誰かの望む私 修正版
奴隷のよう生を望む人はそうはいない。
しかし、安全を得るために奴隷のような生を受け入れている人はたくさんいる。
いや、それにすら気が付かずそれを幸せだと下手な名前を付けて偽りの劇を続けている。
私はこれだけはすごく嫌だと思うことがある。
誰かの奴隷に出会った瞬間だ。進撃の巨人はご存じだろうか。
その中のキャラクターでヒストリアレイスというキャラクターがいる。
私はこの種のキャラクターにあったときにえも言われようのない虚しさと空っぽ感を抱くことになる。
本当の自分はかみ砕いて、誰かに好かれるために偽りの自分を演じてそのショーを他でもない私たちにまで強要する。
彼らの偽りの張り付いた笑顔はすごく苦手で、それにたいする振る舞い方が分からず苦笑いする羽目になる。
その経験の中でも一番心に残ってはなれないのは東京で会った子である。
あの子は一度も自分を見せはしなかった。それこそが正しいと思い込んでいるように。私は本当の強かで、周りが見えていて、ちょっとこずるいところもエッセンスで機転が回る本当の彼女の姿を見せてくれたのなら仲良くしたいと心から思った。その片鱗はところどころ目に映ったのだから。
しかし、人のためにわざとできないふりをして、可愛いと思われるためにしているあなたはすごく痛々しくて見てられなかった。褒められて居心地悪そうにする貴方もすごく辛かった。
その様に生きるしかなかったとしても私は一言声をかけてあげればよかったと今でも後悔している。
「本当のあなたはすごく素敵なんだから、なぜそういうことをするの?私はそういうあなたがすごく良いと思ったよ」
って。
こんなのいらないし私はこんな人じゃないと彼女はいうかもしれないし、そもそも気が付いてすらいないかもしれないが、私は心にあまりにも残っている。
きっとそういう幸せもあるのかもしれない。私はそこに触れることはないだろうが、多様性を唱えるならば私はそれも良いとどこかでは思っている。
しかし、あのような生が愛と言うのならば私は愛の奴隷であると思う。
愛されるために自分を演じて、私は愛されていると思い込むそれを。
しかし、日本の古い体制の愛はこのようなものに近いのではなかろうか。
なぜ女性が能力をあえて下に見せる必要があるのだ。
東京大学の女子がモテないから、東京の大学ですと紹介するように。
いまだに古いフェミニズム体制はしっかりと日本人観に根付いて離れることがない。
それは、ルックスにおいてもそうである。
多少変わったとはもちろん思うが、SNSの影響でルッキズムはさらに助長され、少しでもきれいになろうと整形や美容やらに昔より執着している。
しかし、それらは自分の為とは言うが、結局は何かの評価の為と直結しないだろうか。それを見て誰かが評価するから。
もし生まれた時自分の顔しか存在しないのなら、なにもきっと思うことはないだろう。その時に二重にしたい、顎を短くしたい、綺麗な鼻にしたい。なんて思うだろうか。
誰も評価しないなら、きっと執着すらしない。どんな顔でも構わないのだから。
そうなると何が美なんて基準はそもそもないのだから。
しかもこれが愛と言う名の響きを持ち競争力が必要なものだからなおのこと厄介だ。
馬鹿すぎてもいけないが、賢すぎてもいけない。そして愛らしく。
顔は可愛くないといけない。
しかし、そんなのが良妻賢母などとほざくのならば、そんなの犬にくれてやる。
私は、もっと能力がある女性が活躍出来て、可愛くもカッコよく働いていく姿を見続けたいのだ。勿論男性もである。可愛くもカッコよく自分のやりたいことに向かっていく姿はすごく素敵である。
女性ばかり取り上げてしまったが、男性にも当てはまる。成果主義で自分をよく見せないといけない。わからなくても、馬鹿にされてはいけないから結果を出さなくてはいけない。また、顔は多少良いがわがままな女性の言うことを全部聞いて願いを叶える。それこそが、男性のあるべき姿なのだから我慢する。
そんなのが、エリートであるとほざくのならば、これも犬に食わせようではないか。
成果の奴隷で誰かの奴隷であることはもうたくさんだ。
くすぶって何かの奴隷になっている人などもう見たくないのだ。
自分のために生きる。難しいことかもしれないが、そういう人が増えてくれたら、それが良いとされる社会を我々が作っていけたのなら、もっと素敵な世界が待ち受けているのではないだろうか。
p.s フェミニストみたいになってしまったが、別に女性だけでなく男性にもそうなって欲しいと願っている。自分のことばかり考える女性の奴隷になるのではなく、自分のために生きてほしいと。
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