第3話

私は、王都セントラルから勇者を追ってシガヒの町へ来ていた。前回に引き続き、魔王や勇者の情報を集めるため町の酒場を訪れていた。もし、この町に向かう道中で知り合った勇者の1人であるパペルとここで再会できたなら、パーティを組んで魔王討伐に向けて旅路を進めてもよいだろう。そんなことを考えながら酒場の中を見回していると、パペルと同じくらいの背丈の少年を見つけた。


「うわっエッロ……!! なぁなぁ、姉ちゃんとも旅って出来んの!?」


パペルと同じような背格好の少年と目が合い、声を掛けられる。ただ、前回私を助けてくれた彼とは大きく異なり、清々しいくらいに堂々と私の胸元や腰回りに視線を這わせてくる。どう見ても年齢は私の方が上だと思うので、きわめて冷静に対応する。


「ぐっ……。君も勇者か冒険者かな? 私と旅に出るならカウンターにいるマスターに声をかけて契約料を払ってくれ」

「あぁ、オレはエドラ! 勇者だぜ!! それより姉ちゃんのその恰好さ、遊び人だろ? 遊び人って旅の仲間に笑いと癒しを与えてくれるって聞いたぜ! 姉ちゃんならどうやってオレを癒してくれんだ?」


エドラはいやらしい視線を一切隠すことなく捲し立てる。彼が本当にカウンターに行く前にマスターに根回しして断ってもらうよう頼まなければと思っていたところに、近くで酒を飲んでいた中年の男たちが口をはさんだ。


「おいおいやめとけボウズ! 遊び人は戦闘じゃ何の役にも立たねぇぜ?」

「こんなところで死にたくはないだろう? そういうのはもっと金と力に余裕ができてから楽しみな! ガッハッハ!」

「うぅ……くっそー! じゃあオッサンたちが協力してよ、東の洞窟のゴブリン退治!!」

「おっ? オレたちを頼るとはなかなか良いセンスしてるじゃねぇかボウズ! よし来た、今夜はこっちで一緒に食え、飲め!」

「オレたちぁ毎年、ここに来た勇者様とパーティ組んであそこのゴブリン倒しに行ってんのよ! 今年も新しいゴブリンキングが就任してるんだろうが、結局は新任。オレたちにかかれば楽勝よぉ!!」


エドラの興味がこちらから男たちに移ったようで安心する一方、遊び人としての自分が役立たずと言われたことに少しムッとする。しかし、前回のスライムとのコトがあったので何も言い返せない。情報収集だけでなく、戦闘の経験も積み続けなければならないなと思いながら、この場は静かに離れることにした。


翌日、町の近くで野生のモンスターたちと戦い修行していると、酒場でエドラと意気投合していた男たちが町に帰ってくるところを見かけた。しかし、そこにエドラの姿はない。男たちもえらく疲弊している。


「エドラはどうした? もう解散したのか?」


気になった私は男たちに歩み寄り話しかける。すると男たちは息も絶え絶えに答えた。


「こ、今回の……アイツらは……今までの、比じゃねぇ……」

「あぁ……数も、統率も……桁違いだった……」

「エドラはどうしたんだ!? 置いてきたのかっ!?」

「勇者のボウズ、オレたちを逃がすために最後まで戦って……」

「ゴブリンたちが『ボスに捧げる』とか言って洞窟の奥に運んで行っちまいやがった……!!」


酒場での様子からは想像できなかったが、エドラも立派な勇者だったようだ。いや、過去の話にしている場合ではない。まだ助けられるかもしれない。


「私が今から洞窟に向かって彼を助けてくる! あなたたちは町へ戻ってから酒場で救援、援軍を依頼してきてくれ!」

「姉ちゃん、遊び人だろ? すぐにやられちまうぜ?」

「だからと言ってエドラが助かる可能性を捨てるわけにはいかない!」

「……わ、わかった。すぐに酒場に向かって助けを呼んでくる!」

「姉ちゃんも……死ぬなよ」


そう言って男たちと私は反対方向に走り出す。ゴブリンたちの洞窟は走ってすぐだった。エドラや男たちも健闘はしたのだろう。入口は戦いの跡が広がっているだけで、誰もいなかった。私はわき目も振らず、洞窟内を直進する。しばらく走ると突然視界が開けた。大勢のゴブリンたちが唸り声をあげながら広間中央の高台を見上げている。私は岩陰に身を隠してゴブリンたちの視線の先を追うと、高台の上にはエドラがいるではないか。しかし様子が変だ。台上にいる彼はなぜか何も身につけておらず、ただ1人で仰向けに横たわっている。両手足を縛られているのか、Iアイの字の状態で身体をよじっていた。


「な……なんだ? どういう状況なんだ? どうやってエドラを助ける?」


私が頭を悩ませていると、高台周辺のゴブリンたちのボルテージがひときわ上がる。一度思考を中断し、再び高台に目線を上げると、いつの間にか高台の縁で1匹のゴブリンが仁王立ちになり、台下のゴブリンを見下ろしていた。よく見るとあのゴブリンだけ周囲の個体と異なり、胸や尻が強調された体型をしている。体長は普通のゴブリンより少し大きいくらいでエドラと変わらないくらいに見えるため、子供の身長に大人のスタイルと、どこか背徳的な色香を漂わせている。


