第4話

「ミンナ イマゴロ ヤッテル……」

「オレタチ ドウスル? モドル?」


階段を下りた後は、壁に灯された明かりを頼りに進んだ。数分進んだところで、エドラが収監されているであろう地下牢のある部屋に忍び込めた。岩陰に隠れて部屋にいるゴブリンの動向を探る。


「ヒメサマ ゴブリントモ スルナラ…… コノニンゲン イラナクナイ?」

「「タシカニ イラナイ」」

「コイツ コロシタラ ヒメサマ オレタチト スルシカ?」

「「「ナイ!!」」」


賢いのか賢くないのか判断しかねるが、ゴブリンたちの勝手な考えでエドラの命が危ぶまれている。冗談ではない。


「オマエラ! カッテニ コロスナ!!」

「コイツガ シンダラ ミハリノ オレタチ オコラレル!」


飛び出そうとしたすんでのところで、運んできたゴブリン以外にも付近に数体、ゴブリンがいたことが分かり一度こらえる。


「オマエラ ヒメサマノ コヅクリ ミテナイカラ……」

「ミタラ ニンゲンニサセルノ モッタイナクナル……」

「オレタチモ チャント アヤマルカラ……」

「「……ジャア コロスカ!」」

「「「コロス! コロス!」」」


やはり、賢くはなかった。危険を冒してでも、怒られてでもあのゴブリンクイーンと交わりたいのだろうか。分からない。だが、そうと言ってもいよいよ助けに動かないとエドラが危ない。シガヒの町で購入し、今日の実戦訓練から使い始めた銅の剣を握り、私はゴブリンたちの前に姿を現した。


「待てっ! お前たち!!」

「ナニッ!? ニンゲン!?」

「コイツ オンナダ!! ヤレル!!!」

「キョウハ コレデ イイヤ!」


ゴブリンたちは全部で5体。みな先ほどまでのやりとりで性器をいきり立たせており、息が荒い。


「ふんッ!!」


私は見張り役だったのであろう、近くにいた2体のゴブリンを銅の剣で斬りつける。突然の奇襲に驚いたのか、1体も仕留めることは叶わなかったが、十分に怯ませることは出来たようだ。離れたところにいた別の1体が私に向かって突進してきたので、銅の剣を横に構えて受け止める。しかし、ゴブリンは勢いを落とさずそのまま私に覆いかぶさってきた。私は押し倒される形となり、身動きが取れない。


「ギヒヒッ!  ニンゲンノ オンナ!」

「オレタチノ モノニスル!!」

「ヤレ!! モウ マテナイ!!」


ゴブリンたちは次々に私の身体から服や装備をはぎ取っていく。私は必死に抵抗を試みるが、合流した5体のゴブリンに組み敷かれてしまってはどうすることもできない。


「やめっ! やめろぉ!!」


身につけている物をすべてはぎ取られ、私は全裸にされてしまった。ゴブリンたちが一斉に私の身体を舐めまわす。私は必死に声を押し殺して我慢していたが、それがゴブリンたちには面白くないようだ。1体のゴブリンが私の口に性器をねじ込んできた。

「むぐっ!!」

「ギヒヒッ! オレタチノ タネヲ ウケトレ!」


私は必死に抵抗するが、ゴブリンの性器を口から吐き出すことはできない。そうしている間にも他のゴブリンは私の胸や秘所に手を伸ばしている。そしてついに1体が私の膣内に自らの性器をあてがい挿入した。


「……っ!!?」


突然の異物感と痛みに思わず声を上げそうになるが、口いっぱいに性器が詰め込まれているため、くぐもった声しか出ない。


「ギヒヒッ! カンジテルノカ?」

「オレタチガ モット キモチヨク シテヤル!!」


そう言って、私の膣内に挿入しているゴブリンは腰を動かし始めた。


「んッ!! ん~っ!!」


私は必死に抵抗するが、ゴブリンはお構いなしに腰を打ち付ける。


「ギヒヒッ! イイカ!? オレタチモ キモチイイゾ!!」


ゴブリンが腰を動かす度に、膣内に挿入されている性器のカリ首が私の膣壁を引っ搔く。その刺激は痛みから徐々に快感へと変わり始めた。私はそんな自分の身体の変化を必死に否定しようとする。しかし、身体は正直に反応してしまっているようで、次第に秘所から愛液が溢れてきた。


「……っ!?!?」


私の愛液が潤滑油となったのか、ゴブリンは腰を動かす速度を上げた。それに伴い快感も増していく。


「ギヒヒッ! モットキモチヨクナレ!」


そう言うと、私を押さえつけていたもう1体のゴブリンが、胸を揉んできた。


「んっ!!……ん~っ!!」

「オレタチモ オマエノ カラダデ キモチヨクナル!!」


私は快感と嫌悪感が混ざり合った感覚に、頭がおかしくなりそうだった。ちょうどそのとき、私の口と秘所に挿入していたゴブリンが同時に果てたようだ。喉の奥に精液が流れ込んでくるのを感じた直後、膣奥にも熱いものが流れ込んでくる感覚がした。私は下腹部が熱くなるのを感じながらそのまま気を失ってしまった。


――サナさん、大丈夫ですか? ――


「……だ、大丈夫なわけ……あるか……」


目を開けると、桃色の長髪を揺らしながら女神ロエスが私の顔を覗き込んでいた。


「しかし、ここにいるということは……まだ私は殺されてはいないのだな。なら……早く起きて、エドラを助けなければ……!!」


――では彼を助けるためにも、ステータスを上げましょう――


そう言ってロエスは私の前にテキストボックスを浮かべる。


――まず、ここまでの戦闘経験でレベルが2つ上がっています――


ファンファーレとともに、目の前のテキストボックス内の数値が変動する。

『レベル:19→21 HP:15 MP:0 ちから:15→16 まもり:15→16 はやさ:20 きようさ:20 みりょく:28→30』


――そして、今のあなたは5体のゴブリンから……計30mLの精を注がれています――


私が気を失ってから残り3匹のゴブリンにも自身の身体を蹂躙されたのかと思うと、今でも気分が悪くなる。


「しかし、これで私は30ポイントを能力値に加えられるんだな。……ロエス、どこに振り分ければエドラを助けられる?」


今は何より、未来ある勇者の救出が優先だ。そのためであれば、気に入らないが女神から受けたこの加護も最大限活用するべきだろう。


――そうですね……脱獄や撤退が主目的なので、「きようさ」や「はやさ」は30にしてしまった方が良いでしょう。青年期の冒険者と遜色ないレベルになります。あとは、いざという時の戦闘に備えて「ちから」か「まもり」に割り振るのが良いかと――


腐っても、いや淫らでも女神は女神か。意外にも冷静に導いてくれるロエスに驚きながら、私はテキストボックスを操作する。


『レベル:21 HP:15 MP:0 ちから:16→26 まもり:16 はやさ:20→30 きようさ:20→30 みりょく:30』


ーーその能力であれば、ここからの脱出は可能でしょう。ゴブリンクイーンとも十分に闘えるかとーー


「そうか。では、行ってくる」

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