第2話 黒羽ユウ(改)

コピペミスで中途半端に終わっていたため、修正し、再度投稿させて頂きました。

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 僕の名前は黒羽ユウという。


 両親は《Devil's Feast》の団員で、僕自身は最高幹部候補の一人だ。


 もう既に両親は死んでいる。


 とはいっても組織が決めた結婚をして僕が生まれただけなのだから両親が死んでもなんの感慨もない。


 因みに両親の死因は2度目の《大災厄》で出現した魔物との戦いで死んだ。


 1度目の《大災厄》は魔物に団員が負けることはなかったらしい。


 しかし2度目は以前の10倍は魔物が強くなっているらしく、たまに団員にも死者が出る。


 僕からすれば、どうしてあんな魔物で死ぬことになるのか疑問だけど。


 今日は、ギルドマスターに仕事で呼び出されてる。

 最近は僕には仕事が来ていなかったため、久しぶりの仕事になる。

 仕事がないときはほとんど自由なため、長期休暇が終わった時と同じ気持ちになっている。


 どうせ大型の討伐とかだろうと考えながらギルドルームに向かう。


 

♢♢♢



 ギルドルームに到着した僕は、ギルドルームの扉を開けて中に入る。

 ギルドルームは社長室のようになっていて、部屋の奥にギルドマスターが座っている。


「やっと来たね、黒羽君。今日は君に仕事を頼みたいんだ」


今代の《Devil's Feast》ギルドマスターは、ルデア・サーディスという。


 どこかは聞いたことないが、日本人と外国人のハーフだ。


 外見は茶髪の七三分け、肌は白く糸目で優しそうな雰囲気のある美形の優男だ。


 しかし僕は知っている。


 コイツはとんでもなく腹黒いうえ、その優しい雰囲気からは想像できないような恐ろしい異能力を持っていることを。

 恐ろしい異能を持っているとは言え、僕は彼の部下だ。彼も部下に自分の異能を使用することは無いだろう。

 ――そんなことより今は任務内容だ。



「ギルドマスター直々の依頼なんて久し振りですね。なんでしょう?」



 かなり強い大型特殊個体――異能を保持する魔物――の討伐だろうなぁ……

 場所は近くがいい。遠いと行くのめんどくさいし。



「君に頼みたい仕事……それは囮だ」



 ん?


「それもただの囮じゃない。

君には《Blood Element》の最高幹部、白銀レイと同棲しながら囮としての役目を果たしてもらう」


 ???


 なんでDevil's Feastの最高幹部候補の僕が囮を……

 しかもBlood Elementの最高幹部と同棲しながら囮をしろってどういうこと?!



「言っている意味が分からないのですが……?」



 「冗談ならやめてほしい」という意思を込めギルドマスターを睨みつける。



「だから君には白銀レイと同棲しながら魔物達に対する囮になってもらう」

「なぜ僕が囮をしなくてはならないのですか?幹部候補の僕にやらせる必要はないと思うのですが」

「簡単だよ。君と白銀レイは精霊属性の異能力を所持している。だから魔物達は君に引き付けられる」

「ではなぜ今急に?強力な個体が出現したのですか?」

「その通り。最近過去最高レベルのエネルギーを保有する魔物が観測されてね。まず個人じゃあ倒せない。だから囮である君と白銀レイのところに集めて、大規模攻撃でいっきに討伐したいのさ」



 そういうわけか。

 結局のところは大型特殊個体の討伐と近いわけだ。



「しかし僕や白銀レイ、マスターでも倒せないとなると雑魚――と言っては悪いですが、一般隊員を集めたところでどうにかなるものなのですか?」

「ああ、なるさ。そいつは防御力がとんでもなく高いらしいんだ。でも防御中は身動きが取れなくなる。だから全員で総攻撃してそいつの動きを止めてる間に実力のある能力者が、一斉に大技を放ってトドメを刺す。因みに、この情報は5人の団員が命と引き換えに手に入れた情報だからね」

「だからってわざわざ白銀レイは……」

「魔物は強ければ強いほど小さいエネルギーには惹かれなくなるんだ。だから2人必要なんだよ。君と白銀レイなら2人だけでもしばらく耐えられるだろうしね」



 えぇ……


 仕事が来てるってことはBlood Elementも了承済みなんだろうけど、一応悪あがきしてみるか。せめて同棲は回避したい!



「向こうと白銀レイは了承済みなんですか?」

「向こうのギルドマスターは了承済みさ。白銀レイは確認中らしいけど」



 ギルドマスターが了承済みなのか……

 白銀レイが嫌がったとしても同棲の回避は無理そうだな……



「わかりました。いつからですか?」

「わかったら伝えるよ!」

「わかりました。それでは用件はこれだけですか?」

「うんそうだよ。それじゃあもう出て言ってくれて構わない」

「それでは。失礼しました」



 そして僕はギルドマスタールームを退出する。


「はぁ……」


 それにしても同棲か……

 しかも相手が別組織の最高幹部の一人とか……

 本当に憂鬱だ……


 しかし……僕が魔物の出現に気付かなかったのは不思議だ。

 なぜなら、魔物は魔力の保有量によって強さが変わる。

 《大災厄》は異世界と地球が接近することによってできるゲート、時空の歪から魔物が地球に侵入することによって発生する。

 そしてそのゲートを通れるサイズ――魔力量の魔物しか侵入できない。


 そして、僕やギルドマスターが倒せない魔物となると、とてつもなく巨大なゲートが必要だ。

 しかし、そんな巨大なゲートは今まで確認されたことがない。

 そしてそんな巨大なゲートができた場合は、組織によって即座に発見されるはずだ。発見されずとも、僕の異能力『精霊ノ子』の力の1つ、魔力感知が反応する。


 単純にミス、と言われればそれまでなのだが……

 まあ、不思議だがそう言うこともあるだろう。

 今の魔物は精霊属性の異能に惹かれるとかいう意味の分からない特性があるのだ。新たに生殖器官が備わり、地球で増殖していたとしても不思議ではない。あってほしくはにけれど。


 ともあれ、僕が《地獄の少女》と呼ばれる白銀さんと同棲しなくてはいけないことに変わりはない。

 はあ……憂鬱だ……(2回目)



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