「おい、何だよお前! はやくこの縄解けよ!!」


エドラが顔だけを起こして高台に立っているゴブリンにつっかかる。しかし、こんなときでも本能には逆らえないらしく、彼の目線はゴブリンの大きな尻に奪われている。


「キヒヒッ! わらわはゴブリンクイーン。魔王様に命じられて、この洞窟の統治に来たのだ。」


台上のゴブリンはエドラの言葉に反応して身体を翻し、流暢な人語で答える。普通のゴブリンとは明らかに違うようだ。


「残念ながらオマエの縄を解くことはできん。今まで勇者たちにやられた分のゴブリンを生むべく、オマエには種馬……いや、種ゴブリンになってもらわねばならんからなぁ? キ~ッヒッヒ!!」


そう言うとゴブリンクイーンは身にまとっていた布の服を全て脱ぎ去って台下へ投げ捨てた。台下のゴブリンたちはヒラヒラと落ちてくる布の服に群がり取り合っている。よく見ると彼らの性器は大きく膨張し、ときおりビクンビクンと震えている。ゴブリンクイーンの裸体が、行動が、彼らの興奮をさらに煽っているのだろう。


「ゴブリンに犯されてたまるかよ!!」


叫びながらもがき続けるエドラを見下ろしながら、腹の上にゴブリンクイーンがまたがった。そして後ろ手に彼の性器を握りしごき始める。


「キヒヒッ! まあそうは言うが、わらわの尻に釘付けだったではないか。……どうじゃ、わらわの肉体は? ほれ、もっと近くで見せてやろう」


そう言うと、彼女は空いている方の手で自らの胸を揉みしだき始めた。


「や、やめろよ! そんなん見てねえし見たくも……!」


エドラは顔を真っ赤にしながら顔を背ける。


「強情なヤツめ、ならば……」


ゴブリンクイーンはエドラの顔に自らの顔を近づけると、その唇を合わせた。


「んッ……!?」


驚きと嫌悪の表情を浮かべるエドラをよそに、ゴブリンクイーンはそのまま舌で彼の口をこじ開ける。


「……やめろっ! やめ……!」


ゴブリンクイーンに口内を蹂躙されたエドラの抵抗の声が弱々しいものになっていく。


「キヒヒッ、どうじゃ? たくさん子を増やさねばならないゴブリンクイーンの唾液には催淫効果があってな、もう身体が火照ってきたのではないか?」

「はぁ……はぁ……そんなわけ……!」


エドラは息を荒げながらも必死に否定しようとする。しかし、彼の下半身に目を向ければ一目瞭然だった。先ほどより大きく反り返ったソレの先端からは既に透明な汁が滲み始めている。


「キヒヒッ、もう準備万端ではないか。では早速……」


ゴブリンクイーンがエドラの性器から手を離すと、今度は自らの秘所にあてがい、ゆっくりと腰を下ろしていく。


「やめろ! やめてくれ!!」

「キヒィ……入ってくるぅ……」


エドラの懇願などお構いなしにゴブリンクイーンは腰を落とし続け、やがて彼の性器がすべて彼女の中に飲み込まれた。


「キヒヒ……全部わらわの中に入ったなぁ……」

「ああぁ……やめろぉ……」

「では……動くぞ?」


そう言うと、ゴブリンクイーンはゆっくりと腰を持ち上げる。そして再びゆっくりと下ろす。その繰り返しだ。2人の接合部からグチュグチュと卑猥な音が響く。エドラは目をつぶり、歯を食いしばって必死に耐えているようだ。


「なかなか頑張るではないか。ではこれはどうかの?」


ゴブリンクイーンは腰の動きを速める。エドラの性器が彼女の膣内を行き来するスピードが上がるにつれて、彼の口から漏れる声も大きくなっていく。


「あっ! ああっ! やめろぉ!! もうやめてくれ!!」

「キヒヒッ、もう限界のようじゃな……ほれ、わらわの中に出すがよい」


エドラが目をつぶって首を横に振りながら身体を震わせる。ゴブリンクイーンはその瞬間を逃さずに腰を一気に落とした。そして数秒の沈黙の後、ゴブリンクイーンがゆっくりと腰を上げていくと、彼女の性器から白い液体が垂れてきた。


「さすが、若くても勇者……男らしく、なかなかの量が出したな」


ゴブリンクイーンは自らの秘所から流れ出る白濁液を指ですくい、口に運ぶと満足そうに微笑んだ。そしてエドラに向き直る。


「さて、オマエは種ゴブリンじゃからな。この1回で解放されるわけではないぞ? ……キヒヒッ!」


そう言い放つと、彼女は台下のゴブリンたちに指示をだした。


「お~いオマエら! こいつをまた地下牢に運んでおけ。そのあとは……今日は気分が良いからな、わらわがお前たちの相手をしてやるぞ」


その言葉に洞窟中のゴブリンたちは歓喜の雄叫びを上げ、台上によじ登る。数匹のゴブリンがエドラを担ぎ上げて台奥へ姿を消すと、残ったゴブリンたちは一斉にゴブリンクイーンをに群がった。


「キヒヒ! もう待ちきれんか? よし、まずはオマエから……」


ゴブリンクイーンは台上に寝転がり、自ら秘所を開いて見せる。すると1匹のゴブリンがそこに自らの性器をあてがい挿入した。


「キヒィ……良いぞぉ……もっと激しく突いてくれぇ……」


その言葉を合図にして、他のゴブリンたちも次々と彼女に襲い掛かる。そして彼らは我先にと彼女の身体にむしゃぶりつき始めた。


「よし、今のうちだ!」


全てのゴブリンが台上で盛っているため、台下の空間を私は自由に移動することができた。高台の周囲を回ってみると、先ほどエドラが消えていった奥側に地下へ伸びた階段があった。


「地下牢へ運べと言っていたし、恐らくエドラはこの先だろう。待ってろよ……」


私は周囲に気を配りながら階段を下っていった。

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