第5話 : 最高管理者達は完全に私の好みです

僕は見慣れない天井で目を覚ました


…ん、ぅうーん?ここは何処だ?


僕は自分の触手で目を擦り、周りを見る。


どうやら私が寝ていた所は、寝室だった。


全体的に黒色の装飾が施されている部屋のベットの上だった。


黒色のランプや黒色の収納用の引き出し、今寝ているシンデレラベットも黒色だ、黒色で統一されていてコンセプトもわかりやすくオシャレな部屋だ。


黒色の家具には所々、金の枠線のような装飾もされていた。


高級感のあるホテルのような所にいる状態の僕は、この非日常な感覚にプレッシャーがかかっていた。


そんなことを思っていると扉が開いた。


〈あ、起きましたか。〉


先程まで戦っていた魔王らしき者がそこに現れた


その魔王らしき者の見た目を改めて見る


見た目は白髪で普通の女性の人がするような、ロングの髪型をしている。


肌は黒く片方の目は琥珀色をしていて、もう片方はアメジストに似た色をしている。


また、女魔王って感じの格好をしている。


服の名前など知らないから、曖昧の表現しか出来なかった。


僕は少し身構えるが、魔王らしき者は膝まづき、深々と頭を下げた。


〈申し訳御座いませんでした、勝手な思い込みで早とちりをしてしまって。〉


『え!?』


急に謝られたから意味が分からない


〈私がこの罪を償う為に、私の身体やその命までもが必要なのならば、喜んで差し上げましょう。〉


『え、えーっと、だ、大丈夫ですよ!僕も少し頭を冷静にしていたらここまで争うことは無かったし、それに、後の方からは一方的な攻撃でしたし、』


〈許して下さるのですか?私を。〉


『許しますとも、だからそんなしかめつらしい感じじゃなくてもっとリラックスしてもらった方が』


〈いえいえ、貴方は新たなる王となったのですから、軽々しく話すのは失礼でしょう。〉


『いやでも、こう堅苦しい言い方は僕も慣れな…い…………と、』


そこで僕は言葉が途切れていった


今明らかに変な言葉が聞こえたから


『え、今なんて言いましたか…?』


〈軽々しく話すのは失礼な事だと、〉


『いや、もうちょい前、』


〈ですから新たなる王、つまり魔王になると方と言ったのです〉


『え?』


突然の出来事、予想もしない出来事で、僕はこの部屋のみならずここの外側にも聞こえる、もはや騒音と思うような声で。



『エーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?』











魔王になると言うことは魔王になる事なんですね


小泉さんもびっくりの小泉構文が出ました


『いやいつの間に僕が魔王になるって言った!?』


〈人種族以外が現役の魔王を倒すと魔王の座を降りるという、掟がある物で。〉


『oh...Mazikayo,The Demon King is crazy!』


おっと母国語がつい漏れてしまった(母国語ではない)


〈大丈夫ですよ、魔王様。きっと新たなる魔王様を皆、慕ってくれますとも。〉


『いやいや、さっき現れた他所者がいきなり魔王になったって聞いたら、皆否定するでしょ?』


〈魔王の存在と言うものは御都合主義な物で、〉


魔王になれたら誰でも良いのかよ。


やだよ、魔王が弱くても名目上魔王だったらなんでもいいって。


〈さぁ、起きたのですから魔王様、新たなる魔王の祝いに行きますよ。〉


『えぇ!?いやちょっと待って、まだ心の準備が…』


〈そんなウジウジしてたら皆が呆れますよ。ささ、私に近付いて下さい。〉


仕方なく元魔王に近寄る。


だが、


〈……ッ〉


元魔王が一瞬怯える用に思えた


〈さぁ広場へ参りましょう、テレポート!〉


そう言うと魔法陣が広がり、僕達を覆う用に魔力が活性化し、広場へとテレポートした。





「おい、アレを見ろ!新たなる魔王様がお見えになさったぞ!」


「うぉぉぉ!新たなる魔王様おめでとうございます!」


「新たなる魔王様!万歳!」


テレポートしてから早々にうるさい


テレポート先には輝かしい鎧を着た骸骨騎士や、空を華やかに舞うハーピィや、蠱惑的に笑うサキュバスや、豪快に喜びを表現するゴーレムなどもいた。


魔物達は僕を胴上げしようとしたのか、よって集って壺を持つ。


凄まじい形相で来るものだから、宝物庫から八咫の鏡を取り出し壺の蓋の代わりにして、中に隠れた。


ただ、大勢の魔物達が抱えようとしてるのが、壺越しでも伝わるが、全くびくともしない。


壺が重たすぎて持てないのだろう


「なんだよ、新たなる魔王様は少しばかし重たすぎやしないか。」


「うぉぉぉ何のこれしき…!やっぱり無理かもぉぉぉぉ…。」


八咫の鏡の、隙間から目の触手を伸ばしし周りを見る。


みんな顔が真っ赤になっている


なんか可愛そうになってきた


僕は『ハァ…』とため息を付き、隙間から十二本程触手を伸ばし、地面を思いっきし飛んで、自分で胴上げをした。


悲しいが胴上げをしたほうがいいだろう……


……自分で胴上げって何?


