・トーカス・トムラ…承知イタしました。その名を魔王城全域にジョウホウを共有します- -


[]ではトムラ様、この呼び方でよろしいのですね。[]


『嗚呼そうだ、後敬語も不要だ。』


〘トムラ様、とても良き名だと思います。〙


『ありがとう、その言葉はお世辞でも嬉しいよ。』


〘いえいえ、私は魔王様が自分にまともな名前を、命名した事が安心でして。〙


安心?どういうことだ


〘当初私の名付けの時酷い案しかなくて。危うくゴンザレスゴザル丸になりかけたのですよ。〙


oh...それはなんともCRAZYな案だこと


それは名付けの時に心配するわな


誰だそんな飲み会の勢いで名付けようとしたやつ


〈…ページズ、そのへんでよしてくれ。〉


お前かよ


〘まぁ、人間の親だからそんな狂った名しか付けられ無くてそんな変な方向性に行っちゃったんだもんな。〙


『やっぱりあれってキラキラネームだったのか。』


『〘人族とは恐ろしい、遺伝というのは恐ろしい。〙』


〈しょうがないじゃん!そういう名前なんだもん!〉


魔皇帝はそう叫ぶ


おっと、確かにキラキラネームだからといって名前をいじるのは良くない事だ。


前の事件のエメラルダスって言うキラキラネームの人が捕まってついキラキラネームに固定概念を作っていてしまった。


『すまない魔皇帝、許してくれ。』


〈いえいえ、私もこの程度でいじをはっているのが悪いのですから。あのでも、今度から何か違う呼び方をして欲しです。〉


ページズがボソッと〘こういうとこが魔王(名前)らしく無いんだよな〙と呟く


まぁまぁと静止させる


〝〘ところでトムラ様、ずっと気になってる事がありまして、〙〟


サーベラーが僕に質問を尋ねてきた


『ん?何?』


〝〘トムラ様はボクっ子ですけどさっき一人称が俺になっていたのですけど。〙〟


え…!?さっき自分の事俺っていってたの!?


『えっ、それって本当?』


『〘うむ、左に同じく。〙』


〈えぇ、なんなら戦闘中にも俺って一人称になっていました。〉


うわ…なんか恥ずかしい


〝〘えっとー、トムラ様つかぬことをお聞きしまって申し訳御座いません、〙〟


『うん…良いよ…僕も気おつけるから…。恥ずかしい、』


戦闘中とかになるとこう、身体のなかのアドレナリンが沸騰して、言葉遣いが荒々しくなったのだろう。


そう恥じらっているとふと気づく


グランノヴァが誓いの儀式以降、一言も発さない

調子でも悪いのかな?


そう思い僕は少し声をかけてみることにした


『え、えーとグランノヴァさん?』


〚どうしましたトムラ様、〛


異常はないようだ


『いや、えーとなんか元気無さそうに見てたから。』


〚いえ、お気になさらず〛


ん~~言葉数を少なく感じる


[(トムラ様、])


ギーラが僕を呼ぶ


[(彼はちょっと特種なかたでして、何を話してるのか分からないのですよ。])


へ?何を話してるのか分からない?


いやでも普通に話せてるけど、


[(グランノヴァ、少し普通通りに話してみてはどうですか?])


グランノヴァは少し黙り込んでやがて口を開いた


〚うりじゃぁ、ちゃー通りんかい話さしみらすん〛




……………………っは?


〚トムラ様、わんねーかんしんまりぬくーてーんありでぃしてぃ、訛りんでぃいーくとぅぬー言ちょーが分からんさぁ。〛





……………………………………っは?


ハンサムなイケオジ狩人から訳も分からない言葉が飛び出てくる


«ね、何言ってるのか分からないでしょ?実際言葉を理解出来てるのはキアースしかいないから»


理解できるのかよ


- -簡潔に言いますと訛りというのがあってみんなに自分のイッテルことが理解できないというナヤミをイッテルのです- -


訛り?


[(彼曰く方言と言う物がありまして、その方言がどうしても外せないようです。])


方言?


はて、何処かで聞いたような…


うーん、思いだせない。


あの見た記憶とかに繋がるのかな?


そのような事を考えたらふと、とある疑問が浮かび上がる。



記憶が無いのになんで綾鷹やニコニコ動画を覚えているのだ?



僕の記憶は、あの見た記憶からそれ以降のイギリスにいた記憶と、その後日本に戻りそれから何年か経った時までの記憶が無い。


何故それ以降の記憶がある?


今でも繊細思い出せる


テレビの放送で毎回録画してみる吉本新喜劇の放送


ニコニコ超会議に行くため東京に行ったが、千葉の幕張メッセで行われることを東京に付いてから知り、急いで向かったがほぼ終わりの状態で会った永琳のコスプレをした人の事も、


最近見てハマった察しの悪い雨穴も、


全て覚えてる、だけど自分の名前や姿や生い立ちもまだ分からない。


本当にどうなってんだ、


僕はそんな記憶の変な損傷と、グランノヴァが話す意味のわからない言葉によって混乱し、また倒れたのであった。

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