第8話

「……これで満足?」


紬は少し呆れたように、ステージから降りた。


「こんなカラフルなところで演じたのは初めてだよ。目がチカチカする」


ライトのおかげで紫色に光った夏香と、黄色に光った紬が笑いあった。


「この劇、最後はハッピーエンドなのか分からないよね。少し歪んでる」


「少しじゃないよ、大分。元々、母親はおかしかったんだ」


紬は視聴覚室の床に寝転ぶ。


「ランファンってさ……何か知ってる?」


「あんたが言ったんでしょ、あたしは知らない」


夏香もそれを真似て、きらきらした部屋に二人。


「多分、ランファンもさ。こうやって生きていたんだろうなあ」

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