何回か胴上げをして見事に触手で着地した後、魔物達の顔伺う。


なんかみんな申し訳無さそうな顔をしていた


元魔王は遠くで呆れている顔していた


生姜無いじゃん、みんな持てなかったか。

生姜無いじゃん、流れ的に胴上げしたほうがいいじゃん。

生姜無いじゃん、雰囲気的に。

生姜無いじゃん、(生姜)は無いけど。


とそんな無駄な事を考えていると、後ろから影がかかった。


振り向くと底には八人(?)の魔物が立っていた。


一人は先程の元魔王が言っていたギーラと言う吸血鬼。


見た目は男性で若干白身がかった金髪と白い肌、紅い目が特徴だろう。


服装は貴族のヴァンパイアと言った所だろうか、そして案外イケメンである。



一人は女性で青い肌の瞳孔が緑色で、瞳孔の周りは黒色になっている。


髪は薄紅藤?とかいった用ななんとも言い表しづらい色して黒色のアンテロープのような角があり、濃し藍色のチャイナドレスに少し装飾を加えたようなデザインを加えた服装で美人さんだった。



一人(?)かは不明だ、リザードマンとでも言うのだろうか、薄黄緑色の鱗をしている片目に眼帯をしていて背中に刀らしき物を二本背よっている。


また蛇の様に下をチョロチョロ出す、その時の舌の色は毒々しい紫色をしている。


服装は軽めの鎧と言った所か、そしてまた黒色でカッコいいデザインをしている。



一人は黒色の鬼のマスクをしていて分かりづらいが、恐らく女の子?だと思う。


緑色の蛍光色の僕好みの前髪が眉毛にかかりかけている、ロングヘアー髪が目立ち、髪の毛と同じ色の獣耳が立っていた。


服装は頭に黒色の狐面を横に付けていて、黒色のパーカーを着ている。


中の服は表現が難しいが、黒色のさらし?を体で覆っている。


パーカーの上からは、赤紫の蛍光色の手錠の鎖が切れていて、それが両手についている。


そして黒色の短パン。


幼女!圧倒的メスガキ感!

うん、大好きSA☆(バリカンは居ません)



一人…ではないな


簡単に言ったら首が三つになった、小さいヒュドラだ。


体は金色で赤い目で、帯電でもしているのか少し電気のエフェクトのような物を纏っている。


そして男子はこういうドラゴンが好きなんでしょ?デザインをしてる。



人ではないだろう、見た目は人サイズの機械で出来た蜻蛉で凄いメカメカしい。


この蜻蛉を観ていると星のカ◯ビィの戦艦ハルバ◯ドを思い浮かべる。


どことなくポ◯モンのメガ◯ンマにも見えなくない、なんなら装飾的に言えばゲノセ◯トにも見える。



もはや生物かすら分かんない奴がいる。


見た目はプロの職人が本気で頑張った、折り紙のニャルラトホテプと灯火の星のキーラを足して二で割ったようなデザインだ。


自分でもこの表現があっているかは分からない。


が、もはやこれは生物ではないとしか言えない。


そして白一色、シンプル・イズ・ザ・ベストなのだろうか。



そして一人、やっと人形が回って来たがさっきの者達より魔力量が違うのがわかる。


元魔王と似たような魔力を感じる。


見た目は狩人だろう、がたいのいいおじさんでハンサムだ。アゴヒゲの生え方がまた男らしい。


肌の色は人間と同じで目の色も空色の目をしている。


ただ、耳がおかしい、まるでエルフの耳を切ったような形だ。


服装は狩人のような見た目で小型ナイフを腰に装着し、猟銃も携えていて背中に矢の束を背よっている。



[(新たなる魔王様、この度は貴方様が魔王としてこの地位に立つ事を私達、塔の最高管理者めらが快く受け入れ、貴方様の手足となり、身を粉にして忠誠を尽くす事を誓います。])


[誓います。]


一斉に膝ま付き頭を下げ、忠誠を誓われた。


勿論こんな事、人生で一度も有る訳無いので戸惑う。


アワアワしていると吸血鬼が口を開いた


[(西塔の最高管理者、ギーラ・ジャックアイ、新たなる魔王様に魔王の代が変わるその時まで働く事を誓います])


それに続けて青い肌の女性も口を開いた


〝〘第2東塔の最高管理者、コーラル・サーベラー、魔王様の想像を超す仕事ぶりを見せましょう。〙〟


次にリザードマンが口を開いく


[]東塔の最高管理者、ザールザー・キュリス邸・ロズノサーザー、魔王に身の危険が迫る時、盾になり剣となり貴方様をお守りしましょう。[]


次にロリっ娘が口を開く


«北塔の最高管理者、ジャラマガラン・バレッサ、魔王様に気に入られるように精進尽くします。»


次にヒュドラが首を一つ上げ口を開く


『〘魔王城入口のドラゴン寮全域の最高管理者、ヒュドラー・メトロポリス、進行・戦争をする時、ドラゴン軍の指揮を取り、計画通り事を進めさせましょう。〙』


次に機械蜻蛉が電子声で話す


- -第2西塔の最高管理者、DF84番キアース、おノゾみとあらばワタクシめが持つサイコウ技術と異世界通信デとりよせられる平行世界ジョウホウ局のジョウホウを取り寄せカンペキの計画を立てましょう- -


折り紙が高速で折られ人の形になる


〘エントランスホールそして大図書館そして魔王城敷地内そして塔を繫ぐ橋の最高管理者、本折(もとおり)ページズ、貴方様が知りたいこの世界の情報は大図書館の頭脳である私が直ぐにお答えしましょう。〙


そして狩人が口を開く


〚最高管理者統括、グランノヴァ、最高管理者達をフルに活かし魔王様の忠誠と信用に応える働きをしましょう。〛


そして元魔王が歩み寄り、最高管理者達の前まで出て膝ま付き頭を下げ言った。


〈魔王軍総括・魔王様の護衛・中央塔ダンジョン最高管理者、春一魔皇帝、元魔王の名に恥じぬ活躍をその目で見ることになるでしょう。〉



……どうやら始まってしまったらしい


異世界転生をしたら転生前の記憶を無くして、触手に転生するところから、とっくに始まってのだった。


転生したらチート触手で、これから悠々自適の魔王ライフが始まるのだった。

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